映画「ぼっちゃん」感想|あくまでもフィクションとして

映画「ぼっちゃん」の感想です。

2008年に起こった秋葉原事件を元に作られた映画です。

しかし、あくまでもフィクションとして観るべき映画のようです。

「ぼっちゃん」 あらすじ

掲示板サイトに自分が劣等感を抱く部分や孤独であることを書き込んでいる梶知之(水澤紳吾)。派遣労働者の梶は長野県の工場で働くこととなり、期間工の田中(宇野祥平)と意気投合。孤独な二人は親しさを増していく。しかし、予期せぬ会社からの首切りや親友の裏切り、そしてかなわぬ恋が、梶を少しずつ追い込んでいく。そして梶は、秋葉原へ……。No Rating(C)Apache Inc.

[引用元]Amazonプライムビデオ「ぼっちゃん」あらすじ

実際の事件とは異なるフィクションとして

先日、中島岳志著「秋葉原事件 加藤智大の軌跡」という本を読んで、この事件を元に作られた映画だということで観てみました。

実際の加藤智大とこの映画の主人公・梶知之は、見た目は少し似ていますが、実際の加藤はもう少し「普通」の青年だったような印象です。

梶は、イケメンではない上に、性格もあまりいいとは言えません…。

 

それにしても、加藤にしても梶にしても、すぐに女性を好きになるんだな…と驚きます。

映画の中でも、ユリさん(田村愛)という美人が出てくるのですが、ユリの兄の友人・黒岩(淵上泰史)に襲われて逃げて来たところを助けただけで、梶も田中も、すぐに、彼女を好きになってしまうのです。

そこは、恋愛に免疫のない男性はそういうものなのかもしれませんが、私には今一つ意味がわかりませんでした。

ユリ自身も「まだ会ったばかりですけど…?」というセリフがあって、かなり戸惑っているようです。

 

結局、ユリは梶の親友の田中(宇野祥平)とつきあうことになるのですが、私には、ユリの気持ちがちょっとわかります。

本当に、ほんのちょっとですが…。

田中は、感情がたかぶると突然寝てしまうという「眠り病」なのですが、梶に比べるとガツガツしたところがなくて、母性本能をくすぐられるタイプなのです。

 

加藤智大もそうですが、梶も、この大事件に向かわせた理由が「彼女が出来ない」ことが一番の理由だったのか…と思うとやりきれないです。

 

梶は本当に友達もいなかったし、職場でもいじめられていますが、加藤はそういうわけではなかったようです。

友達も多く、職場での人間関係も悪くはなかったようです。

また、この映画では、母親との確執が一切描かれていないので、やはり、実際の秋葉原事件とは別のフィクションとして見る必要があるようです。

イケメソと呼ばれるイケメンはクズだった

梶はイケメンに対して、とにかく強いコンプレックスを持っています。

そして、梶はその嫌いなイケメンのことをイケメソというネットスラングで呼びます。

 

淵上泰史さん演じるイケメンの岡田は、かつてスピードスケートの選手でした。

そして、スポーツ推薦で大手企業に入社しますが、膝の故障で選手生命を絶たれます。

 

その後、様々なアルバイトを転々としているのですが、実は「岡田」はスピードスケート選手時代のどうしても勝てなかったライバルの名前で、本当の名前は黒岩といいます。

梶が劣等感を持つイケメンの岡田も、実は劣等感を感じて生きているのです。

 

そして、イケメンで女性を思うままに出来る岡田も、実は怖ろしい秘密を持っています。

それを知ると、岡田の顔は誰よりも醜く見えてきます。

これは、秋葉原に向かって殺人を犯そうとしている梶と岡田は、何一つ違わないのだということが描かれているのかもしれない…と私には思えました。

結局、人が良くて正直で優しい田中には、可愛い彼女が出来て、おそらくこのまま幸せになるのだと思います。

イケメンだから人生思いのまま…などというのは、ただの幻想です。

最後に

映画「ぼっちゃん」の感想でした。

ラストは、梶が秋葉原に向かうシーンで終わるのですが、やはり映画と実際の事件は別物だと思いました。

しかし、フィクションとして見るのであれば、そんな理由で無差別大量殺人?と感じ、理解しづらいかもしれません。

そう考えると、映画の中では、もしかしたら梶は結局、殺人事件は起こさないのかもしれません。

 


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