こんにちは。
はるき ゆかです。
映画「めがね」の感想です。
荻上直子監督作品です。
不思議ですが、とても癒され、観ているだけでのんびりした気分になれる映画です。
「めがね」 あらすじ
春まだ浅いころ。この世界のどこかにある南の海辺の小さな町に不思議な予感が漂う。「来た」プロペラ機のタラップを降り、小さなバッグひとつを手に浜を歩いてくる、めがねをかけたひとりの女。待ち受けていた男と女に向かい、彼女は深々と一礼する。静かな波が寄せては返す。時を同じくして、同じプロペラ機からもうひとりの女が降り立った。名前はタエコ(小林聡美)。大きなトランクを引きずりつつ、手書きの地図を片手に浜を歩き、奇妙ななつかしさの小さな宿・ハマダにたどり着く。出迎えたのは宿の主人・ユージ(光石研)と愛犬のコージ(ケン)。迷わずにたどり着いたタエコの彼は「才能ありますよ」と告げる。「ここにいる才能」。次の日宿の一室で朝を迎えたタエコの足元に不敵な微笑みをたたえためがねの女サクラ(もたいまさこ)の姿があった。それから起こるのはいちいち不思議なことばかりだった。(C)2007めがね商会
[引用元]Amazonプライムビデオ「めがね」あらすじ
海辺の静かな宿・ハマダ
とても清潔で、シンプルな家具や食器とおいしそうなご飯。
「ハマダ」は海辺の小さな宿です。
宿の主人は、気さくで人のよさそうなユージ。おっとりした犬のコージと一緒に暮らしています。
ユージは、あまりたくさんのお客さんが来るのを避けているようです。
宿の看板は、言われないとわからないほど小さなものです。
タエコを迎えたユージは、タエコの大きな荷物を後から運ぶので…と言いながら忘れていたり、おそらく都会のどこかの街から来たタエコにとっては、とても不思議な宿です。
朝食の席で、タエコが「どこか観光するところはありますか?」と聞きますが、ユージもサクラも不思議そうな顔で「観光するところなんてない」と言います。
この島には「黄昏に来る」のだと。
まるで旅行ではなく、自分の家や実家みたい。
タエコのこと
タエコは、ひとりでこの静かな島にやってきますが、島に到着した当初はいろんなことに面食らっているようです。
タエコはどんな仕事をしていて、なぜひとりでこの小さな島にやってきたのか…映画の中ではそれが明確には示されることはありません。
だからこそ、いろいろと想像することができます。
タエコがこの宿に慣れ始めた頃に、タエコを「先生」と呼ぶ青年・ヨモギ(加瀬亮)が島にやってきます。
「先生」と呼ばれているということは、タエコは、学校の先生なのか、医者なのか…?
この島には携帯電話の電波が届きません。
タエコが「携帯電話のつながらないところに来たかった」というシーンがあるのですが、もしかしたら、医者の可能性もありますね。
また、ヨモギがドイツ語で詩を口にするシーンもあるので…ヨモギも医者なのかもしれません。
しかし、それも全部、私の想像でしかないのですが。
タエコがこの島に着いたときに、ユージに「この島にいる才能」があると言われるのですが、確かにタエコは少しづつこの島に馴染んでいきます。
サクラのこと
サクラは、春先のこの時期にだけこの島にやって来て、かき氷屋さんをしています。
このかき氷屋さんは、かき氷の「お礼」として、何かをサクラに渡します。
お金は取らないのです。
野菜を置いていく人、ビールを置いていく人、小学生の女の子はいつも折り紙で折った何かを置いていきます。
サクラは毎年、どこから来るのか、本来は何をしている人なのかは、謎に包まれています。
毎朝、「メルシー体操」というユニークな体操を島民に教えています。
サクラは、この宿に春だけ宿泊しているのか、毎朝、朝食を作るユージを手伝い、タエコ(おそらく宿泊客みんな)と一緒に食べています。
ときどきは高校の生物の教師であるハルナ(市川実日子)も一緒です。
ユージとコージと島のこと
ユージは、元々この小さな島の出身なのか、どこかから来たのか、それもわかりません。
しかし、ユージは、サクラのかき氷がなかったら「自分もコージも、ここにこうしていられなかった」と言います。
何か、事情がありそうなのですが、それも映画の中では明かされることはありません。
登場人物は、どこかみんな訳ありのようなのですが、この島はその全てを受け入れてくれるようです。
都会で暮らしていると、時間や携帯電話に追われる生活を余儀なくされます。
そんな暮らしから、少しの間だけでも逃れたいと思うことがあります。
私は、よくスマホを家に置き忘れて出かけてしまうことがあるのですが、取りに帰ることはありません。
私は、それほどスマホに依存した生活をしていないからです。
そして、そんな日はとても自由で開放的な気持ちになれます。
この島に来れば、ずっとその気持ちのままでいられるのです。
なぜ「めがね」なのか
私もとても目が悪いので、出かけるときはコンタクトで、家ではめがねです。
この映画の主要な登場人物は、みんなめがねをかけています。
目が悪いと、梅雨時や夏はコンタクトがとても便利なのですが、リラックスしているときは、めがね。
この映画のタイトルでもある「めがね」はそういう意味もあるのかもしれません。
そんな風に、観る人によっていろんな感じ方ができる映画なのです。
この映画の中では、大きな事件が起きるわけではありませんので、ドキドキわくわくするような映画ではありません。
しかし、何とも言えない癒しと贅沢な気持ちを味わえます。
最も贅沢なことは、時をゆっくり過ごすことなのだなと感じさせてくれます。
最後に
映画「めがね」の感想でした。
人によって好き嫌いの分かれる映画かもしれませんが、私はたっぷり癒されました。
少し忙しい日々に疲れているあなた、ぜひご覧になってみてください!