アイドルが近くなりすぎたことで生まれた悲劇│手の届かない存在こそがアイドル

9月17日、警視庁の発表によると、9月1日、地下アイドルグループに所属する女性がファンに自宅マンション前で待ち伏せされ、襲われるという痛ましい事件が発生しました。女性は、顔や背中にケガを負わされているといいます。女性にとって顔に傷をつけられるということは精神的なショックも大きかったと思います。

かつて「アイドル」とは、手の届かない存在であるからこその「アイドル」であったはずが、会いに行けるアイドルが大人気となったことで、ごく一部のファンが勘違いしてしまっているのではないかと思われます。もちろん、節度を持ってアイドルを応援しているファンがほとんどであると思いますし、そういった方々にとって、この犯人の犯行は到底許せないものでしょう。

かつてのアイドルは本当に夢の中の人たちだった

ライブ会場

[画像はイメージです]

かつてアイドルとは、古くは松田聖子さんや小泉今日子さん、smapや光GENJIなど、一般人とはかけ離れた世界に住んでいる人たちでした。聖子ちゃんはトイレになんて行かないと本気で信じていた人もいるほどです。それが、この何年かの間に「会いに行けるアイドル」が誕生し、アイドルが少し地上に降りてきたイメージがあります。

それは、今までのイメージを覆す戦略であり、人気が出るのも当然のことです。しかし、ここで忘れてはいけないのはあくまでも彼女たちは「アイドル」であり、ファンに対して笑顔で握手してくれるのは「アイドル」だからです。

もしかしたら自分のものに出来る?という勘違い

アイドル歌手

[画像はイメージです]

今回の事件は、いつも笑顔で握手してくれるアイドルが、自分の接近を拒否するとは思っていなかったのかも知れません。被害者が地下アイドルと呼ばれるTVなどにはあまり出ないアイドルであり、犯人は「トップヲタ」と言われるライブのチケットなども一番に予約するほどの熱狂的なファンであったとのことです。

アイドルの方々もファンと笑顔で握手するのは「お客様」であるからです。もちろん、応援してくれているファンに対する感謝の気持を持ってされる握手であり笑顔であるとは思いますが、それはファン側が理解しておくべきことです。

私自身も、ある俳優さんのファンクラブに入っていたことがあります。そのときにも、なぜか「自分だけ特別視されている」と思い込んでいたファンがいました。そして、その俳優さんに自分の名前をどうしても覚えてほしいようでした。

何度も名前をアピールしていましたが、その俳優さんも数多くのファンの1人である彼女の名前を覚えられるわけがなく(覚えていたかも知れませんがあえて覚えていないことにしていたかも知れません)、ファンクラブイベントで大声で泣き出した人がいました…。その俳優さんがとても気の毒でした。

アイドルは決して地上には降りてこない

そんなわけで、まずアイドルは決して地上には降りてこないということです。彼女たちが向けてくれた自分への笑顔は夢の中の出来事です。それを思いっきり楽しめば良いのです。ファンと結婚するアイドルもたまにいますが、それこそ夢物語で万に1つの偶然が生んだ奇跡です。

今回は残念で痛ましい事件の記事を書きました。
被害女性のケガと心の傷が一日も早く癒えることをお祈りしています。

以上『アイドルが近くなりすぎた結果│かつてアイドルは手の届かない存在だった』の記事でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。