映画「ジェーン・ドウの解剖」感想|彼女はいったい誰なのか

映画「ジェーン・ドウの解剖」の感想です。

冒頭から最後まで、ずっと怖いホラー映画です。

イギリスの大物俳優ブライアン・コックスが父親役として出演しています。

まだご覧になっていいない方は、ネタバレ注意です。

「ジェーン・ドウの解剖」 あらすじ

ベテラン検視官のトミーは、同じく検視官の息子オースティンと遺体安置所を営んでいる。ある嵐の夜、警察から緊急の依頼が入る。それは、謎の惨殺事件の現場から全裸で見つかった身元不明の美女”ジェーン・ドウ”の死体の検死解剖だった。通常の検死だと思われたが、メスを入れ解剖を進めるにつれ、体内が焼かれ切断されているなど異常な状態が判明。やがてあり得ない物の数々が体内で見つかり、起こり得ない現象が次々と発生、衝撃と戦慄が走る。外は暴風雨、通信も途絶えていた。隔絶され、閉ざされた空間で、逃げ場のない恐怖が始まる…。

[引用元]Amazonプライムビデオ「ジェーン・ドウの解剖」あらすじ

【監督】アンドレ・ウーヴレレダル
【出演者】エミール・ハーシュ ブライアン・コックス オフィリア・ラヴィボン
(2017年・イギリス映画)

ジェーン・ドウとは、名前のわからない、または知られたくない場合の女性に用いる言葉。この映画の場合、身元不明であるが、女性であることはわかっているので、遺体の名前をジェーン・ドウとしている。
男性の場合は、ジョン・ドウである。

身元不明女性の解剖依頼

ベテラン検視官のトミー(ブライアン・コックス)は、遺体安置所を営んでいます。

トミーの息子であるオースティン(エミール・ハーシュ)も、父の元で、検視官として働いています。

 

バージニア州グランハムで、一家惨殺事件が起きました。

その日、一人の身元不明の女性の遺体が運び込まれてきます。

バーク・シェルドン保安官は、今夜中に検視してほしいと言います。

オースティンは恋人のエマと映画を観に行く予定でした。

 

エマが遺体安置所に、オースティンを迎えに来るのですが、このとき、エマが興味本位に遺体を見せてほしいといいます。

ちょっと不謹慎だな…と思ったのですが、ここで検視の基本的な知識を映画は説明してくれているのです。

運び込まれたときに仮死状態であった場合のために、足に鈴をつけることなどは、その後の恐怖の伏線となっています。

 

そして、父は一人で大丈夫だというのですが、オースティンはエマにレイト・ショーに変更してくれと頼み、後で落ち合うことにします。

そして、オースティンは父と共に『ジェーン・ドウ』の検視を行うことになりました。

 

遺体は、とても美しいのですが、解剖されていくので、そういったグロテスクなシーンが苦手な方は、ご注意ください。

私も、ちょっと苦手なので、画面から思わず目をそらしてしまうシーンもありました…。

 

見た目は一切外傷のない遺体。

そして、とても奇妙な遺体なのです。

骨格からすると、ウエストが細すぎるのです。

まるでコルセットか何かでウエストを締め付けていた時代の女性のように。

見た目は亡くなって時間が経っていない遺体なのに、瞳の色がほとんどなくなっています。

一切死後硬直がなく、両手首と足首の骨が折られ、舌は切り取られ、身体にメスを入れると血が流れだしてくるのです。(本来、亡くなってからメスを入れても血は出ないそうです)

そして、外傷が全くないにもかかわらず、心臓にはたくさんの傷があり、肺は焼かれているという…激しい内臓の損傷が見られるのです。

 

以下、ネタバレしていますので、映画をまだ観ていない方はご注意ください!

