映画「さびしんぼう」 感想|恋をしたら誰もがみんなさびしんぼう

村の風景

こんにちは。

はるき ゆかです。



映画「さびしんぼう」の感想です。

大昔に一度観て、再度観てみるとそのときの感想とはまた違ったものになりました。

大林宣彦監督の尾道三部作の三つ目の作品です。

今はお母さん役をされることも多い、ベテラン女優の富田靖子さん主演です。

「さびしんぼう」 あらすじ

『転校生』『時をかける少女』に続く大林監督の「尾道三部作」の第3作。山中亘の原作を、大林信彦監督が故郷・尾道を背景に映像化した、”大林ワールド”を代表するファンタジー作品。片思いの空想ばかりしている高校生の前に現れた不思議な少女。”さびしんぼう”と名乗るその少女は一体何者なのか・・・生前、黒澤明が黒澤組にスタッフに観るように勧めたというエピソードが残っている名作。(C)1985 東宝

[引用元]Amazonプライムビデオ「さびしんぼう」あらすじ

カメラが趣味の井上ヒロキは、お寺の跡取り息子で、いつもカメラの望遠レンズを覗いている。そのとき、隣の女子校にある美少女を見つけ、いつも一人でピアノを引いていることから「さびしんぼう」と名付けていた。ある日、大掃除をしているときに、母の昔の写真を撒き散らしてしまい、その日以来、ヒロキの前に「さびしんぼう」と名乗る風変わりな少女が現れる。

【監督】大林信彦

【原作】山中亘

登場人物

さびしんぼう・橘百合子/富田靖子

井上ヒロキ/尾美としのり

井上タツ子/藤田弓子

井上道了/小林稔侍

井上ふき/浦辺粂子

校長先生/佐藤充

吉田先生/岸部一徳

大村先生/秋川リサ

PTA会長/入江若葉

久保カズオ/大山大介

田川マコト/砂川真吾

木鳥マスコ/林優枝

(1985年公開)

