ドラマ「ライジング若冲」感想|天才かく覚醒せり

こんにちは。

はるき ゆかです。



ドラマ「ライジング若冲」の感想です。

主演は中村七之助さん。

少し乙女な七之助さんが、可愛らしいです。

史実に基づいた物語ですが、遊び心もたっぷりで芸術にあかるくない私でもすごく楽しめたドラマです。

ドラマ「ライジング若冲」の感想 はじめに

あらすじ

岩次郎(中川大志)が奉公する店に美しき僧侶・大典(永山瑛太)が現れ、謎めいた絵に心を捕まれる。描いたのは青物問屋の源左衛門(中村七之助)。いい年をして絵にはまっているという。彼は路上で謎の仙人(石橋蓮司)と出会い「若冲(じゃくちゅう)」という名を譲ってもらう。そして大典と運命的な出会いを果たす。生き物の世界を超絶技巧で描いた「動植綵絵(どうしょくさいえ)」誕生背景にあった男同士の友情とは?

[引用元]NHK「ライジング若冲」公式サイトエピソード

登場人物

伊藤若冲(源左衛門)/中村七之助
絵師。

円山応挙(岩次郎)/中川大志

画家。

池大雅/大東駿介

画家。玉瀾の夫。

池玉瀾/門脇麦

画家。大雅の妻。

売茶翁/石橋蓮司

謎の仙人。

大典顕常/永山瑛太

僧侶。

京都は芸術の都

岩次郎(中川大志)は奉公する骨董店の屋根で毎日を絵を描いています。

芸術の都・京で一旗揚げようと考えているのです。

岩次郎は、のちの円山応挙です。

僧侶の大典

僧侶の大典は絵の目利きで、岩次郎の奉公する骨董店が所有する絵を観にやって来ます。

大典は、青物問屋の二代目・桝谷源左衛門(中村七之助)が描いた鶏の絵を気に入り、大典は源左衛門に会いたいと言うのですが、現在源左衛門は行方不明。

鶏を描いた源左衛門の絵を譲ってほしいという大典。

かなり気に入ったようです。

ある日、源左衛門はすでに死んでおり、青物問屋を譲ると言われたと吹聴する山師(木村祐一)が、桝屋を強請っていたところ、源左衛門が突然帰ってきます。



源左衛門は、優しい人柄で、女遊びもせず、着物も地味なとても真面目な人物です。

ライバル心を燃やす岩次郎

源左衛門が戻ってきたことを知った岩次郎は、源左衛門の家に偵察に行きます。

源左衛門が庭の鶉の絵を描いているところを塀の穴から観察し、その手早いことに驚きながらも「写生は丁寧さが大切だ」とライバル心をむき出しにします。

源左衛門は、商売よりも絵に心を奪われており、弟の宗次郎(渡辺大)は商売は自分に任せて絵を描くことに邁進してほしいと言ってくれます。



中村七之助さんの鶉を見つめる優しい瞳が、ひとたび絵筆をとると、とても鋭くなります。

歌舞伎では女形をされている七之助さんならではの表情ですね。

源左衛門を訪ねて

岩次郎は、源左衛門の「独楽咼」(アトリエのようなもの)を訪ねて、そのときの鶉の絵を見せてほしいと頼みます。

その絵は、とても精密であんな速さで描いたとは思えないほど素晴らしく、ショックを受ける岩次郎。



フラフラになる岩次郎w

「負けた…」としょんぼり。

謎の仙人・売茶翁との出会い

源左衛門は、実物の鶴が見たくて出かけていきます。

そこで、路上でお茶を淹れる不思議な老人に出会います。

路上茶人です。

それこそが、源左衛門の絵師としての名づけ親・売茶翁でした。



源左衛門の後をつける岩次郎が、漫画っぽくて可愛いですw

若冲の名前を譲りうけて

この老人の名前は、売茶翁と言います。

そして、源左衛門のことを噂で聞いたことがあると言います。

売茶翁が持っている器には一つづつ名前があり、どんなものも受け入れる大きな水差し「若冲」の名前を譲ってほしいと頼みます。

売茶翁は、器の声を聞き、譲ってもらうことが出来ました。

そして、源左衛門は、伊藤若冲と名乗ることになりました。



名前を譲ってくれると「言う」水差しの若冲に、石橋蓮司さんの「ええー…マジすか」というセリフも、意外でしたw

大典との運命の出会い

若冲となった源左衛門は、売茶翁に紹介状を書いてもらい、相国寺を訪ねるように言われます。

そこには、大典がいるのです。

売茶翁と源左衛門の噂をしていたのは、大典でした。



大典の登場シーン。

息をのむほど美しい、大典を演じる永山瑛太さん。

若冲も、少女のようにドギマギしています。



相国寺には、昔若冲が描いたあの鶏の絵がありました。

大典は、この絵には「禅の境地」があると言います。

そして、若冲に森羅万象、さらに御仏を若冲に描いてほしいと、手を握り訴えてきます。



気を失いそうになる若冲w

これは、BL的な感じ?w



若冲が鶴を描きたいという願いを大典が叶えてくれます。

相国寺には、鶴の絵がたくさんあるので、好きなだけ模写すればよいと。



三年間、大典が所有する絵を模写し続けます。

そして、自分が何を描きたいのか、何を描くべきなのかを探り続けます。

しかし、やはり実物を見て描かなければ、本物を描くことが出来ないと感じる若冲。



