こんにちは。
はるき ゆかです。
映画「おんなのこきらい」の感想です。
もう少しポップなかわいいストーリーを思い浮かべていましたが、全然違いました。
いろいろ考えさせられることだらけでした。
「おんなのこきらい」 あらすじ
とにかくかわいい事だけが取り柄のOLキリコはかわいい食べ物を過剰摂取しては吐く、過食症の女の子。職場の男達にはちやほやされ、女の子には嫌われているが、女の子の価値は可愛いことがすべてと信じて日々を送るキリコには何も怖い物はない。彼女は果たして本当の幸せを掴みとれるのか…?〈映画作家〉(C)2014 GOLD FISH FILM / MOOSIC LAB
[引用元]Amazonプライムビデオ「おんなのこきらい」あらすじ
【監督】加藤綾佳
【出演者】森川葵 木口健太
かわいい女の子を演じるしんどさ
キリコは、本当にかわいい女の子ですが、性格がとても悪いと言われています。
確かに、男性にはモテて、女子には嫌われる典型みたいなタイプです。
男性の前ではかわいらしい喋り方をして、小首をかしげ、目をパチパチさせる…。
どれだけ、しんどいことでしょう。
働いている会社でも、男性からはちやほやされますが、女子社員からはほぼ嫌われています。
そして、男性たちの身勝手さ。
キリコをかわいい、かわいいとおだてますが、本気で彼女を愛する人はいないと言ってもいいくらい。
私の知り合いにも、こういう人がいます。
男性と話すときは一オクターブ声が高くなり、毛先だけ巻き髪、名前を呼ばれると軽く首を傾げて、おもしろくもない男性の冗談に楽しそうに笑い、いつもヒラヒラのフリルやリボンのついた洋服を着て…。
しかし、彼女もかなりしんどそうでした。
いつもおだてられていましたが、誰も彼女を本気で彼女や結婚相手としては見ていません。
そして、彼女も過食症でした…。
本当に重要な仕事は、「かわいい」だけでは任せてもらえないのです。
これは、多分に男性のせいじゃないのかと私は思います。
おだてるなら、最後まで面倒見てあげなさいよと言いたいです。
おんなのこきらい
映画のタイトル「おんなのこきらい」は、キリコが、自分以外の女の子を嫌っているという意味ではないと思います。
キリコは、女の子はかわいいことがすべてだと思っているので、いつも可愛くしていなければいけない…そんな、面倒な「おんなのこがきらい」なのです。
いつも無理に可愛くしているキリコは、いつもストレスでいっぱいです。
そして、見た目のかわいいお菓子をたくさん食べては、吐く…を繰り返しています。
食べたものを吐くのは、具合の悪いときだって辛いことなのに、無理やり吐くなんて本当に辛いと思います。
キリコは、本当は人間は見た目ではないことを知っています。
実際に愛される女性は、「普通の人」だとわかっているのです。
それでも、「かわいい」をやめられないキリコのしんどさが、そのまま胸に迫ります。
自分に正直になって
キリコは、行きつけのバーの店主・ユウトのことが好きでした。
しかし、ユウトは好きとか嫌いとかでなく…というか、ちょっと可愛いと思ったら、すぐに女性と関係を持つ男です。
そのため、ユウトはキリコともバーのアルバイト・サヤカとも男女の関係を持ちます。
キリコは、嫉妬に狂いますが、ユウトにとってはそういうことが「うざい」ようです。
そういう身勝手な男は、まあまあいます。
傷ついたキリコは、またも「食べ吐き」をしてしまいます。
その自己嫌悪や嫉妬が相まって、キリコは、長く美しい髪をめちゃくちゃにハサミで切ってしまうのです。
そして、キリコは仕事で知り合った幸太の前では、自分が自然な気持ちでいられることに気づき、恋に落ちるのですが…。
この映画に出てくる男は、みんな中途半端でイライラしますw
みんな、本当にずるいのです。
ところで…
キリコ役の森川葵さんは、良い女優さんだなぁと思いました。
カメレオン女優と言われるほど、役によって全く違う顔を見せてくれるようです。
本作のキリコ役も、「ああ、こういう子いるなぁ」と思わせてくれました。
そして、苦しみ、泣き叫ぶシーンも、とてもリアルで、こちらまで胸が痛くなりました。
森川葵さん、今、最も他の作品もチェックしたいと思う女優さんのうちのひとりです。
前を向いて進む
キリコは、会社も辞め、すっきりショートカットにして、おそらくこれからは、自分に正直に生きることに決めたのだと思います。
そんなキリコの強さが、とても眩しい。
ラストシーンが、明るく前向きなのがホッとします。
映画の観始めは、イラッとくる感じでしたがw、最後には、がんばれ!キリコ!と応援したくなります。
やはり、無理をして自分を偽ることは、精神的にも肉体的にも厳しいものです。
「かわいい」から解き放たれたキリコは、今までよりも、もっとかわいくなったのです。
最後に
映画「おんなのこきらい」の感想でした。
ネタバレ感想になっていますが、一番重要なところはネタバレしていないので、ぜひご覧になっていただきたいです。
そして、何よりも森川葵さんの演技が素晴らしい。
「かわいい」にこだわってしまう人には、特におすすめの映画です!