映画「そこにいた男」感想│一途な女の情念を35分で思い知れ!

エレベーター

こんにちは、はるき ゆかです。



映画「そこにいた男」の感想です。

本作は、クラウドファンディングで制作費を集め、制作された映画です。

34分ほどの短編ですが、俳優陣の演技力も素晴らしく見応えのある作品でした。

2019年に実際に起こった「新宿ホスト殺人未遂事件」を題材にしたと言われています。

映画「そこにいた男」感想 はじめに

エレベーター

あらすじ

深夜、とあるマンション内のエレベーターホールで血だらけの女(紗希)が座り込んでいる。煙草を吸いながらスマホで誰かに電話している。その横には、意識朦朧とした男(翔)が倒れている。その光景にカメラを向ける住人ら、慌ただしく無線を飛ばす警官たち。取調室、二人の刑事と虚ろな目をした紗希がいる。柔和で悲しげな表情を浮かべながら、翔との関係を話し出す。ふたりの出会いは2年前にさかのぼる。映画製作のスタッフで下働きをしていた紗希は、撮影現場で俳優の翔に出会う。連絡先を交換し、ほどなくしてふたりは、体の関係を持つまでになる。紗希は翔を愛し、借金を重ね、番組の制作費を盗んでまで翔に見も心も捧げていた。だが、そんな翔に「もう一人の女」の影が…。事件に至るまでの全貌が明らかになるとき、女たちの狂った「純愛のかたち」を知ることになる…(C)2020 CRG

[引用元]Amazonプライムビデオ「そこにいた男」あらすじ

【監督】片山慎三

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出演者

紗希/清瀬やえこ
映画製作スタッフとして働いていた。翔とは俳優とスタッフという立場で知り合い、紗希は翔に会社の制作費を盗んでまで貢いでいた。

翔・アイザワゲンタ/安井秀和
小さな事務所に所属する売れない俳優。芸名は「翔」。本名はアイザワゲンタ。既婚者でありながら紗希とも付き合っていた。

翔の妻・ゆりこ/中村映里子
アイザワゲンタの妻で事件当時、身重であった。夫の浮気グセは知っていたが、ちょっとした意地悪心でしたことが…。

女性刑事/水口早香
紗希の取調官。

刑事/松浦祐也
紗希の取調官。

考えたら翔のこと何も知らなかった

紗希(清瀬やえこ)は、TV番組の再現ドラマの制作現場で翔(安井秀和)と出会いました。

翔は売れない俳優ですが、声や面差しが綾野剛さん似のいかにもモテそうな感じ。

翔に貢ぐ紗希

最初は戸惑い気味だった紗希ですが、みるみるうちに翔に惹かれていきます。

翔は、紗希に、お店で見かけた高級なジャケットをねだり、お世話になった人の結婚式に着ていく礼服まで買わせたり…。

愛するがゆえに貢いでしまう紗希が、痛々しい…。

翔自身は、おそらく軽い気持ちで貢がせていたつもりだと思いますが、紗希は翔が思っている以上に強い『情念』を持つ女性でした。

どう考えても、騙されているとしか思えないシーンが続きます。

しかし、どうしても、翔の愛を信じたい紗希の気持ちも、わからなくはなく…。

名前を教えない翔

紗希が翔に、のめりこんでいった理由の一つが「すぐに手を出してこなかった」ことです。

今までの男性は、すぐに体の関係を持ちたがったようですが、翔はそうではなかったのです。

結局は、体の関係も二人は持つことになるのですが、「大切にされている」と思ってしまった紗希。

これは、結婚詐欺師の常套手段。

そして、二人でベッドの中にいたときに、紗希は翔に「小さい頃なんて呼ばれてた?」と聞くシーンがあります。

翔が本名ではないことを、紗希は気づいていたのです。

しかし、翔は「名前なんてどうでもいいじゃない」とはぐらかします。

このとき、紗希の中で何かが弾けたようです。

このシーンの清瀬やえこさんの表情が、すごく怖ろしい。

演技力のある女優さんだなと思います。

お腹の落書き

ある日、紗希は翔のお腹に、マジックで落書きされているのに気づきます。

下腹部のハートと鳩の落書き

ある意味、ユーモラスな落書きなのですが、紗希にとってこれほど辛いものはありません。

これは、完全に他の女性の影が…。

ハートはもちろん、鳩は必ず巣に帰ってくるという意味。

さらに、紗希にとってどうしても許せないものが書かれていたのです…。

その許せない落書きの部分を刺した傷が、翔の致命傷になりました。

アイザワゲンタの妻・ユウコ

翔の本名は、アイザワゲンタでした。

そして、落書きをしたのは妻のユウコ。

翔は、既婚者でした。

さらに、翔は意識が無くなる直前、妻の名前を呼んだのです。

人の気持を弄ぶことが、どれだけ罪なことか…。

この30分ほどの映画の中で、改めて強く感じました。

映画「そこにいた男」の感想 最後に

映画「そこにいた男」の感想でした。

今の私なら騙されませんが、若い頃の私だったらあぶなかったなと思う映画でした。

男性諸氏、一途な女性の愛の情念を甘く見てはいけません。

ある事件が下敷きになっていると言われていますが、ディテールも少し違うし、実際に起った事件は「未遂」でした。

ラストシーンは、事件が起こる前。

こういう姿を見せられ、こんなことされたら、やはりその男を「可愛い」と思うのが女なのです。

30分くらいで観終える事ができるので、ぜひご覧になってみてください。


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そこにいた男

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