映画「ツレがうつになりまして。」感想|誰もが罹るうつ病との向き合い方

こんにちは。

はるき ゆかです。



映画「ツレがうつになりまして。」の感想です。

誰が罹ってもおかしくないうつ病との向き合い方を、とてもリアルに、しかし暗く重くなりすぎずに描かれた傑作映画です。

「ツレがうつになりまして。」 あらすじ

うちの家族は、私とツレとイグアナのイグのちょっと変わった家族だ。ツレは仕事をバリバリこなすスーパーサラリーマンだったが、ある朝真顔で「死にたい」ってつぶやいた!病院での診断結果は、うつ病(心因性うつ病)だった。仕事の激務とストレスが原因らしく、私は「会社辞めないなら、離婚する!」と告げた。会社を辞めたツレが主夫になり、家事嫌いの私は内心嬉しかったり……。しかし、収入減がなくなり、髙崎家は貧困街道まっしぐら!そこで私は編集部へ行き新しい仕事をもらい、ツレの体調も徐々に回復に向かい、ほっと一安心。そして、小さなつまずきのその先には、ある奇跡のような出来事が待っていた。

[引用元]Amazonプライムビデオ「ツレがうつになりまして。」あらすじ

【監督】 佐々部清

【出演者】 宮崎あおい 堺雅人 吹越満

側にいてくれる人

手をつなぐ夫婦

私には持病があって、うつ病ではないのですが、「抑うつ状態」という症状が出る病気です。

最近は良いお薬があるので、抑うつ状態に陥ることはほとんどないのですが、発病した当初は、この映画の中のツレのように、眠れないし、自分がこの世にいなくなっても誰も困らないな…と考えたり、身体のあちこちが痛み、いつも胃の中に鉛が入っているような重苦しさを感じていました。

そのため、ツレの気持ちがとても良くわかります。

どうしようもないくらい、理由もなく、辛いのです。

しかし、ツレさんには、ハルさんという強い味方がいます。

私は独身で一人暮らしなので、ハルさんのように側にいてくれる人はいませんでしたが、誰とも会いたくなかったので、それはそれで良かったのですが、ツレさんにとって、ハルさんの存在は心強かったと思います。

ゆか
ゆか

ハルさんはとても素敵な奥さん。ツレさんのことを心から考えてくれる人です。

ハルさんは、大げさにはしないけれど、いつもツレさんをあたたかく包み込んでいます。

そして、何よりもツレさんの気持ちをわかってくれています。

傍から見たら、ツレさんは一見、とても元気そうに見えますが、それは無理をしているのです。

うつ病になる人は、人に迷惑をかけたくないと人一倍思っている人が多いと聞いたことがあります。

そのため、ツレさんは周囲の人に気を使わせたくないという気持ちが大きかったのだと思います。

うつ病の症状

海辺

うつ病は、自分でも罹っていることに気づかないことが多いといいます。

なぜ、こんなに辛いのか、自分でわからないのです。

そもそも、辛いと思っていることに自覚がないのです。

ツレさんは、実は気づいていないだけで、仕事がとても辛かったのだと思います。

睡眠障害、食欲不振、体の痛み、抑うつ気分、吐き気、不安感、自責の念、自殺念慮などに、ツレさんは次々と襲われていきます…。

それで、ハルさんは、ツレさんに仕事を辞めないと離婚する!と宣言します。

ゆっくり休めば、きっと元気なる…と。

ゆか
ゆか

仕事は生きていくために重要なものですが、命あっての物種。ツレさん、仕事は病気が治ってからゆっくり探せばOKです!

私の知人のご主人は、うつ病になっていることに気づかず、周囲からはただ怠けてるだけと思われ、自ら命を絶とうとしました。

私の知人も、まさか自分の夫がうつ病になるとは思っていなかったというのです。

そして、私の知人は、生活のこともあって、絶対仕事を辞めてほしくないと思っていたので、休職したそうです。

そのため、いつかは会社に戻らなければならないと思うと不安で、うつ病が長引いてしまったようです。

逆に、ハルさんは仕事を辞めることを渋るツレさんに、決心させたことは、大正解だったのだと思います。

一家の大黒柱が仕事を辞めるということは、大変なことです。

しかし、命には代えられないのです。

やっぱり「がんばれ」と雨の日はつらい

水溜り

よく言われることですが、うつ病の人に「がんばれ」と言ってはいけないということ。

映画の中で、ツレさんは会社の上司やお兄さんから「がんばれ」と言われています。

そのたびに、ツレさんは具合が悪くなってしまいます。

そして、これは私自身もとても良くわかるのですが、雨の日がとにかく辛い。

身体のあちこちが痛むし、気持ちが落ち込み、頭痛がひどくなります。

ツレさんも、同じような症状が出ていました。

ゆか
ゆか

心の病気は、治るのに時間がかかります。そして、一度罹ってしまうと再発することも多いのです。

こういうところも、うつ病は、サボってる、怠けてるだけ…と思われてしまうようです。

雨の日は、晴れの日より憂鬱なのは誰でもそうだからです。

ハルさんは、とにかくツレさんをそっとしておいてほしいと思っています。

こんな風に理解してくれる人が側にいることが、うつ病の人にはとても大切なのだと思います。

ハルさんの実家の近くに住むある青年は、とても悲しい最期を迎えてしまいます。

それこそ、この青年はとても元気そうに見えました。

しかし、自分なんて何の役にも立たないと思ってしまったようです…。

普通の精神状態なら、誰もそれほど何かの役に立っているわけではないということはわかるのですが、うつ病になるとそれで自分を追い詰めてしまうのですね。

見た目は元気そうなのに…

うつ病は、突然元気になる時期があるようです。

体の病気ではないので、そういうこともあるのだと思いますが、そこも周囲からは「元気じゃないか!」と思われてしまうところでもあります。

しかし、そこが実はとても危険な時期なのだそうです。

周りも元気になったのかな?と思いますが、一番注意しなければいけないといいます。

そういう部分も、うつ病って本当に大変な病気なんだなと思います。

初めから、焦らず、ゆっくりすることが出来る人なら、もともとうつ病にはならないような気がします。

真面目で几帳面で、周囲の人に気配りができて…そういう人は要注意です。

自分自身は違っていても、家族や友人、周囲の人の中にツレさんのような人がいたら、この映画をすすめてみてはいかがでしょうか。

重苦しくなく、どちらかというとほのぼのとうつ病についてきちんと理解できる映画だと思います。

そして、うつ病は、時間がかかっても寛解する病気だということ。

焦らず、ゆっくり治療することが大切なんだなと思わせてくれます。

この映画のように、仕事に関してもうまく収まることは少ないかもしれませんが、今は外で働くことだけが仕事ではないので、外で働けないのなら、在宅で仕事をするという選択肢もあるのです。

最後に

映画「ツレがうつになりまして。」の感想でした。

なかなかうつ病を理解するのは難しいですが、この映画を見れば、とても良く理解できると思います。

いつ誰がなってもおかしくないうつ病。

この映画で理解を深めてみてはいかがでしょうか。


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ツレがうつになりまして。