こんにちは。
はるき ゆかです。
映画「君は月夜に光り輝く」の感想です。
原作は未読です。
とても美しくも悲しいラブストーリーです。
「発光病」という不治の病の冒された少女とクラスメートの男の子の通い合う心に、涙が溢れました。
「君は月夜に光り輝く」感想 はじめに
あらすじ
高校生の岡田卓也はクラスの寄せ書きを届けるために行った病院で、入院中の同級生・渡良瀬まみずと出会う。明るく振る舞う彼女が患う病気は”不治の病・発光病”。細胞異常により皮膚が発光し、その光は死が近づくにつれて強くなるという。そして、成人するまで生存した者はいない。卓也は病院から出ることを許されないまみずの”叶えられない願い”を代わりに実行し、その感想を伝える【代行体験】を行うことに。代行体験を重ねるごとに、まみずは人生の楽しみを覚え、卓也は彼女に惹かれていく。しかしその反面、迫りくる死の恐怖が2人を襲う。そして卓也に隠された”ある過去”を呼び覚ます。命の輝きが消えるその瞬間。まみずが卓也に託した最期の代行体験とは__?(C)2019「君は月夜に光り輝く」製作委員会
[引用元]Amazonプライムビデオ「君は月夜に光り輝く」あらすじ
【監督・脚本】月川翔
【原作】佐野徹夜
登場人物
渡良瀬まみず/永野芽郁
岡田卓也/北村匠海
香山彰/甲斐翔真
岡田鳴子/松本穂香
平林リコ/今田美桜
岡崎/優香
渡良瀬律/生田智子
深見真/及川光博
不治の病・発光病の渡良瀬まみず
『発光病』というのは、本作の原作「君は月夜に光り輝く」の中の架空の病気です。
発光病の渡良瀬まみず
発光病は、不治の病で、細胞異常により月に照らされると身体が光り輝くという特徴があり、原因不明で治療法もまだ確立されていません。
そして、この病気に罹って成人するまで生きた人はいません。
まみず(永野芽郁)は、発光病だとわかったとき、余命一年と宣告されましたが、一年たった今も元気で過ごしています。
まみずと卓也の出会い
まみずは、高校一年生になりましたが、病院から一歩も外に出ることが出来ないので、もちろん学校にも行けません。
そのため、まみずと卓也(北村匠海)は同じクラスではありますが、一度も会ったことがありませんでした。
クラスで、まみずへのお見舞いの寄せ書きをすることになり、それを届ける役目が卓也に回ってきます。
そこで、卓也はまみずと初めて出会います。
死ぬまでにやってみたいこと
卓也が二度目のお見舞いに来たとき、まみずが父(及川光博)からプレゼントされたスノードームを、卓也が落として割ってしまいます。
卓也は、まみずに罪滅ぼしのために、何かしたいと申し出ます。
卓也の罪滅ぼし
まみずは、ノートにしたいことをたくさん書いています。
そして、そのやりたいことを卓也に代わりにやってもらって「代行体験」をしてほしいとまみずは言います。
- ジェットコースターに乗る
- お腹いっぱいになるまでパフェを食べてみたい
- 徹夜で行列してスマホを買う
- お父さんに離婚した本当の理由を聞いてきてほしい
- 自分の部屋をトータルコーディネートしたい(インテリアショップを卓也が回る)
- 海風を受けながら自転車を走らせたい
- ホームランを打ってみたい
- カラオケで歌いたい
- ショッピングモールを歩きたい
- メイドカフェでバイトしたい
- バンジーシャンプがしたい(これはメイドカフェのリリコに焼きもちを焼いて思いついたこと)
まみずには、もっともっとやりたいことがたくさんあります。
卓也のプレゼント
卓也は、まみずが読んでいる雑誌に折り目がついていたサマンサ・タバサの赤いハイヒールをプレゼントします。
これを履いて海に行って星が見たいと言う、まみず。
次の検査結果がよかったら、外泊許可を貰えるのです。
