今年の6月に東京都練馬区で、元農林水産事務次官・熊沢英昭被告が長男の英一郎さんを刃物で刺して殺害するという事件が起こりました。
検察側は懲役8年を求刑しています。
父と息子の関係
熊沢被告は、やはり、世間体を気にしていたのでしょうか。
NEWSなどを見ていると、熊沢被告は英一郎さんに対して愛情を持ってというより、問題を起こさないように、腫れ物にさわるようなやり方で接していたように感じました。
経済的には何不自由のない生活…というより、一軒家を与え、学校や仕事も父親が世話をしてうまく事が運ぶように先回りしてしまっていたのでは…。
熊沢被告は、仕事も忙しかったのだろうとは思いますが、息子とのやりとりをTwitterのDMでしていたと聞いて、ただただ虚しさを感じました。
英一郎さんを精神科に診てもらっていたようですが、それも母親の兄弟であったようです。
娘さんが、英一郎さんの病気が原因で破談になり、自ら命を絶っているという現実もやりきれないとしか言いようがないです。
中学生の頃から、英一郎さんは母親に暴力を振るうようになったとのことですが、なぜ、このときに外部に助けを求めなかったのだろう…。
やはり、世間体という大きな壁が立ちはだかっていたのでしょうか。
殺人は許されるべきことではないが…
英一郎さんは、母親に「お父さんはいいな。東大を出て何でも自分の思い通りになって。僕の44年の人生は何だったんだ」と突っ伏して泣いたそうです。
英一郎さんは、Twitterで父親のことを自慢していたようですが、コンプレックスの裏返しだったのかもしれません。
しかし、熊沢被告が、世間体を気にするのは普通のことなのかもしれない。
私自身も、立場を自分に置き換えてみれば、家族が引きこもっていたり、定職についていなければ、世間体を気にするのだろうと思います。
本当に何が正解なのか、答えを出すことは誰にもできない事件だと思います。
熊沢被告は、この事件の少し前に起こった「川崎登戸通り魔事件」のようなことを息子が起こしてしまったら…と思ったという報道もありました。
川崎事件の加害者は50代で、一度も医療機関を受診していなかったようです。
生い立ちだけを見たら、英一郎さんは、川崎事件の犯人より「恵まれていた」ように感じますが、人の心は経済的に恵まれていることだけでは比べられないものです。
家族がいても、英一郎さんは「孤独」だったのだろうなと思います。
最後に
英一郎さんが、発達障害やアスペルガー症候群だったという報道がありますが、病気に対しての偏見を持たれませんように…と心から思います。