【親の介護】親の認知症が進んでも放置する人|私は神経質過ぎたの?

私の母は若年性認知症でした。

物忘れがひどくなり、同じ話を繰り返し、言動が過激になり、通いなれた道を忘れてしまう…。

その頃は、普通に会話は出来ましたが、1人にはしておけない状態でした。

私から見ても様子がおかしい

私の母の姉であるK子おばさんは、とても元気で明るいおばあちゃんです。

しかし、ある日を境に、どこか言動がおかしくなっていることに気が付きました。

私に電話をかけてきては

「ご近所のMさんが、夜中に大きな音で音楽を鳴らして眠れない」

「嫁が私の財産を狙っているから市役所に通帳を預けに行く」

「(自分の家にいても)知らない家に閉じ込められている」

どう考えても、様子がおかしいと思いました。

 

それとなく、従兄にそのことを話したのですが、

「自分が会いに行ったときは普通だった」

「年を取ったら誰でも物忘れするものだから」と言って、全く聞く耳を持たず、そのまま放置

 

K子おばさんは一人暮らしで、日中は一人で家にいます。

近くのスーパーに買い物に行っただけなのに道を間違えて、二駅も先の駅まで歩いて行ってしまい、足の爪が割れてしまったり…。

それでも、ケアマネジャーさんに相談もせず、デイサービスに申し込むこともなく、病院に連れて行ってもらうこともなく、ずっと一人で暮らしていました。

 

私がときどき様子を見に行っていたのですが、K子おばさんは同じ話を何度も繰り返していました…。

そして、タンスの引き出しを入れたり出したりして、「嫁にお金を盗まれた」と言っていました。

認知症の初期は気づかない

確かに、認知症の初期の場合、一緒に暮らしていないと気が付かないことが多いです。

私の母の場合は、若年性認知症だったことと一緒に暮らしていたので、様子がおかしいのはすぐに気が付きました。

しかし、従兄は一緒に暮らしていなかったことと、しっかり者の母が認知症になってしまったことを自分の中で認めることが出来なかったのだと思います。

おそらく、K子おばさんの様子がおかしいことはわかっていたはずです。

姪の私にさえ、辻褄の合わない話をしていたのですから、息子にはもっといろんなことを話していたはずです。

 

K子おばさんは、若い頃から病院で管理栄養士の仕事をしていて、定年後も嘱託として70歳まで働いていた人です。

とても、頭が良いキャリアウーマンでした。

従兄は、その母がボケるなんて、信じることが出来なかったのだと思います。

しかし、伯母は実際に一人にしておくには危険な状態になっていたのです。

息子として、現実を直視することは精神的にも厳しいことですが、伯母に何かあってからでは遅いのです。

認知症は2週間で症状が進むことも

ブランコに乗った老夫婦の人形

私のご近所のおばあちゃんで、ほんの数週間ほど前まで、普通に会話も出来てお元気だったのに、突然、認知症の症状が現れた方がいらっしゃいます。

認知症は、投薬治療を受けていると症状は緩やかに進行すると言われていますので、ある程度の年齢になったら、周囲の人が気をつけて、病院で検査を受けさせてあげるのが最善の方法だと思います。

検査を受けて、ただの加齢のためであれば、それはそれで良いことです。

 

認知症は、脳の病気で、治療法もはっきりと確立されていません。

そして、認知症の最も辛い時期は、半分記憶が抜け落ちて、半分覚えている時期です。

私の母も、その時期はよく自分のことを「情けない」と言っては泣いていました。

本人も、不安や次々と失われていく記憶に恐怖を感じる時期だと思います。

その時期をどれだけ不安なく過ごさせてあげるかは、介護するものにとってはとても重要なことだと思います。

 

いつかは、何もわからなくなる日が来るのかもしれませんが、放置するのはやはり酷です。

それでも放置する人たち

ご近所のおばあちゃんは、息子さん夫婦と同居されていたのですが、やはり病院に連れて行ってもらったのは、かなり症状が進行してからだったようです。

自分の名前もわからなくなって、一日寝ている状態になって初めて病院で検査を受けたようですが、その時期になるともう検査さえも、意味がわからなくなっている時期だと思います。

もちろん、少し様子がおかしいと思ったらすぐに病院に連れて行ったというお話も聞きますが、やはり、一旦放置してしまう人の話の方が、耳にすることが多いです。

 

私の母は、60代で認知症になったので、親戚の叔父たちからは、

「思い違いじゃないのか」

「神経質になりすぎると余計におかしくなる」

と言われていましたが、母にすぐに病院で検査を受けてもらいました。

結果は、脳の萎縮はないけれど、アルツハイマー型認知症の診断を受けました。

 

私は神経質過ぎたのでしょうか…。

最後に

最近では、早期の認知症の予防と治癒薬が開発されつつあるといいます。

私の母が生きていたときにも、予防薬はありましたが、治癒薬はありませんでした。

家族としては、見ているのも辛い認知症。

治癒薬が開発されたら、なおさら早めに病院に連れて行ってあげるべきです。

一日も早く認知症治療薬が開発されることを期待しています。