原作は山中恒の「なんだかへんて子」という児童文学書です。

ヒロキの淡い恋心

piano

ヒロキ(尾美としのり)は、お寺の跡取り息子で、成績も中位の平凡な高校2年生の男の子。

ヒロキには、二人の仲のいい友達がいます。

一人は、マコト(砂川真吾)という名前でとても身軽で、バク宙や宙返りができます。

もうひとりは、カズオ(大山大介)。

三人は、いつもつるんでいたずらばかりしています。

マコト役の砂川真吾さんは、千葉真一さんが主催されていたJACの出身だそうです。

映画の中でも、バク宙や宙返り、坂道や石段をとても身軽に飛び降りたり飛び乗ったりしています。

カメラのレンズから見る美少女

ヒロキの趣味はカメラ。

ただ、カメラの望遠レンズのいいものを買ってしまったので、フィルムが買えなくて、いつもファインダーを覗いてばかりいます。

ヒロキには憧れの美少女(富田靖子)がいます。

たまたまカメラを覗いていたときに、ピアノを引く彼女を見つけたのです。

そして、彼女は、いつも一人でショパンの「別れの歌」をピアノで弾いているので、「さびしんぼう」というニックネームをつけました。

「別れの歌」

本作「さびしんぼう」では、ショパンの「別れの歌」が全編を通して、流れています。

物悲しくも美しい曲が、切ない初恋をさらに美しいものにしています。

しかし、切ない中にも、明るく健全な高校生たちの姿が描かれ、どの年代の人が見ても、ノスタルジーを感じる作品です。

あの頃、どうしてあんなに楽しかったのだろう。

あの頃、どうしてあんなに寂しかったのだろう。

横顔が美しい

冒頭に、橘百合子(富田靖子)がピアノを弾くシーンがあるのですが、とにかくその横顔が清楚でとても美しいのです。

少し寂しげで儚げで…。

今も女優として大活躍中の富田靖子さんですが、橘百合子役の富田さん、すごく可愛いです。

清楚で薄幸な美少女にぴったりです。

「さびしんぼう」がもうひとり

ある日、ヒロキは、友達二人とともにお寺の本堂の掃除をしているとき、うっかり風に吹かれて母の昔の写真を庭中に飛ばしてしまいます。

風変わりな少女

そのすぐあと、顔をピエロのように白塗りにしたオーバーオールの風変わりな少女(富田靖子)が現れます。

そして、自分のことを「さびしんぼう」と名乗ります。

ときどき、突然ヒロキの前に現れては、突然消える「さびしんぼう」。

彼女は一体、誰なのでしょうか。

さびしんぼうの正体

「さびしんぼう」は、ヒロキの母・タツ子(藤田弓子)の若い頃の思い出が作り出した存在です。

16歳のときのタツ子の写真から抜け出してきた不思議な少女。

幽霊などではなく、ヒロキにだけ見えるわけでもなく、触れることも出来ます。

おばあちゃんのフキさん(浦辺粂子)には、ちゃんと見えていて「あれはタツ子さん」というシーンがあります。

人間も年を重ねると、いろんなことが「見える」ようになるのかもしれません。

タツ子とさびしんぼう

冬休みのある日、幼馴染のマスコ(林優枝)がヒロキの家に遊びに来ます。

最近、少し様子がおかしい(さびしんぼうのせいで…)ヒロキの相談相手になってもらおうと、母のタツ子が呼んでくれたのです。

その日、あまりにもキャンキャン言うタツ子を見て、「さびしんぼう」が現れます。

すると、さびしんぼうは、タツ子に「あんたの理想ってそんなんだったの?もっといい子になってよ!」

それを聞いたタツ子は、さびしんぼうのお尻をペンペンします。

すると、何故か自分のお尻が痛い。

ほっぺを叩くと、自分のほっぺが痛い。

さびしんぼうは、やはり、タツ子の分身のような存在なのかもしれません。

そして、さびしんぼうが出てくると、タツ子の様子がおかしくなるので、「あまり出てくるなよ」とヒロキはさびしんぼうに言ってしまいます。

さびしんぼうは、しばらくヒロキの前に姿を現さなくなるのですが…。

水に濡れると死ぬのは写真だから

さびしんぼうは、「水に濡れると死んでしまう」と言います。

そして、17歳になったら出てこれない。明日が誕生日だから今日で終わり。

それは、「16歳のときの写真」だから。

尾道の美しい風景

冬休みに入った初日は、珍しく尾道に雪が降ります。

家々の屋根や坂道に薄っすらと積もった雪。

ヒロキは、毎日学校で会う友達や橘百合子の姿を見ることもできず、少し寂しそうです。

別に永遠に会えないわけでもないのに、この年頃ってなぜかこういうとき寂しさを感じたりするものです。

セピア色の尾道の景色、とても心に染みます。

橘百合子のこと

ある日、奇跡が起こります。

あのヒロキの憧れの橘百合子(富田靖子)が、自転車のチェーンが外れて立ち往生しているところに、ヒロキは出くわします。

そして、ヒロキは百合子の自転車を抱えて、家の近くまで送っていくのです。

その道程で、二人はいろいろな話をします。

ヒロキは、自分が西願寺というお寺の息子で、いつもファインダーを通して百合子を見ていたこと。

百合子は、ピアニストになることが夢だったこと。

知らん顔で通り過ぎる百合子

ヒロキが自転車を運んでくれた日に、ファインダー越しに見ていたことを許してくれた百合子ですが、翌日、船から降りてくる百合子は、ヒロキを無視して通り過ぎて行きます。

これも、この年頃にありがちなこと。

気恥ずかしさと切なさで胸がいっぱいになって、思わず無視してしまう少女の気持ち。

女子なら、この百合子の気持ち、わかりますよね。

チョコレートに込めた気持ち

ヒロキは、チョコレートアレルギーなのですが、そうとは知らず、百合子はバレンタインデーのチョコレートをそっとヒロキの家に置いて帰っていきます。

自転車を運んでくれたお礼と、そして、これっきりにしてくださいという手紙とともに。

ああ…切ない。

百合子の背景

そして、少し遅れたけれど、百合子のためにクリスマスに買っていた贈り物を渡しに行くヒロキ。

そのときに、百合子の背景が見えてきます。

着物姿で、買い物をする百合子。

その着物は、母の形見だと言います。

そして、父は病に臥せっているようです。

魚を二匹買うつもりが、値段を聞いて、一匹にしてもらうところも、決して裕福ではないことがわかります。

家まで送るというヒロキに、恥ずかしいからだめだと言って…。

二人は二度と会うことはなかったのでしょうか。



その答えは、ラストシーンで描かれています。

最後に

映画「さびしんぼう」の感想でした。

本作の中には多くの名言がちりばめられています。

切なくて、寂しくて、そして幸せな気持ちにしてくれる素敵な名作。

後世に語り継がれる傑作映画です。

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