【相模原事件】津久井やまゆり園障害者施設殺傷事件公判

相模原障害者施設殺傷事件の初公判が1/8、二回目公判が1/10に行われました。

事件のあらまし

2016年7月26日、神奈川県相模原市緑区にある障害者福祉施設『津久井やまゆり園』で起こった事件です。

19人を殺害、26人が重軽傷を負った事件です。

当時、戦後最悪の大量殺人事件だと言われていました。

 

植松聖被告は、元々この「やまゆり園」の職員でした。

「知的障害者は、不幸を作るから安楽死させるべき」と主張しています。

一方、ネット上ではこの残虐非道な被告を擁護する意見が多数見られていたことも問題視されました。

なぜ植松被告を擁護する意見が出たのか?

なぜ、このように植松被告を擁護する意見が多く聞かれたのかというと、植松被告の思想にあったと言われています。

  • 知的障害を理由に犯罪を犯しても裁かれない
  • 障害者の犯罪率の高さ
  • 彼らが家族や周囲に与える苦しみ
  • 遺族は障害者の家族だと世間に知られることを嫌がる
  • 障害者施設の職員が置かれている過酷な労働環境
  • 障害者は本当に「生きたい」という意思があるのか

以上のような理由から殺害を計画したとのことです。

確かに、知的障害があることを理由に他人に危害を加えても裁かれないのは問題だという考えは否定できませんが、だからと言って何も罪を犯していない障害者を殺害しても良いということにはならないと思います。

また、植松被告は拘留中の接見では、反省の言葉を口にすることは一切なかったと言われています。

「障害者は人ではないから殺人ではない」「知的障碍者は動物以下である」などの発言もあったとのことです。

 

その上、植松被告は当時大麻を所持していたこともわかっています。

私自身がネット上で見た植松被告擁護の書き込みは「家族も面倒を見切れないから施設に預けたのだから厄介払いが出来たと思っているはず」というものです。

だから、殺害しても良いとはならないことは言うまでもないことです。

 

しかし、植松被告は、初公判の途中で暴れ出し、弁護側は「大麻の使用により心身の状態が不安定」だとしているとのことです。

 

また、植松被告の考え方は、アドルフ・ヒトラーの思想に似ているとされています。

ヒトラーは20万人もの知的障害者やユダヤ人を大量虐殺しています。

植松被告によると、「ユダヤ人の殺害は良くないが知的障害者は殺害してもかまわない」という独自の身勝手な意見を述べていたと言われています。

 

植松被告の責任能力が争点となっているようですが、これは責任能力云々ではなく、彼の思想の問題です。

そして、障害者の人権を無視した思想を持ち、多くの障害者の命を奪ったことは許されることではありません。

何故指を噛みちぎろうとしたのか?

一度も反省の言葉を口にしなかった植松被告が、裁判で初めて謝罪の言葉を口にしました。

そして、突然、指を口の中に入れて右手の指を噛みちぎろうとしたとのことです。

 

彼は何故このようなことをしたのでしょうか。

 

大麻による心神喪失状態をアピールするためだったのでしょうか。

植松被告は知的障害者のことを「心失者」と独自の造語で呼んでいました。

そして、自分自身が今、「心失者」となったので無罪だとでも言いたいのでしょうか。

 

どう考えても、植松被告に責任能力がないとは思えません。

これは、彼の「思想」なのです。

最後に

このような残虐な事件が起こるといつも思いますが、弁護士という仕事は本当に大変な仕事だと思います。

どう考えても、弁護士自身も植松被告のような犯罪者を心から弁護しているとは思えません。

また、裁判員の方々の心労も大変なものだと思います。

こんな事件が二度と起こらないことを祈るしか出来ることが見つかりません。