こんにちは。
はるき ゆかです。
映画「あやしい彼女」の感想です。
女性の20歳というのは、人生の中で最もよい時期なのではないでしょうか。
73歳のおばあちゃんが、突然20歳に戻ったら…。
あなたなら、どんなことをしたいですか?
「あやしい彼女」 あらすじ
可愛いルックスと天性の歌声を持つ20歳の女の子・大島節子(多部未華子)。その容姿とは裏腹に、口を開けば超毒舌、相手かまわず罵声を浴びせ、時には熱く説教をする。そんな”超あやしい20歳”の正体は、73歳のおばあちゃんだった!戦中生まれの下町育ち、早くに夫を亡くし、女手一つで娘を育ててきた。望むような人生を生きられなかった主人公に訪れた二度目の青春!突然若返った彼女は、”こうなったらとことん好きなように生きてやる!”と髪型も服装もチェンジ、正体を隠して、新たな人生をスタート。そんな彼女の天性の歌声は、魂を震わせ、たちまち周囲を魅了していく。長年彼女に想いを寄せる幼馴染の次郎も巻き込みながら、初めて思い通りの人生を歩む節子。__そんな彼女が最後に気づく大切なものとは? (C) 2016「あやカノ」製作委員会 (C) 2014CJ E&M CORPORATION
[引用元]Amazonプライムビデオ「あやしい彼女」あらすじ
【監督】水田航生
【出演者】多部未華子 倍賞美津子 小林聡美 要潤 北村匠海 志賀廣太郎
登場人物
大鳥節子…多部未華子
瀬山カツ…倍賞美津子
中田次郎…志賀廣太郎・野村周平
瀬山翼…北村匠海
小林拓人…要潤
瀬山幸恵…小林聡美
写真館店主…温水洋一
女は若いことが第一とされる日本社会
主人公の一人である瀬山カツ(倍賞美津子)は、とても元気な73歳のおばあちゃんです。
自由で言いたいことを言って生きているように見えますが、若い頃は苦労の連続でした。
若さが第一の日本社会
最近では、それもセクハラの一つであると言われ、多少は落ち着いてきているとはいえ、日本では、まだまだ「女性は若いのが一番」という風潮が幅をきかせています。
やはり、日本社会はまだ男性中心の社会だということです。
もちろん、若い方が体力もあって、見た目も美しく、頭の回転も早いと思います。
誰もが、ずっと若くありたいものです。
本作冒頭で「長く生きて得することは少ない。まして中年と呼ばれる頃を過ぎた女は『老人』という別の生き物なのである」というナレーションが入ります。
まさに、その通り…。
本作の主人公・瀬山カツ(倍賞美津子)は、お説教好きな陽気な人です。
しかし、若い頃はやりたいことも出来ず、苦労のしどうしでした。
結婚して、すぐにご主人を亡くし、女手一つで一人娘を育て上げました。
生活のために、少しあやしい健康食品を売り歩いていた時期もあって、友人もなくしてしまいました。
そして、その一人娘である幸恵(小林聡美)も、50歳の声を聞く年齢となり、頑張っていた一流ファッション誌の編集長を外され、事務仕事への異動を言い渡されてしまいました。
幸恵は、一度は結婚しましたが、三年で離婚し、一人息子の翼(北村匠海)がいます。
今は、カツと幸恵、翼の三人で暮らしています。
カツは、昔のクセで、今も好きなことを諦めて節約生活をしています。
幸恵は、もっと好きなように生きればいいのにと言いますが…。
ある写真館で
そんなカツが、偶然通りかかったある写真館。
カツの大好きなオードリー・ヘップバーンの写真が飾られています。
カツは、今まで写真館で写真を撮ったことがありませんでした。
この機会に思い切って、写真を撮ってもらうことにします。
すると、なんと、カツは20歳の頃の自分に戻ったのです!
若返ったカツ(多部未華子)は、自分の姿に驚きますが、若返ったことに大喜びです。
うれしいだろうなぁ…。
カツの若い頃って、お人形さんみたいに可愛かったんですね!
若返ったカツ
若くなったカツ役は、多部未華子さん。
おばあちゃんっぽいしぐさや話し方、すごく上手でびっくりです。
若くなっても、「東京ブギウギ」歌ってるし、踊りもおばあちゃんっぽいw
髪型も若くして、服も若い子のものを買って、そのまま幼馴染の次郎(志賀廣太郎)の銭湯に行きます。
カツだと気づかない次郎に名前を聞かれ、咄嗟にカツは「大鳥節子」と答えてしまいます。
身寄りがないという節子に同情した次郎は、自分のうちに居候させることになりました。
町内会ののど自慢大会
カツは、町内会ののど自慢大会では毎年優勝するほど歌がうまい。
そして、若くなったカツは、節子としてのど自慢大会に出場します。
うっとりするような美しい声で「見上げてごらん夜の星を」を熱唱。
このシーンの多部未華子さん、本当に可愛らしい声で聞き惚れてしまいます。
もともと歌手ではないので、役作りかなり大変だったのではないでしょうか。
また、あるシーンで、子育てに疲れ切った母親を慰めるシーンがあるのですが、見た目は20歳で中身は73歳なので、本当に説得力があります。
見た目20歳で中身73歳とか、最強ですね!
