私が正社員で働いていた頃の話です。
既に、セクハラが問題視されていましたが、まだまだこんな人がいたのです。
お気に入りの子のご機嫌をとる
Oさんは、私より一つ年下で、仕事は普通に出来る平均的な男子社員でした。
仕事をする人としては、それほど問題はなかったと思います。
そして、Oさんは男性として、とても自信家でした。
多趣味で、おしゃれで、顔も今でいうところの「塩顔」でしたが、身長が私よりちょっと高い(私は身長152㎝です)くらいの小柄な人で、そこだけがあまりモテない理由だったようです。
しかし、Oさんは、女子社員の前でも平気で「遊びで付き合ってる女が何人もいる」と言ったり、よくモテアピールをしていました。
たとえそうであっても、本当にモテる男性は女性のいる前でそういう話はしないものだと思うのですが…。
そういったことからも、女子社員にはあまりよい印象がありませんでした。
Oさんには、可愛いお気に入りのMさんという20歳の派遣社員の女性がいました。
それほど関心がなくても、あからさまにOさんがMさんを狙っていることはわかりました。
Mさんはとても困惑していましたが、そこはプライベートなことなので誰もとやかくいうことはありませんでした。
そんなある日、Mさんが仕事でミスをしました。
それほど重要な仕事ではなかったのですが、修正するのに少し時間がかかりそうだったので、派遣社員の人の何人かを投入する必要がありました。
すると、Oさんが、課長に「あのミスはMさんではなくNさんのミスです」と申告したのです…。
顧客データ管理の入力の仕事だったのですが、Nさんが地方の出身で、その地域の住所の知識がないからミスをしたのはNさんだというのです。
Nさんは、大人しくて大変な仕事をお願いしても、嫌がらずきちんとこなしてくれる派遣社員さんでした。
そしてOさんは、Mさんに「俺があのミス、揉み消してあげたから心配しなくていいよ」と言ったそうなのです。
Mさんからそれを聞いた私は、課長に事情を説明し、Nさんの潔白は証明できましたが、本当に卑劣な男です。
課長もOさんが個人的にMさんのことを気に入っていることは、ご存じだったようです。
しかし、課長も「僕がわかっていればいいことだから」と、Oさんを注意することはなかったのです。
Nさんは何も知らないことなので、事を荒立てることもないだろうと。
そこまでしてMさんを庇いたいのなら、全く関係ない人を巻き込むのではなく、Oさん自身がミスを被ればいいのです。
今、思い出しても本当に腹が立つ出来事でした。
それ以来、私はOさんを全く信用できなくなりました。
仕事以外ならどうでもいい
仕事のこと以外で、Oさんが大好きなMさんを特別扱いするのは、どうでもいいことです。
Mさんもその出来事以来、さらに引いてる感じでしたが、Oさんは全く意に介していないようでした。
食事に誘われたり、休みの日に遊びに誘われたりしていたようですが、それはOさんとMさんの間のことなので、Mさんが嫌なら断ればいいことです。
後から知ったことですが、MさんとNさんは、とても仲が良くて、MさんからOさんのことを相談されていたらしいのです。
それで、MさんがOさんからの誘いを断る口実に、いつも「その日は、Nさんと約束してるので…」と言っていたようで、OさんにとってNさんの存在が邪魔だったようです。
結局、Mさんはその後留学することになり、Oさんの願いは叶うことなく終わったのですが、そのあとは何故かOさんはNさんにきつく当たっていました。
自分がMさんと付き合えなかったのは、自分自身の性格に問題があったからなのに、Nさんのせいにしていたのかもしれません。
女性を仕事をする人と見てほしい
私自身も派遣社員として長年働いて来た経験上、感じることなのですが、補助的な仕事であっても、女性を「仕事をする人」として見てほしいのです。
女子社員や派遣社員の誰かが自分の好きなタイプで、付き合いたいと思うことは仕方がないですが、恋愛対象として見ることは、仕事が終わってからにしてほしいです。
これも、りっぱなセクシャルハラスメントです。
そして、仕事が終わってから特別扱いする方が、男性にとっても自分の仕事がうまく運ぶはずです。
変に一人だけ特別扱いしたりすると、誰もが気持ちのいいものではありません。
私たち女子社員も人間なので、差別的な人よりみんなに平等な人の方をよりサポートしたくなるのものです。
さらに、特別扱いされて喜ぶ女子ばかりではないことも知ってほしいのです。
結局、特別扱いされている女子社員も、他の女子社員の手前気まずい思いもしますし、中にはいじめにつながってしまうこともあるので、迷惑を被っているのです。
その迷惑の「根源」を好きになるわけがないのです。
「女性は特別扱いされると喜ぶ」というのは、まさに男性目線でしかありません。
みんな、平和に心穏やかに、ただ仕事がしたいだけなのです。
最後に
常々、これもセクハラなのでは?と思っていたことについて書いてみました。
私自身も、どちらの立場にもなったことがあります。
私の仕事生活は、セクハラの歴史と言っても過言ではないです…。
仕事が出来る男は、仕事に私情は挟まないものです!