彼女の胃の中にあったもの

胃の中を確認すると、猛毒がある植物・チョウセンアサガオと遺体自身の歯が布に包まれて入っていました。

その布を折りたたむと、謎の模様が現れます。

 

「Leviticus 20:27」とローマ数字の「1693」。

(レビ記20章27節。1693年。)

男であれ女であれ、霊媒や口寄せは必ず死刑に処される。
彼らは魔女である。血の攻めを追うのは彼ら自身である。(本作より引用)

 

この状況からすると、チョウセンアサガオの毒を麻酔として使い、体の自由を奪い、無理やりに布を飲み込ませたということになります。

そして、皮膚を剥ぐと、皮膚の内側にも布と同じ模様が現れます。

 

さらに、脳を調べると、生きている人間のものと同じだったのです。

この身元不明の遺体は、「死んでいない」ということになります。

 

謎の模様、コルセットで締め付けたような細すぎるウエスト、常識では考えられない体内だけの損傷…。

ここから考えられることは、この『ジェーン・ドウ』が1692年から始まったニューイングランドのセイラム魔女裁判の拷問を受けていた被害者だったのではないかということです。

魔女裁判にかけられた女性たちのほとんどは、もちろん、魔女ではなかったのですが、その中には本当の魔女もいたということなのでしょうか。

そして、その本当の魔女が、この遺体の女性だったのかもしれません。

 

前日、この『ジェーン・ドウ』が運び込まれてきた家の人々も、すべて遺体となって発見されているのです。

そして、自分の家から出ようとしていたことがわかっています。

恐怖の一夜

二人はこの遺体安置所から脱出しようとするのですが、嵐のせいで停電し、ドアの前に木が倒れ、閉じ込められてしまいます。

また、突然の飼い猫の死、遺体の足につけた鈴の音がしたり、誰もいないはずのなのにドアを激しく叩かれたり、まるで安置している遺体が生き返ったような現象が起こります。

ベテラン検視官であるトミーが、解剖中に自分で手首をメスで切ってしまうこともありえなことでした。

そして、トミーとオースティンは、このまま解剖を続けることは危険だと、『ジェーン・ドウ』の遺体を焼却することにしますが…燃えないのです。

魔女狩りなど、一種の集団ヒステリーみたいなものだというトミーですが、もう、現実を受け入れなければならなくなったようです。

 

エレベーターが動き出したことに気づいた二人は、逃げようとするのですが、安置されているはずの遺体が追いかけてきて、トミーが斧をふるいます。

しかし、そこにいたのは、オースティンの恋人のエマだったのです…。

 

トミーは、『ジェーン・ドウ』に息子だけは助けてくれと頼み、彼女と同じ拷問の苦しみを受けることになります。

そして、オースティンは、トミーを楽にするためにメスで…。

 

何とか助かったと思ったオースティンですが、魔女の呪いはそんなに甘いものではなかったのです。

4日続きの晴天

翌日、トミーの遺体安置所を訪れたシェルドン保安官は、父子とエマの遺体を発見します。

外部からの侵入もなかったとして、親子が殺しあったのではないかということになりますが、20年来のつきあいであるシェルドン保安官には、信じられないことでした。

結局、『ジェーン・ドウ』の遺体は、この郡から出すことになり、大学病院に運ばれることになります。

 

ラジオでは、「今日もまたいい天気が続きそうです。これで4日連続の晴天となりました…」と流れています。

 

昨日の夜の嵐さえも、魔女のしわざだったのです。

そして、別の郡に運ばれていく途中で、『ジェーン・ドウ』の足の指がピクリと動いて…。

 

ラストシーンは、まだ魔女の呪いが終わっていないことを告げる鈴の音がして、背筋が寒くなりました。

最後に

映画「ジェーン・ドウの解剖」の感想でした。

少しグロテスクなシーンが多いので、そういうものが苦手な方以外には、おすすめのホラー映画です。

終わりのない魔女の呪い。

親子を襲った恐ろしい現象の解釈も、観る人によって違った見方ができると思います。

単純なスプラッター映画ではありませんので、ぜひ、ご覧になってみてください。

 


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