「MIU404」最終回の感想です。
サブタイトルは「ゼロ」。
いつからでも、どんな状況からでもやり直せる。
「MIU404」最終回 あらすじ
同時多発爆破テロのニュース映像はフェイクとわかり、大混乱は間もなく収束した。伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)は、犯人が乗っているとネット上で拡散されたメロンパンの機捜車両404での密行は行えずにいた。別の車両で密行していると、その車中、伊吹は志摩の態度がおかしいことを追及。結果的に2人の関係がギクシャクしてしまう。
実は、トラックにひき逃げされた陣馬(橋本じゅん)は、爆破テロの大混乱で救急搬送が遅れてしまった…。志摩はフェイクに気づけずに判断を誤った自分を責めていた。九重(岡田健史)も陣馬の相棒として一緒に行動できなかったことを悔やみ、桔梗(麻生久美子)は班長としての責任を痛感。それぞれが無力感にさいなまれていた。そして伊吹は…。
さらに、依然として久住(菅田将暉)の行方は掴めないまま…。4機捜はこのまま久住を捕まえられず、バラバラになってしまうのか…。
[引用元]TBSテレビ「MIU404」公式サイトあらすじ
それぞれの相棒
陣馬さん(橋本じゅん)が、トラックにはねられ、意識不明の重体。
お見舞いのうどんが、たくさん届き、陣馬さんがどれだけ署内で慕われていたかがわかります。
四機捜を離れた九重(岡田健史)ですが、ずっと陣馬さんに付き添っています。
志摩と伊吹
一方、志摩(星野源)と伊吹(綾野剛)は、少し溝が出来ているようです…。
伊吹は、志摩の様子が、どうもおかしいことを、気にかけています。
糸巻さん(金井勇太)に頼んで、盗聴器を志摩に仕掛けたり。
話も最後まで聞かないから、誤解がさらに誤解を呼んでしまいます。
このまま、志摩と伊吹の心が離れたままなのか…と心配てしまいました。
九重くんのこと
ドラマが始まったばかりのときの九重は、陣馬さんにも反抗的で、飲み会もお断りのイマドキの青年でした。
それが、いつの間にか、陣馬さんとしっかりバディになっていました。
やけ酒の相手も陣馬さん。
そして、目を覚ました陣馬さんを見て、涙を流す、熱い男になっていました。
誰と出会い、関わるかで、人は変わることが出来るのです。
きっと、彼はこれから警察庁の上層部に上り詰め、現場が仕事をしやすくしてくれると思います。
久住の住む世界
久住(菅田将暉)は、本名ではないようですし、関西弁ですが関西出身とは限らないようです。
相手によっては、標準語をしゃべっていました。
人をモノとして見ていた久住
久住は、知り合いは多かったけれど、本当の友達はいなかったのかもしれません。
人をモノとして見ていた久住は、結局、その考え方が、最後自分自身に帰って来ます。
屋形船の上で、志摩と伊吹に追い詰められ、橋に頭をぶつけたときも、屋形船にいた「知り合い」は、ドーナツEPのせいで頭がぶっ飛んでいる状態。
彼らは、額から血を流す久住を見ても「どうしたの?真っ赤じゃん!」と笑っています。
呆然とする久住ですが、それは仕方がないことかも。
久住はたくさんいる
久住のような青年は、この世界にたくさんいるのではないかと思いました。
自分以外は信じないし、勝手に決めつけられたくないし、正体不明。
だけど、本心では、本当に信じあえるバディが欲しいのかもしれません。
九重と陣馬、志摩と伊吹のような。
久住が人とつながっているのは、必ず、間にお金が介在しています。
そんな関係は、すぐに崩れてしまうのが常。
それは、ネットでのつながりも同じことが言えます。
久住は、ネットを駆使してお金を集め、お金で人との関係を手に入れていました。
久住という存在は、あまりにも希薄で、悲しく空しい。
久住が警察に捕まったあとの横顔は、とても寂しく哀しいものでした。
ずっと人を食ったような久住でしたが、最後は彼の本当の顔が見れたような気がしました。
菅田将暉という俳優の力量を、最大限に引き出したドラマだったと思います。
二つの世界線
2019年10月の段階では、オリンピックが中止になるとは誰も思っていませんでした。
そして、コロナ禍で人々が苦しむことも。
そのときの世界線では、志摩は死んで、伊吹は久住を撃ち殺します。
最悪の結末。
これは、ドーナツEPや薬で見せられたもう一つの世界でした。
しかし、オリンピックが中止になり、コロナウィルスの感染拡大があった世界線では、志摩は死なないし、伊吹は久住を殺さないのです。
新国立競技場の屋根の形は、奇しくも「0」。
人は、リセットして0にして、いつからでも、どの段階からでもやり直すことが出来るのです。
最後に
「MIU404」最終回の感想でした。
本当に、心に残る、刺さる、胸が震えるセリフがたくさんあったドラマでした。
男女同権と言われて久しいですが、まだまだ男性が中心の日本社会。
その中を生き抜く強い女性たちが描かれているのも、女性視聴者としては、とてもうれしかったです。
麦ちゃん(黒川智花)が、元気になってくれ良かった。
今、このコロナ禍を耐えてきた世界のどこかに、志摩と伊吹は元気に生き続けています。
オリンピックが中止になっても、コロナウィルスに脅かされても、私たちはまたやり直せると思えるのです。
やっぱり野木亜希子氏の脚本は素敵です。
素晴らしいドラマをありがとうございました!
映画「罪の声」も楽しみです!
以下の記事で、第10話の感想を書いています。
よろしければ、併せてご覧になってみてください。
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