思い通りに生きる
こののど自慢大会を、ミュージシャン志望の翼が見に来ていました。
そして、節子を自分のバンドのヴォーカルになってくれないかと誘ってくるのです。
また、大物音楽プロデューサーの小林拓人(要潤)がたまたま節子の歌声を聞いていて…。
翼のバンドに加入!
節子は、翼のためにヴォーカルを引き受けるのですが、翼のバンドはヘビメタバンドで節子の歌声には合いません。
そして、翼のバンドは、あっさり路線変更することになります。
バンド名を「あやしい彼女」とし、昭和歌謡をアレンジして歌った動画がバズったのです。
大物音楽プロデューサー・小林と再会
小林は、「あやしい彼女」を人気の新人発掘の歌番組に出演させようとしていました。
そこで、「悲しくてやりきれない」という曲を歌います。
それがきっかけで、フェスに特別に出演することが決まり、うまく行けばデビューも夢ではないというのです。
歌うことが好きな節子は、大喜びです。
「悲しくてやりきれない」は、1968年にフォーク・クルセダーズがリリースした曲です。
多部未華子さんの可愛い声にぴったりでした。
本当は、男性の虚しさを表現した曲だそうですが、心にしみるいい曲です。
私も、何度か聞いたことがありますが、多部未華子さんの歌声で聞くと、また違った印象になります。
節子の恋
節子は、小林に恋をします。
自分の本当の年齢を考えると、気持ちを抑制していますが、小林と時間を過ごすうちに節子は心惹かれていくのです。
小林プロデューサー役の要潤さん、かっこいいです。
かっこいいし、人柄もいいのに、独身っていうのがあやしいと節子はいいますが、本当にどうして独身なのでしょうか。
節子は「マザコンなのでは?」と考えますが、おそらくそれは当たっているのでしょう。
だから、小林は、本当は73歳の節子と一緒にいると心が癒やされるのです。
本当に大切なもの
若返って、人生を謳歌する節子ですが、本当に大切なものとはなんでしょう。
若さより大切なものに、節子は気づくのです。
次郎とカツの思い出
次郎は、節子がどうもあやしいと思い、捕まえて白状させようとして、節子がカツだということに気づきます。
かつて、次郎がカツにプレゼントした口紅を節子が持っていたのです。
口紅の塗り方を見て、カツだ!とわかったのです。
そして、節子はバンドメンバーや小林たちとバーベキューをしたとき、ちょっとした怪我をしてわかったのですが、「血を流す」と元に戻るということです。
切り傷の周囲は、73歳の肌に戻っているのです。
次郎とカツは、子供の頃から力を合わせて生きてきました。
次郎がお腹を空かせれば、カツがリンゴを「調達」してきたり、二人でリアカーを引いて生活していたのです。
突然姿を消したカツを探す幸恵
幸恵は、カツがいなくなった日、カツとちょっとした諍いがあったので心配してずっと探しています。
警察では、カツは犯罪に巻き込まれていると言うのですが…。
カツは心配する幸恵のために、次郎に手紙を託します。
しばらく自由に生きてみたいと。
翼が交通事故に遭って
フェスに出演するには、オリジナル曲が必要です。
一度は、小林からダメ出しされましたが、渾身の一曲を生み出した翼は曲を認められ、「あやしい彼女」はフェスに出ることが決まります。
しかし、翼が時間になっても、会場に現れません。
電車が人身事故で止まっているというのです。
そして、走って会場に駆けつける途中で、翼は交通事故に遭ってしまいます。
デビューがかかっているフェス出場は、一体どうなるのでしょうか。
そして、翼には輸血が必要でした。
翼の血液型は、RH-AB型。
この血液型は、家族では祖母のカツだけでした。
しかし、血を抜くとカツは…。
最後に
映画「あやしい彼女」の感想でした。
オリジナル曲「帰り道」、すごくいい曲ですね。
多部未華子さんは、映画の中で何曲か歌うのですが、「帰り道」が一番素晴らしかったと思います。
歌い切った節子に、もう何も思い残すことはなかったのかもしれません。
そして、若さよりも、もっと大切なものに気づくのです。
最後のカツ(節子)と幸恵のシーンは、号泣でした。
そして、小林の最後の目線のさきには…。
何かに気づいたようです。
さらに、意外なラストシーンは、必見です。
あたたかい涙を流したいときに、おすすめの一本です。