20代の方はもちろん、30~40代なら、大きな病気を抱えている方以外は、自分の「死」についてそれほど真剣に考えたことはないと思います。しかし、若くても事故や災害に巻き込まれ、亡くなることがないとはいえません。今回はエンディングノート・終活について考えてみたいと思います。
終活とは?
終活とは、これから誰にでも平等に訪れる死を、自分らしく周りにも迷惑をかけないように行う様々な活動のことです。
私自身の経験から言うと、父が肺炎で入院し、亡くなるまでの間が短く、葬儀や生命保険や相続に関することを考える時間が殆どありませんでした。そのため、葬儀に関しても誰に連絡するかを知らされておらず、あとから「亡くなったのなら知らせてほしかった」と苦情が来たり…。
会社関係の方には連絡出来ましたが、学生時代の友人などの連絡先は知らされていなかったので、とても大変でした。やはり、自分のときはちゃんと後に書き残しておかなかれば…と痛感しました。「死」に関する話題は、すでに病気になっている人に対しては、親子であれ、こちらから提案するのは難しいものです。
そのため、自分自身でエンディングノートを用意することはとても重要なことだと思います。
人が死を考える人生の分岐点
独身の間は、あまり死について考えることはありませんが、結婚して子供が出来たら考えるようになる人が多いといいます。子供が成人するまで、結婚するまで、孫の顔が見たい…など、その気持ちはとてもよくわかります。やはり、人が死について考える分岐点は「結婚」なのではないでしょうか。
パートナーや子供に残しておきたいことをエンディングノートに詳細に記しておけば、家族が困ることはないでしょう。また、自分自身で自分の人生を振り返るよい機会にもなります。自分自身の思わぬ気持ちに気づくことができ、その後の人生を思い残すこと無く生きていけるように思います。
エンディングノートを書くということに億劫な年令になる前に
私は、父のときにいろいろ戸惑ったり苦労したことが多かったので、母には生前にいろいろ聞いておきました。母は持病があり、父がなくなった頃にはまだ60代でしたが、字を書くことが苦手になっていたからです。
亡くなった後の話をするのは、とてもデリケートな話題になるので、親子であっても聞きづらい部分はありました。しかし、ある程度の年齢になれば人間は死を迎える心の準備が出来ているようです。
母は延命措置は不要であることと家族葬を希望していました。お知らせする方も事前に聞くことができました。延命措置について、残されたものにその判断を委ねることはとても酷なことだと思います。しかし、事前に本人の意思を聞いておけば、その通りにしてあげらます。
自分で書くことが出来なくなる前にエンディングノートを書いておくことも家族への愛情であると思います。
あなたには死を見送ってくれる人がいますか?
エンディングノートは書店で購入することが出来ます。私もすでに購入し、書ける項目は詳しく書いています。私は結婚をするつもりがないのと持病があるので、正直、いつも「いつどうなるかわからない」と思って生きています。兄夫婦や甥っ子たちに対していろいろと書き残しています。
市販のエンディングノートを買わなくても、ご自身でノートに書き残すことも勿論できます。
私のように一人暮らしでこのまま一生独身で過ごすつもりであれば、エンデイングノートは必須だと思います。
エンディングノートや家族に書き残すことの必要性
先にも書きましたが、延命措置についてや、財産について、銀行預金や生命保険、お葬式はどうしたいか、死の知らせをして欲しい人としてほしくない人、仕事に関する連絡先なども、あとに残る家族に伝える必要がありますね。
法的な効力はありませんが、財産分与についてなども書いておく必要があります。それは、残される人と話し合いをして決めれば、あとで揉めることもありません。
悲しい話ですが、金銭に関することが最も揉める元になるようです。残した家族に苦い経験をさせないためにもエンディングノートに遺言書について書いておくと良いと思います。遺言書は弁護士を立てて正式なものを書かれると思いますので、「遺言書がある」ということをエンディングノートで家族に知らせます。
「エンディング」という言葉のノートではありますが、死へ向かうまでの生き方を残すためのノートです。「縁起でもない」と思われることもあるかもしれませんが、人間はいつかは誰もが死をむかえます。それは逃れようのない現実です。エンディングノートは死ぬために書くものではありません。
最後に 心残りのない人生を送るために
エンディングノートや終活についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
おそらく親御さんは、子供からエンディングノートのお話をすれば、進んで書いてくださると思います。亡くなったあとで、子供に迷惑をかけたくないというのは、みなさんお考えになっていることだと思います。また、すでに終活についてお考えのみなさんが、この記事が終活を本格的に考えていただくきっかけになればと思います。
それぞれ人生観がありますので無理強いはよくありませんが、エンディングノートを書き、終活をすることは死から目を背けない素晴らしい生き方の選択であると思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。