映画「アンデルセン童話 にんぎょ姫」感想|愛する人のため泡沫となって

人魚

こんにちは。

はるき ゆかです。



映画「アンデルセン童話 にんぎょ姫」の感想です。

たくさんあるお姫様の童話の中では、唯一の悲しい結末である物語です。

しかし、観たり読んだりする年齢で感想は大きく異なるものでした。

「アンデルセン童話 にんぎょ姫」 あらすじ

人魚のお城の六人姉妹の末娘マリーナは誰よりも可愛らしい容姿と誰よりもきれいな声を持っていました。15歳になり真珠の髪飾りを貰わないと海の上の人間の世界を見ることが許されない掟があったのですが、好奇心を抑えられないマリーナはクジラのデュークの口の中に隠れ、こっそりと城を抜け出しました。姫が胸を躍らせながら初めてみた人間とは船上で誕生パーティーを催している美しい王子様でした。突然の嵐に、海に投げ出された王子を救うマリーナ。美しい王子に恋をしたマリーナは自分の美しい声と引き替えに海の魔女から人間になる薬を貰い、人間となったのでした。声を失ったものの王子と一緒の幸せな生活を送るマリーナ。だが、その幸せに影を差す出来事が…。果たして、マリーナと王子の恋は成就するのでしょうか。(C)東映

[引用元]Amazonプライムビデオ「アンデルセン童話 にんぎょ姫」あらすじ

【監督】勝間田具治
【作画監督】奥山玲子

子供の頃に読んだ「人魚の姫の物語」

私が、「にんぎょ姫」という物語を知ったのは、ある児童書でした。

タイトルは「人魚の姫の物語」だったと記憶しています。

私は、子供の頃、お姫様のお話が大好きでした。

それは、みんな最後には幸せになるからです。

「シンデレラ」「白雪姫」「おやゆび姫」など、どのお話も最後は王子様と幸せになります。

それが、「人魚姫」だけは、なんて悲しい結末なのでしょう。

本を読み終わったとき、子供心にも何だか胸が痛くなった記憶があります。

そして、王子様は、何てひどいんだと。

大人になってから観た感想

海辺

ディズニーの「リトル・マーメイド」もこのアンデルセン童話の「人魚姫」が元になっているアニメーションです。

元にはなっていますが、「リトル・マーメイド」はアンデルセンの「人魚姫」とは真逆の結末です。

ディズニー映画は、あまりバッドエンドのものがないというのもあるかもしれませんが。

悲しい結末があってもいい

子供の頃は、「人魚姫」のお話の結末が可哀想で仕方がなかったのですが、今回、改めてこのアニメーションを観て、「普通、そういうものかもしれないな…」と感じました。

お姫様の物語が、全部うまく行くハッピーエンドとは限りません。

逆に、他のお姫様の物語の方がご都合主義のように感じてしまったり…。

ちょっと夢がなさすぎる感想でしょうか?

本作のにんぎょ姫の物語は

本作では、人魚が大人として認められ、海の上に行くためには、おばあさまに真珠の髪飾りを貰わなければなりません。

それが、海の上への通行証になるのです。

海の王の5人の姉姫たちはみんな髪飾りをもらっていますが、末娘のマリーナはまだ子供だから…とおばあさまに言われ、まだ真珠の髪飾りを貰うことができません。

ある夜、マリーナと仲良しのイルカのフリッツは、くじらのデュークに頼んで、口の中に隠れて海の上の世界に連れて行ってもらいます。

海の上では、船上パーティーが開かれており、ハンサムな王子が船に乗っています。

しかし、その日、魔女の身勝手な怒りのせいで、海は嵐が吹き荒れます。

嵐に巻き込まれ、海に投げ出される王子様をマリーナは必死で助けます。

王子様に恋をしたマリーナは、どうしても、海の上に行ってまた王子様に会いたい。

マリーナは、美しい声と引き替えに魔女に人間にしてもらいます。

確か、原作では人間の足になっても、歩くと激痛が走るというのがあったと思うのですが、本作ではその描写はありませんでした。

マリーナは、フリッツに引き止められても、心の中には王子しかいなかったのです。

さらに、海の魔女は、人間になっても、実際にマリーナ自身が王子に愛されず、王子が別の女性と結婚してしまえば、マリーナは海の泡になってしまうと言うのです。

家族や海の仲間よりも、王子との恋を選んだマリーナ。

しかし、王子は嵐の日に自分を助けてくれたのは、マリーナではなく海辺の教会の黒髪の修道女(マリーナは金髪)だと勘違いしているのです。

そして、王子は、その女性に恋をしています。

王子にお見合いの話が持ち上がり、マリーナはショックを受けますが、王子は嵐の日に助けてくれた修道女を思い続けているのです。

しかし、偶然にも、そのお見合い相手こそが、黒髪の修道女だったのです。

恋をするとバカになる

「恋をするとバカになる」とは、本作の海の魔女の言葉です。

確かに、マリーナは王子のことしか考えられなくなってしまい、そのあとのことを一切考えられなくなっています。

海の魔女の言葉は、夢のない言葉ではありますが、正しいと言えるかもしれません。

また、王子も「無理にお見合い相手と結婚するなら、僕は君を選ぶよ」とマリーナに言うのです。

これはこれで、なんて上から目線な身勝手な言い草w

しかし、王子という立場なら、こうなってしまっても仕方がないのかもしれません。

マリーナに無駄に期待させてしまう、能天気な言葉だなと映画を観ながら少しイラッとしました。

マリーナを助けるために

王子の結婚が決まり、マリーナは海の泡沫になるのを待つばかりとなります。

そのとき、5人の優しい姉姫たちが自分たちの美しい髪と引き替えに、海の魔女から魔法のナイフを手に入れてきてくれます。

そのナイフで王子の心臓を刺して、その血がマリーナの足にかかれば、もとの人魚に戻れるのです。

しかし、マリーナは海の泡沫になることを選びます。

王子の幸せは、私の幸せだと。

海の泡沫となれば、ずっと王子の側にいれるから。

やっぱり、悲しすぎるラスト…。

作画監督の奥山玲子は朝ドラ「なつぞら」のモデル

この作品の作画監督は、奥山玲子さんです。

奥山さんは、NHKの朝の連続テレビ小説「なつぞら」のヒロイン・奥原なつのモデルになった人物だと言われています。

奥山玲子さんは、多くの名作アニメの作画監督をされています。

「長靴をはいた猫」(原画)「火垂るの墓」(原画)、「魔法使いサリー」やフジTVの名作劇場「母を訪ねて三千里」なども手掛けられています。

最後に

映画「アンデルセン童話 にんぎょ姫」の感想でした。

この映画を観たのは初めてですが、大人になってからと、子供の頃とでは、かなり感想が変わるような気がします。

しかし、愛する人のために命を惜しまない美しい物語であることに変わりはありません。

本作は45年前の1975年製作です。

半世紀近く前の作品ですが、海のきらめきやうねる波、登場人物の表情など、当時から日本のアニメーションの技術がとても素晴らしいものだったことを知ることが出来ました。


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アンデルセン童話 にんぎょ姫