「やまとなでしこ」20周年特別編・後編の感想です。
欧介と桜子が、やっと結ばれます。
二人の周囲の人は、本当にみんないい人ばかり!
魚春と東十条司病院
欧介のお店「魚春」には借金があって、さらに今、立ち退きの話が出ています。
それは、東十条司病院建設のための立ち退きでした。
心労と過労から欧介の母・富士子(市毛良枝)さんが倒れてしまいます…。
欧介は、「魚春」は父が残してくれたたった一つのもので、何とか母が良くなるまで、東十条司病院の建設を延期してほしいと、東十条さん(東幹久)に土下座して、頼みます。
普通なら、東十条さんの立ち位置って、もっと嫌な奴で、捨て台詞残して立ち去りそうなんですが、ここが「やまとなでしこ」が普通のドラマと違うところ。
東十条さん、本当に、本当にいい人。
しかし、東十条さんのお父さんが進めている話だから…と申し訳なさそうに欧介に謝るのです。
欧介は、桜子に以前、「数学から逃げ出した」と言われたことがありました。
それは、どうやら図星だったようです。
欧介は、自分は「なんでも中途半端で、自分には「魚春」継ぐ資格はない」といいます…。
すると、富士子さんが意識を回復して、佐久間(西村まさ彦)を呼びに行っている間に、桜子が富士子さんのお見舞いにやってきます。
富士子さんは、桜子を見て、かつての欧介の恋人「ユキコ」と桜子を間違えてしまいます。
桜子を知らない富士子さんは、「欧介は、貧乏だけどあなたを幸せにできる。お金には代えられないたった一つの大切なもので」と。
桜子は、東十条さんに病院の建設計画を「私、代官山は嫌なんです」と言い、「魚春」の立ち退き計画を白紙に戻してもらいます。
人のいい東十条さんは、「魚春」に立ち退き計画が白紙になったこと、それは桜子が頼んでくれたからと、欧介に自ら報告に来てくれるのです。
お育ちがいいからか、本当にいい人すぎる東十条さん…。
お金で買えないたった一つのもの
お金持ちと結婚することが幸せになることと考えている桜子には、お金で買えないたった一つのものが何であるかがわかりません。
「生まれたときからみんなそれを探して生きているの。欧介といればそれがわかる」と言われるのですが…。
東十条さんの病院の建設計画を白紙に戻してくれるように頼んだ段階で、桜子は本当はいろんなことに気づいていたのではないでしょうか。
桜子にお礼を言いに来る欧介。
桜子は、「お金で買えないたった一つのもの」を欧介に教えてもらうために、欧介がよくいくところに連れて行ってほしいと頼みます。
魚河岸のおいしい定食屋さん。
パチンコ。
バッティングセンター。
バッティングセンターでは、看板を壊してしまい、二人で逃げます。
このシーンも、すごく印象に残っているシーンでした。
桜子の嘘がバレる
欧介と二人で、桜子のアパートまで逃げて来ると、東十条さんが待っています。
東十条さん、桜子の部屋に入れてもらったことなかったんですねw
桜子は、東十条さんには、代官山のタワーマンションに住んでいることにしていたので、一つ目の嘘がバレてしまいます。
桜子が嘘をついていたことと、欧介と二人で帰って来たことで、さすがの東十条さんも、桜子を疑ってしまい…。
そこで、欧介が助け舟を出してくれます。
「病院の建設計画は、母に同情してくれただけ。今日は、母のお見舞いに来てくれた桜子を、自分が無理やり誘ったんです。桜子さんは、好きな人に良く思われたくて嘘をついただけで、相手を騙そうとしているわけではなく、嫌われたくなくて、もっと好きになってほしいから」と。
欧介、自分の気持ちを告白しているようなものではないですか。
そして、本当に人が良く、桜子を愛している東十条さんは、その言葉を信じるのです。
ちょっと、怖いぐらいいい人やんw
二つ目の桜子の嘘。
桜子の父親は、東北の漁師さんなのですが、豪華客船の船長だということにしているのです。
桜子は何とか東十条さんの両親にばれないように洋服を用意し、しっかりマニュアルまで作って、父にも嘘をつかせてしまいます。
お父さんは、はじめは、そんなことできないと言うのですが、ちゃんと桜子の言った通りにして、東十条さんの両親に会ってくれるのです。
翌日、お父さんが帰るバス乗り場のシーンは、泣けるシーンでした。
「もう二度と顔出さない」とまで言ってくれるお父さん。
娘の幸せを祈って、二度と会わない約束までします…。
そんな桜子も、「もう引き返せない」
「これで帰る家がなくなった」
「後悔なんかしてない」
