会社員として働いていた頃、自分の立場を有利にするために、上司に告げ口をする人がいました。
しかし、彼女が最終的にたどった道は…。
告げ口をする人の末路について書いてみます。
告げ口の目的
私が、20代の頃に、会社員として働いていた会社は、事務系の仕事をする人はすべて縁故入社でした。
私は、派遣から正社員に登用されました。
もちろん、特別優秀だったわけではなく、同じ仕事をしていた人が、ほぼ縁故入社の人でした。
そして、その多くが、ほとんど仕事をする気がなかったため、その「穴埋め」的な形で正社員にしてもらえてようなものです。
縁故じゃない人が、会社で生きていくためには、仕事を頑張るしかないのです。
そのため、派遣から正社員になる道が皆無だったわけではないので、派遣社員の中には正社員になるために、いろいろな駆け引きをする人がいました。
上司に媚びを売る人、仕事ができる派遣社員を陥れようとする人…しかし、最も悪質だったのは、「告げ口」をする人でした。
わざと、上司の批判を言わせるように話を持っていって、その批判を告げ口するのです。
正社員になりたければ、仕事をがんばればいいだけなのに、それをすることなく、軽蔑すべき行動を平気でする人がいました。
例えばその人を、Aさんとします。
また、上司も、Aさんの告げ口を真に受けて、自分の批判を言っていた人を攻撃したり、仕事を任せなかったり…。
そして、Aさんは、仕事がろくにできもしないのに、契約社員になっていました。
私たちが所属していたのは、大きな事務センターでした。
正社員・契約社員・派遣社員を入れて、700人ほどのセンターです。
しかし、その事務センターが、突然、半年後に廃止されることが決定しました。
特別扱いされること
若い派遣社員の子たちは、正社員になるために就活をはじめ、そのまま派遣社員として働きたい人は派遣会社と相談して、次の派遣先を紹介してもらう約束をしていました。
事務センターが廃止されるまでの半年間は、本当にセンターの雰囲気が悪く、Aさんに告げ口された派遣社員の人は、早期に契約を切られたりしていました。
長く、派遣社員として働いてきたのに、ひどい話です。
しかし、Aさんは、自分が上司から特別扱いされていると確信していたようで、ギリギリになっても就活をすることはありませんでした。
何らかの形で、自分は残れると思っていたようです。
今まで、派遣社員のいろいろな情報を上司に流して来たのですから、その「業績」が認められると思っていたのです。
自分は、契約社員の中でも「特別」だと。
実際、契約社員で会社に残ることを希望した人は、別の部署に異動して会社に残れることになっていました。
行きたくない部署でも、みんな我慢していましたが、Aさんだけは自信満々。
総務に行きたいと希望を出していたようで、それが聞き届けられると信じ切っていました。
告げ口する人間の末路
結果的に、Aさんは契約社員の中では、真っ先に契約を切られてしまうことになりました。
事務センターのセンター長は、自分が上司のうちはAさんをうまく使っていましたが、自分の下を離れた場合、どうなるのか…誰よりもわかっていたからです。
私の働いていた事務センターは、もともとすごく雰囲気のいい部署だったのですが、Aさんが入社して以来、人間関係が、とてもぎくしゃくしていました。
派遣社員の人たちも、バカではないので、Aさんのいるときには愚痴や上司批判をすることはなくなりました。
そうなると、Aさんが作り話をするようになりました。
また、Aさんがわざと上司を悪く言って、そのときにそれを否定しなかった人(黙って聞いていただけの人)が、あたかも上司を批判していたかのように言い出したのです。
センター長もセンター長だとは思いますが、やはり、告げ口をする人は、新しい部署に行けば、今度はそこで同じことをすると判断されたようです。
そして、その判断は間違っていないと思います。
Aさんは、自分が今までどれだけセンター長に有利な情報を流してきたか…と泣いていました。
泣きたいのは、告げ口されて途中で派遣切りされた人の方です。
私もそのときは、「自業自得なんじゃないの?」としか言えませんでしたが、Aさんには意味がわかっていなかったようです。
Aさんは、それまでこのやり方で、会社組織の中を渡り歩いてきたのでしょう。
Aさんが今、どこで何をされているのか知りませんが、おそらく、今も同じようなことをしているだろうと思います。
どうして、仕事自体で結果を出して、上司に認められようとしないのか…とても不思議ですが、「特別扱い」されることに快感を覚えるタイプだったのかもしれません。
仕事のやり方はそれぞれですが、自分に恥じるようなことはしたくないものです。
最後に
「告げ口をする人の末路」について書いてみました。
今、私は一人で仕事をしているので、こういうことに関わることはありません。
しかし、会社組織で働くということは、こういう面倒なことにも対処しなければならないこともあります。
会社は、仲良しクラブではないので、ある意味、仕方がないのかもしれません。
ちなみに、私は事務センター廃止と共に退職し、個人事業主になりました。
個人事業主として働くことは、責任も大きくなりますが、私にはこの働き方が向いているなぁと実感しています。