映画「ドグラ・マグラ」感想|原作は「読むと狂う」伝説の奇書

「ドグラ・マグラ」という小説をご存じですか?

昔から「読むと頭がおかしくなる」「気が狂う」という伝説のある本です。

私は、まだ気が狂いたくないので…原作は未読で、まず、映画を観ることにしました。

「ドグラ・マグラ」について

原作は大正・昭和の文豪・夢野久作です。

「ドグラ・マグラ」は、「日本三大奇書」の一つとしてされ、読むと気が狂うと言われています。

映画化は、1988年に行われていますが、私が今回観たのは、2010年公開のCGアニメーション化されたされた作品です。

原作を元にSF的な要素を加え、宇宙が舞台となっています。

CGアニメーションということで、独特な「ドグラ・マグラ」の世界観が表現されています。

『胎児の夢』とは?

CGアニメーションで製作された本作品。

限りなく実写に近いけれど、やはり実写では出せない不思議な雰囲気をまとった作品でした。

 

九州帝国大学の正木教授は、宇宙船の中で自身の論文『胎児の夢』『脳髄論』を証明するために研究を行っています。

正木教授は、医学部の教授で『胎児の夢』という卒業論文を書きました。

『胎児の夢』とは、胎児は母親のお腹の中にいる10か月間の間に一つの夢を見ており、その夢の内容は単細胞生物から現在の姿になるまでの進化の歴史である…というものです。

そして、その夢は、数百億年もの記録映像のようなものだといいます。

夢の内容は、驚心・該目・天変地妖・自然淘汰・災難・迫害・辛苦・かん難を表した怪奇映画のようなものだとされています。

また、正木教授は、時間の観念は主観的なものなので、それだけの長大な夢を胎児は10か月で観ることができ、それは悪夢でなければならないといいます。

 

凡人の私には、胎児がお母さんのお腹の中でそんな怖い夢を見ているなんて、とてもかわいそうな気がしました。

お母さんのお腹から出て来たときに赤ちゃんが泣くのは、その怖い夢から覚めるからなのでしょうか。

『脳髄論』とは?

正木教授は、『脳髄論』の中で、夢とは細胞の記憶力であり、人間は、細胞が脳髄の仲介によって共通意識下に統一したものだとしています。

そして、細胞のひとつひとつが一個の生命であり、さらに細胞はひとつの命より霊力のある生命体であると。

夢は、人間が眠っている間に何らかの理由で目覚めた細胞が脳髄に記憶として残っているものであるとされています。

そのため、『胎児の夢』と『脳髄論』は密接な関連性があり、細胞のひとつひとつに欲望、感情、意志、記憶、判断、信念などが宿っています。

そして、脳髄はその細胞の交換機の役割を行っているに過ぎない…と。

そして、脳髄が不安定になると、ひとつひとつの細胞が持っているさまざま意識が勝手に働き出し、「夢中遊行」に陥ります。

そのため、人の細胞一つ一つが祖先から受け継いで来たものであると言える…ということだそうです。

 

難しい…w

おそらく、これは、人間の意識は細胞ごとに遺伝する…ということでしょうか。

そのため、例えば、犯罪を犯したものの細胞は、代々それが細胞単位で子孫に受け継がれていくということ。

呉一郎の場合

呉一郎は、正木教授の実験材料とされた青年です。

妻と旅行中に大地震が起こり、妻が大ケガを負い、苦しむ姿に耐え切れず妻を楽にしてあげる(絞殺)のです。

そして、呉一郎は、正木教授に暗示療法を施され、実験材料とされた10人の精神病患者を殺害してしまいます。

正木教授のその後

正木教授は、研究の途中で自ら命を絶ってしまうのですが、眼球だけが残り、看護ロボットにより眼球が保存されます。

正木教授の『脳髄論』が正しいものであるとすれば、体の一部だけが残っても生き続けることが出来るということです。

そして、正木教授は、宇宙船の研究室で眼球だけで生存しているのですが…。

 

正木教授は、実際に『胎児の夢』を実証するために、カプセルに大量の胎児を入れて保存しています。

 

そして、映画の中では、内閣府の諜報部員が、犯罪を起こす前にその芽を摘むために、正木教授の研究データを手入れることになります。

この辺りは、SFっぽいので、違った視点で原作には描かれているのでしょうか。

最後に

映画「ドグラ・マグラ」の感想でした。

正直、難解でした…。

私は、原作を読んではいないのですが、米倉斉加年氏の絵が描かれた表紙の原作本が父の書棚にあったはずなので、探して読んでみようと思います。

この映画は1時間ちょっとのCGアニメーションで、わりとわかりやすかったのですが、原作は読むのにかなり苦労するそうです。

ご興味のある方は、一度映画をご覧になってみてはいかがでしょうか。

また、実写版の映画もあって、正木教授役を桂枝雀さんが演じられています。

 


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