三年間書き続け、それでも納得できないとは芸術の奥深さを感じさせてくれます。

天下を三分する絵師が集結

若冲が大典とともに、売茶翁の元を訪ねると池大雅(大東駿介)という日に焼けた豪快な絵師と出会います。

大雅は、全国を旅し、絵を描いている画家です。

お酒が大好きなので、お酒と引き換えに絵を描いたりする破天荒さw

池大雅という絵師

大雅は、才能ある画家ですが、貧乏で大酒飲み。

売茶翁と大典にも才能を認められている画家で、妻も画家です。

どこか魅力的な人柄で、絵を描く姿は神がかった風情の画家です。

子供の頃から、絵だけでなく、書にも才能を発揮していました。

筆は質屋に入っているので、指に絵の具をつけて絵を描く「指墨」という技法です。

全国を旅しながら絵を描く大雅。

若冲は、そこまでしなければ描きたいものは見つからないのかと聞きます。

若冲・大雅・岩次郎の才能

売茶翁は「虚心担懐ナレバ心眼自ズカラ開ク」と言います。

常に心を開いていると見えてくる…という意味だそうです。

そこに岩次郎が現れて、三人で写生に出かけます。

三人の背中を見ながら、売茶翁は「今は無名だが、これから天下を三分する画家になる」と感慨深げに語ります。



三人が写生するシーンは、圧巻でした!

ここで若冲は、自分が描くべきものを見つけるのです。

若冲が美しいと思う動物は、鶏でした。



絵を描く大東駿介さん、目がキラキラして素晴らしい演技でした。

ドラマの中で使われた大雅の絵は、大東駿介さん自身が書かれたものとのこと。

大東駿介さんは、もっと認められるべき俳優さんだと思います。

大雅の家を訪問する若冲

大雅の妻の玉瀾(門脇麦)も画家です。

そして、二人の絵はとても似ています。

若冲は、俗世と縁を切り、芸術家として生きるために出家したいと大典に言い、叱られたと言うのです。

売茶翁は、大典は文才があるのに、寺の将来を担わなければならない立場であり、そのため、若冲の生き方に嫉妬しているのだと言います。



優れた人は、どんなものにも秀でていることが多いものです。

大典さんもそんな一人。

自由に芸術に生きることが出来ないんですね。

売茶翁が廃業

売茶翁が、茶人を廃業することになりました。

売茶翁の生前葬

茶器に火をくべて、弔います。

今まで支えてくれた茶器を荼毘にふすのです。



とても、美しい光景でした。

旅に出る大雅

再び、旅に出来ることにした大雅。

それを聞いた岩次郎は、売茶翁もいなくなり、大雅も旅に出てしまったことから自分もどこかに行くことにしました。

若冲は、岩次郎までいなくなるのは寂しいと言いますが、岩次郎は若冲には大典がいると言って…。

しかし、大典は相国寺に暇を出し、詩人として生きることを選んだと若冲に告白します。

そして、大典自身も旅に出ると…。



きっと、芸術家としての大典の気持ちを奮い立たせたのは若冲自身です。

そして、若冲は、森羅万象全三十三幅の絵を、大典を待ちながら描き続けることを約束するのです。



芸術に生きる人々の情熱。

一般人の私には思いも及びません。

「動植綵絵」を描き上げる若冲

三年後。

三十三幅の絵「動植綵絵」を描き上げる若冲。

この三十三幅の絵は、相国寺に寄進します。

若冲の絵は、既に神の領域に達しており、人間の手には余るものだと、売茶翁は言います。

若冲と大典

相国寺の住職に呼び出された大典は、三十三幅の絵を心ゆくまで愛でるがよいと言われます。

若冲のこの三十三枚の絵のうち二枚は、大典に捧げたものでした。

この二枚は、対になっています。

鳳凰と雁の二枚の絵は、二人のつながりを表したものです。

友情というのか、愛情というのか…。

二人で船に乗っているシーンで大典が、若冲の手をそっと握るシーンがありました。

これは、友情というより、やはり愛情だということだと確信するシーンです!



遊び心もある、素晴らしい作品でした。



ドラマ「ライジング若冲」は、芸術で繋がった二人の「愛の物語」です。

ドラマ「ライジング若冲」の感想 最後に

ドラマ「ライジング若冲」の感想でした。

二人で船に乗っているシーンで、大典が『上方萬番付』という冊子があると若冲に教えます。

そこで、「歌舞伎人気番付というのもある」というと、中村七之助さん演じる若冲が「歌舞伎?私には関係のないことやなぁ」というシーンはクスっとしました。

そして、「絵師人気番付」というものもあり、そこには三位に大雅、二位に若冲の名前があり、さらに一位は円山応挙(岩次郎)でした!

めちゃくちゃ喜んでるところとか、ちょっと俗っぽくて、円山応挙ってこんな感じの人だったのかなと興味深いシーンでした。



NHKドラマのお正月番組にぴったりの作品でした。

おもしろかったです!

NHKプラスに登録すれば、見逃し配信で観ることが出来ますので、ぜひ!

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