こんにちは。
はるき ゆかです。
映画「見えない目撃者」の感想です。
以前、中国版を観ましたが、今回は日本版です。
吉岡里帆さんが盲目の元女性警察官役を熱演されています。
「見えない目撃者」 あらすじ
警察官として将来を有望視されながら、自らの過失による事故で視力も大切な弟も失ってしまった浜中なつめ。3年が経過するも、なつめは盲導犬のパルを相棒に、未だ失意の中で暮らしていた。そんなある夜に遭遇した、車の接触事故。なつめは慌てて立ち去る車の中から助けを求める少女の声を耳にするが、盲目に加え3年前の一件で精神も不安定な彼女の訴えは警察には聞き入れてもらえない。捜査が打ち切られるも、視覚以外の人並み外れた感覚、警察学校で培った判断力、持ち前の洞察力から誘拐事件だと確信するなつめは、スケボーで車と接触した高校生の国崎春馬を探し出して、協力を申し出る。(C)2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ (C)Moon Watcher and N.E.W.
[引用元]Amazonプライムビデオ「見えない目撃者」あらすじ
【監督】森淳一
【出演者】吉岡里帆 高杉真宙 大倉孝二 田口トモロヲ 浅香航大 國村隼
犯人は猟奇殺人鬼

「見えない目撃者」は、韓国映画「ブラインド」のリメイク作品です。
中国版も制作され、2016年に日本公開されています。
中国版を先日観ましたが、日本版はさらに猟奇性が高いものになっていて、かなり怖いです。
事故で盲目になった女性警察官
主人公の浜中なつめ(吉岡里帆)は、警察学校を首席で卒業し、将来を嘱望される女性警察官でした。
しかし、夜遊びする弟を車に乗せて家に帰る途中、運転中の弟のわがままな行動により事故を起こしてしまいます。
そして、弟を亡くし、自らも視力を失ってしまいます。
中国版でもそうでしたが、この弟を亡くしてしまうシーンは、心が痛みます。
「姉ちゃん、助けて!」と何度も叫ぶ弟。
なつめが心に大きなトラウマを抱えてしまうのも、とてもよくわかります。
自分を責めるなつめは、弟のお墓参りに行くこともできないのです。
三年後、なつめは警察官を依願退職し、今はテープの文字おこしの仕事をしています。
母と盲導犬のパルと共に、暮らしています。
事件発覚の発端
ある日、なつめがパルと共に夜道を歩いていたとき、車が事故を起こしたような音を聞ききます。
その車からは、若い女性が助けを求める声が聞こえてくるのですが、ただはっきりわかったのは「レイサ」という名前。
しかし、運転手は何も言わず、車を走らせて去っていきました。
このとき、自分以外にも車と接触したスケートボードに乗った誰かがいたとなつめは言うのですが…。
これが、事件の発端です。
不自由な目でここまでわかったのは、なつめが警察学校で訓練を受けていたからです。
洞察力、行動力、記憶力とも高い能力を持っているなつめ。
警察官になっていたら…と思うと残念ですね。
犯人の正体

中国版では、犯人が初めからわかっているのですが、日本版では最後の方までわかりません。
そこが、さらに怖さを増幅させています。
犯人は、意外な人物なのですが、かなり猟奇的で特異な思考の人間です。
救様のこと
なつめは、スケートボードに乗っていたもう一人の目撃者・国東春馬(高杉真宙)に、名簿屋(渡辺大知)の男性に、「レイサ」について調べてもらいます。
「レイサ」は源氏名であることがわかります。
親が捜索願を出さないような家出少女が風俗で働いていることが多々あるようです。
なつめと春馬は、そんな少女の中に「レイサ」と仲が良かった少女と接触することが出来ました。
「レイサ」の本名は「レイ」でした。
その少女から聞いたのが、「救様」のこと。
風俗で働いている少女を、救ってくれる神様のような存在がいるという都市伝説のような話。
少女たちはみんな、「救様」に会いたいと思っているようです。
そんな「救様」に会えたという少女がことごとく姿を消しているようで…。
そして、ある日、四人の少女の惨殺死体が発見されます。
このシーンもリアルな少女たちの遺体に目を覆いたくなってしまいます。
六根清浄
六根清浄(ろっこんしょうじょう)とは、神道や仏教の教えです。
この連続猟奇殺人事件に、この教えが関わっていることに、なつめはたどり着きます。
中国版でも、若い女性が気軽に出会い系サイトで知り合った男性についていくことへの犯人がならした歪んだ警鐘であったように、日本版ではこの教えが事件を、儀式化させています。
しかし、犯人の真の犯行動機は、さらに身の毛もよだつものなのですが…。
まだ起こっていない殺人を防ぐ
なつめが、六根清浄に気づいたとき、被害者は四人でした。
まだ、あと二つの殺人が起きることが予測されます。
そして、なつめは、この二人の少女を、自分の命を懸けて助けようとするのです。
刑事二人の最期

本作にも、二人の刑事が登場します。
木村刑事(田口トモロヲ)と吉野刑事(大倉孝二)です。
二人とも当初は、なつめの勘違いじゃないのかと考えていたのですが…。
中国版とは異なり、二人とも、悲惨な最期を迎えます。
特に、吉野の死は、犯人の猟奇性を如実に表していると言えます。
中国版では捜査に協力してくれる刑事は二人とも無事なので、ここが日本版との違いですが、そこにこの映画の犯人像が隠されているとも言えます。
そして、刑事を定年退職した平山(國村隼)の存在も、事件解決に大きな役割を果たしています。
吉岡里帆の熱演
本作での吉岡里帆さんの熱演が、素晴らしいです。
見た目の可愛らしさが前面に押し出されている女優さんですが、この作品では、元警察官の盲目の女性という難役を見事に演じ切っています。
目が不自由な演技は真に迫っており、犯人から逃げるシーンは手に汗握る迫力があります。
元警察官で、警察学校を首席で卒業しているということが、若い女性であるにもかかわらず犯人を突き止める洞察力、少女を助けようとする行動力に説得力を与えています。
吉岡里帆さんは、それを、素晴らしい演技力で表現されています。
本作を観て、吉岡里帆さんのイメージが可愛い女優さんから、本格的演技派女優へと変わりました。
最後に
映画「見えない目撃者」の感想でした
犯人が、意外な人物で、この犯人だからこそ警察が翻弄されたのだと思います。
そして、中国版では、主人公の盲導犬が犯人に刺されて亡くなってしまいますが、日本版では、刺されはしますが元気に復活します。
犬好きの私からすると、これはとてもうれしいことでした。
パルは、本作でも、本当に「いい仕事」をしてくれています。
残酷はシーンが多く出てきますが、ぜひおすすめのサスペンス映画です!

見えない目撃者