守護霊はおばあちゃん

昨日の午後3時頃のこと。

数ヶ月前に友人とちょっとしたことで喧嘩になり、そのことがずっと気になっていながら、こちらからLINEするのも気が引けてモヤモヤしたまま、日々を過ごしていました。前の日に夜遅くまで仕事していたこともあり、3時過ぎに猛烈な睡魔に襲われました。

久しぶりの金縛り

パソコンから離れて、ソファの背もたれの方に顔を向けてウトウトしていると、久しぶりに金縛りにあいました。

「ちょっと疲れているのかな」と思いながら、体が動くようになるのをじっと待っていました。私は10代の頃から、少し緊張状態だったり疲れていると、よく金縛りにあっていました。心霊現象というよりは、疲労の結果で。
イメージとしては、足からキツめの輪っかを通されて胸のあたりで少し止まってそのまま頭に抜けていく感じです。昨日も同じ感じの金縛りでした。

金縛りから開放されたあとは眠気もなくなり、ふと思い出したことがありました。

「ステキな金縛り」にあう

大学4年の就職活動中のことでした。第一希望の会社の入社試験は終わっていて、あとは採否の通知を待つだけでしたが、あまり自信がなかったので、他にも何社か面接を受けていました。その日も一社面接を受けていたのですが、本当に疲れる会社でした。

入社希望の動機を聞かれて、企業研究もしていたので、それを話していると途中で止められ「女の子の入社動機はそんなことより、制服が可愛いからって言ってもらえるほうがいいな」「うちでは5年以内に結婚退職すると幸せになれると言われているんだよなぁ」など、初めから、5年で結婚退職しろと言われているようなものでした。まだまだそういうことを言っても、それほど問題にされる時代ではなかったんです。

7月の初旬でした。特に暑い日で、貧血体質の私は暑さにとても弱かったんです。帰ってくるなり、リクルートスーツを脱ぎ捨てて、キャミソールだけでソファに横になっていました。母に見つかったら「お行儀悪い!」って叱られるなと思いながらも疲れには逆らえず、昨日と同じソファに同じ体勢で。「第一希望の会社が不採用だったらどうしよう?」とぼんやり考えながらウトウトしていると、金縛りに。

「またか…」

でも、そのときは、いつもと少し様子が違っていました。いつもは上でも書いた通り、足から頭に向かって輪っかが通っていくような感覚なのですが、そのときは、体全体が動かない状態でした。

「あれ?いつもと違う」

と、感じた途端に、ウエストのあたりを大きな影のような黒い手で掴まれたような感覚(その手を見たわけではないのですが)に襲われ、ソファの背もたれ側に顔を向けていた私を、その大きな黒い手は仰向けにさせようとしているようでした。しかし、私は何故かそのとき、その力に負けて仰向けになると大変なことになると思いました。必死で抵抗していると、耳元で荒い息遣いのようなものが聞こえました。

「これ、金縛りじゃなくて誰か部屋に入ってきてるの?」

心霊現象よりその方がずっと怖い。「どうしよう…こんな格好で寝てたから…ママに怒られる…」などとちょっとズレたことを考えていたのを思い出します。すると、ソファで下になっている耳の方に亡くなった母方の祖母の声で、「もう、大丈夫。郵便受けにいいものが入っとうよ。早く見てごらん」と言われ、すーっと、金縛りから解放されました。

しばらく、呆然としてから、「あ!郵便受け見に行かなくちゃ」と慌てて部屋着を着て、郵便受けを見たら、何通かのDMやチラシといっしょに、第一希望の会社からの封筒が。その場で、封筒を開いたら…採用決定通知でした。

しばらくすると、母がカルチャー教室から帰って来たので、採用されたことと祖母の話をしたら、母が「おばあちゃんが合格したって教えてくれのね」と涙ぐんでいました。しかし、何か邪悪なものに、大きな手でウエストを掴まれた話はしませんでした。母は怖がりだし、何となく誰にも言わない方が良いような気がして。それにしても、幽霊は怖いけど、身内だとこんなにあたたかい気持ちになって、癒やされるんだなと思いました。

大きな手の正体

数年前に、ある占い師さんに「あなたの守護霊はおばあさまですよ」と言われたことがあります。そして、私は何度も、祖母に守られている自覚があります。迷ったときに祖母の声が聞こえるんです。そんな気がするだけかもしれませんが。

そして、成人式の日、母方の祖父に晴れ着姿を見せに行きました。祖母はその2年前に亡くなっています。私の晴れ着姿を見た祖父が、目を潤ませ「ちょっと待っていなさい」と言われ、成人式の後の同窓会の時間が気になりながらも(なんて祖父母不幸な私)待っていると、祖父が1枚の写真を見せてくれました。

15歳のときの祖母の写真です。そっくりでした。まるでモノクロの私の写真かと思うほど。髪の結方は違いますが、髪を上げた顔は自分でも驚くほど似ていました。祖母が私の守護霊だと言われたとき、妙に納得したのもこの写真を見たからです。

今もあの日の大きな邪悪な黒い手は、何だったんだろうと思います。これは、全て私の想像ですが、黒い手は、「就職活動」という名の魔物。私の通っていた大学はミッション系女子大で、コネ入社かあの日面接を受けた会社のような「労働者」ではなく、「お嫁さん候補募集会社」のような会社での就職が殆どだったんです。

第一希望の会社に入れていなかったら、幸せなお嫁さんになれたかもしれませんが、今の私はいないと思います。どちらが幸せだったのかはわかりませんが、私は今、とても幸せです。守護霊のおばあちゃんが導いてくれたのですから、きっとこれが私にとって幸せな道だったのだと信じています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。