「全然、平気」
「私にはこの結婚しかない。 私はうまくやったのよ」と、涙を堪えて強がるのでした。
桜子は、子供の頃、白いシャツを着た男性に出会っていて、欧介が「辛いことを全部忘れられる日が来るから」と言われて、その記憶がよみがえります。
そして、「いつか王子様が迎えに来てくれると思ってた。でも、それはあなたじゃない」と欧介に告げます。
桜子、本当に貧乏が辛かったんだな…。
結婚式から逃亡
東十条さんのとの結婚式当日。
パリでオーダーしたウェディングドレス姿の桜子、きれいでしたね。
しかし、その日、欧介が魚河岸で頭をぶつけて、佐久間の病院に入院していました。
大したケガではなかったのですが、粕屋のおかげ?で、結婚式の最中に容体が急変したという連絡が入り、病院に駆けつける佐久間。
それを聞いた桜子は、結婚式の途中で、欧介の元にウェディングドレス姿のままで走るのでした。
桜子は、「ここまでどうやって来たか覚えていない…」と佐久間に言います。
無我夢中で走って来たんですね。
しかし、佐久間に「一番大切なものにあなたは気づいたんだ。しかし、もう遅い」と言われ、放心状態になる桜子でした。
若葉ちゃんと東十条さん
それにしても、かわいそうなのは、若葉ちゃん(矢田亜希子)と東十条さん。
若葉ちゃんは、健気に「魚春」のお手伝いをしていましたし、本編では確か、欧介は若葉ちゃんの愛を受け入れたはず。
特別編ではそのシーンはなかったですが。
ニューヨークに行くことが決まった欧介の送別会で、酔っぱらった桜子を背負う欧介と一緒に帰る若葉ちゃん、涙を流しながら「本当に大切なもの、欧介さんこそなくしますよ」と言って別れていきます。
ドラマ放送当時、「やまとなでしこ」の二人目のヒロインと言ってもいいくらい、矢田亜希子派の男性が多かったのを思い出します。
「俺だったら、絶対若葉ちゃんをとる」と言っていた男子多かったです。
そして、桜子から「本当の気持ち」をはっきり告げられる東十条さんも、本当に気の毒でした…。
「私はお金持ちと結婚したかっただけなんです。私は東十条さんのこと愛していませんでした」
カクテルを一気飲みして、「最後に本当の君に出会えてよかったよ。ちゃんと振ってくれてありがとう」という東十条さんが不憫すぎる…。
そして、確かドラマ本編では、欧介を追ってニューヨークに行く桜子を、東十条さんが空港まで車で送ってくれるシーンがあったはず。
東十条さん、本当にいい人すぎて、もう…。
欧介再びニューヨークへ
大学の恩師(柴俊夫)が、欧介を訪ねて「魚春」にやってきます。
まだ35歳なのだから、優秀な若手数学者に贈られるフィールズ賞を狙えと。
やりかけていた数式を完成させて、ニューヨークのMIT(マサチューセッツ工科大学)に送ることにした欧介。
もう、逃げないと決めたのでした。
そして、欧介は大学に認められ、MITの非常勤講師として雇ってもらえることになります。
欧介は、また数学をやりたいと思ったのは桜子のおかげだと言います。
桜子の誕生日。佐久間の家で、ささやかなバースディパーティ。
28歳になりました。
桜子は、27歳が売りどきで、28歳になったら値崩れすると思っていました。
すると、佐久間の妻・真理子(森口瑤子)に「あなたと欧介くんはまだ何も始まってないじゃない。欧介くんを優しい殻から引きずり出せるのはあなただけかもしれない」と言われます。
真理子さんも、いい女なんですよね…。
そして、ニューヨークに欧介を追いかけていく桜子。
もともと行動力があるうえに、元CAだから、なんの戸惑いもなくニューヨークに行けてしまうのがすごい。
再会する二人。
「どうしてもあなたに会いたくて」と桜子。手には欧介からもらったカメレオンのおもちゃ。
欧介の「僕はもう逃げません。あなたが好きです。明日、あなたの気が変わったとしても」というセリフ、素敵でしたね。
そして、「私には見えるんです。10年後も20年後もあなたのそばには私がいる。残念ながら私はあなたといると幸せなんです」という桜子。
本当に、こんなすごいハッピーエンド、そうはないと思います。
さらに、ニューヨークでの二人が、本当に幸せそうで素敵でした。
桜子は、とうとうお金には代えられないたった一つのものを手に入れることが出来たのです。
最後に
「やまとなでしこ」特別編・後編の感想でした。
前編・後編と2週連続、懐かしくて幸せな時間でした。
見たかったシーンがカットされていたので、DVDで観直してみたいと思います!