しかし、検査結果はよくありませんでした。
そこで、卓也は考えます。
彰(甲斐翔真)に天体望遠鏡を借りて、屋上でまみずに星空を見せてあげるのです。
ここのシーンが、とにかくとても美しい。
月明かりにふわりと光るまみず。
しかし、それは、まみずの命が消えようとしている証拠でもあります。
そして、まみずはそのまま倒れてしまい…。
私のことは忘れて
まみずの最後のお願いは、
「もう、来ないでほしいの。今までありがとう。これからは、私のことなんて忘れて楽しく生きてよ。二度と会いに来ないでほしい。これが最後のお願いだよ。わかった?」(本作まみずのセリフより引用)
静かに涙を流す卓也。
好きだからこそ、もう会わない…。
まみずは、強い女の子だと思います。
卓也の姉と彰の兄
卓也の姉の鳴子(松本穂香)と卓也の同級生の彰の兄は恋人同士でした。
彰の兄も「発光病」に罹り、亡くなっています。
そして、鳴子はその死を悲しみ、事故のような形ではありますが、自らの命を絶っています。
卓也の母
卓也の母は、今も鳴子が亡くなったことを受け入れられずにいます。
鳴子は、ときどき死を望んでいるような言葉をつぶやくことがありました。
そのつぶやきから交通事故で亡くなった鳴子が、自ら命を絶ったのだと母は思っているのです。
自分より先に子供が亡くなる、それも10代のうちに…。
母親として、どれほど悲しいことでしょうか。
二人の関係の描き方
映画の時間の関係もあるかとは思いますが、友人の兄で姉の恋人が不治の病である「発光病」で亡くなり、そして姉が自ら命を絶つという経験をしている、卓也と彰。
この兄と姉についてと、卓也と彰の関係、彰とまみずについてもう少しだけ掘り下げてほしかったな…と思いました。
映画の中で、卓也と彰は、お互いに姉と兄を亡くしたという事実があって、ぎこちない付き合い方しかできないことは描かれています。
しかし、それ以外のことは、ちょっとしたセリフの中で理解することしかできません。
そこだけが少し惜しいな…と。
ロミオとジュリエット
学園祭の出し物で、卓也のクラスは「ロミオとジュリエット」をやることになりました。
まみずのジュリエット
ジュリエットは、まみずが中学のときの文化祭でやることが決まっていたのですが、入院が決まり出演することが出来ませんでした。
そのため、卓也が代わりにやることにしました。
クラスでは、歌舞伎みたいだと大盛りあがり。
今も、卓也はまみずの『代行体験』を続けていたのです。
父の気持ち
まみずの父・深見真は、経営していた会社を倒産させてしまい、偽装離婚をしています。
それは、まみずの治療費を確保するためでした。
まみずは、ずっとお父さんに会いたかった。
しかし、父は会いに行くことが出来なかったのです。
深見が、卓也を呼び出して、プロポーズの真似事をしてもらうシーン。
切なかったです。
及川光博さん独特の演技が、また涙を誘います。
ラストシーン
ラストシーンでは、まみずが初めて本心を告白します。
卓也もまみずも、とても素直な気持ちを話し合います。
とても、感動的なシーンです。
最後の代行。
それが、何なのか、ぜひ本作をご覧になって、涙してください!
最後に
映画「君は月夜に光り輝く」の感想でした。
本作は、ヒロインの相手役がどちらも北村匠海くんで、どちらもそっけない男子役だということもあり、「君の膵臓をたべたい」と比較されることが多いです。
しかし、全く別物として観るべきだと、私は思います。
映像としてのラストシーンは、本作の方が美しいとさえ感じました。
不治の病で亡くなるヒロインの出てくる映画は、大昔からたくさんあります。
その全てがそれぞれに美しく悲しい。
本作「君は月夜に光り輝く」もその一つです。
ぜひ、おすすめの映画です!