こんにちは。
はるき ゆかです。
映画「私をくいとめて」の感想です。
すごくおもしろかったです。
共感するところもたくさんありましたし、とにかくのんさんの演技が素晴らしかったです。
いろんな忖度やしがらみがあるのかもしれませんが、もっとのんさんのお芝居が観たいです。
Contents
映画「私をくいとめて」感想 はじめに

登場人物
黒田みつ子/のん
主人公の独身OL。多田くんのことが好き。
多田くん/林遣都
みつ子の会社の取引先の営業。みつ子より2つ年下。
A/中村倫也
みつ子の頭の中のもうひとりのみつ子。頭の中で悩みを相談している。
ノゾミさん/臼田あさ美
みつ子の会社の先輩で、唯一の会社での親しい人。カーターが好き。
カーター/若林拓也
独特な顔をしたイケメン。ノゾミさん以外にはちょっと嫌われている。性格も悪いし、服の趣味もへん。ノゾミさんとつきあうことになるが、期間限定。
吉住/吉住
温泉旅館の演芸ショーに出ていたお笑い芸人。本人役。
澤田/片桐はいり
みつ子の会社にヘッドハンティングでやって来たバリバリのキャリアウーマン。しかし、親しみやすさも持つ女性。
皐月/橋本愛
みつ子の大学時代の親友。イタリア人と結婚して、イタリアに住んでいる。
【監督・脚本】大九明子
【原作】綿矢りさ
あらすじ
30歳独身、恋人なしのおひとりさまOL・みつ子(のん)の日常と恋。
みつ子のある日の休日。かっぱ橋に行って、食品サンプルの体験コーナーで海老の天ぷらを作った。今日も自分の脳内にいる「A」(中村倫也)と会話しながら一日を楽しんだみつ子。明日はどこへ行こう?一人だと自分の行きたいところへ行ける。
みつ子の中の「A」とは、Anserの「A」。みつ子の悩みや疑問に答えてくれる。しかし、「A」はあくまでもみつ子自身である。

「A」みたいな存在、ほしいな。ほしいと言っても、「A」はみつ子自身なのですがw
ちょっと迷ったときや悩んでいると、アドバイスをくれる。それは、みつ子が本当は正しい答えを自分で知っているということ。
多田くん(林遣都)は、みつ子の会社の取引先の営業社員の男の子。きれいな顔をしていて、みつ子より2つ年下。そして、みつ子と多田くんは家が近いことから、多田くんがときどきみつ子の家に夕食をもらいに来る関係。托鉢僧と檀家のようだ。
一年前、商店街のコロッケ屋さんの前で多田くんとたまたま出会い、多田くんからコロッケ一つをもらってから、多田くんにご飯のおすそ分けをするようになった。多田くんは頻繁にみつ子の料理をもらいにやってくる。多田くんからの申し出だ。そのとき以来、みつ子は多田くんのことが好きだと「A」は言う。「やっぱり、そうかぁ~」と嬉しそうなみつ子。
みつ子は、今日、「一人焼肉に行く」を達成。いつかは挑戦したいと思っていたようだ。はじめはドキドキしたけど、入ってしまえば何とかなった。そして、翌日は多田くん御用達のコロッケ屋さんに行った。多田くんがいないかチラチラ見ながら買い物。しかし、多田くんはいなかった。
「私やっぱり多田くん好きかも」
日曜日は、掃除の日。午後からは、きれいになった部屋でゆっくりする予定。

おひとりさまと言えば、一人焼肉。これをクリア出来たら、ほぼなんでも一人でOK。
私も、一度一人焼肉行きたい!
みつ子は、夕方の買い物中に商店街で多田くんに会った。そして、夕食に初めて招待。お礼にお花の鉢植えをもらった。二人で食事をしながら、お互いタメ口で喋ろうと言って、どんどん二人の距離は縮まっていく。
そして、多田くんが帰ってから自分の部屋がこんなに広かったかなと感じるみつ子。多田くんが帰ったあと、寂しさとともにホッとした。翌日、ノゾミさん(臼田あさ美)にその話をすると、「人間なんてもともと一人なんだから当たり前よ」と言われ、二人がいまだ独身なことに納得し合う。
みつ子には、イタリアのローマに住んでいる友達がいる。大学時代からの親友・皐月(橋本愛)だ。イタリア人と結婚したのだ。そして、皐月からお正月休みにローマに来ないかと誘われるが、みつ子はとにかく飛行機が苦手なのだ。しかし、みつ子は決心する。一人で海外旅行に行くことを。
すると、ノゾミさんが好きじゃない人の結婚式の引出物の温泉旅行一泊券をくれる。予行演習だ。しかし、その温泉旅行の演芸会で女性芸人が酔客に失礼なことをされているのを見て、みつ子は嫌なことを次々と思い出してしまう。みつ子は、自分の中の黒い部分を「A」に吐き出す。
飛行機の中では、「A」と会話しながら、何とかやり過ごすみつ子。飛行機が乱気流に飲み込まれたときには大滝詠一の曲を聞いて乗り切る。あくまでも、大滝詠一はさわやかだ。
着陸して、タクシーで皐月の家に向かう。皐月の夫の家族がクリスマス休暇で集まっていた。皐月は妊娠している。にぎやかなクリスマスパーティー。幸せそうな家族。しかし、皐月はカフェより先は怖くて行けないという。皐月に案内されてコロッセオに行き、翌日はカエサル像を見たり、美術館に行くみつ子。

愛する人のもとへ嫁ぐとしても、遠い外国。皐月、心細かったと思う。
なにか辛いことがあっても、簡単に帰ってこれない…。
翌日は、皐月と二人で絵を描いた。二人は大学時代、美術サークルにいたのだ。みつ子は、「皐月はどこででも生きていける人だね」と言うと、皐月は泣き出した。「こんな遠くまで来てしまって心細い」と。そして、しつこくみつ子に遊びに来てくれるように頼んだのだという。
「A」が一目惚れした相手とデートした。40代の歯科医だ。患者の手前、表立っては会えないが、今日はホテルの部屋をとっていると彼は言った。みつ子は、こんなことなら「A」と二人で一生一人でいいという。「多田さんはあんな人とは違う」という「A」だが…。世界が闇に落ちていく。
そんな闇に吸い込まれそうなみつ子は、「A」に多田さんに「帰ってきましたメールはした?」と言われ、メールを送った。すると、多田くんが今までご飯を頂いたお礼に外で食事をしませんか?というメールが来た。すぐに心躍るみつ子。
休み明けに出社すると、ノゾミさんがみつ子を待ち構えていた。カーターと初詣に言ったというのだ。カーターはみつ子にだけは初詣にいったことを話していいという。あと、多田くんは出世しなさそうだから言ってもいいらしい。バレンタインデーに東京タワーの外階段を歩いて登るイベントに4人で行こうというノゾミさん。その日、カーターに告白するというのだ。
バレンタインデーに4人で、東京タワーに登った。カーターが足の先が冷たいというと足用使い捨てカイロを出すノゾミさん。のどが渇いたと言うと水筒が。温かいのも冷たいのも。カーターは途中でもう登りたくないと言い出し、多田くんとみつ子は二人で登ることにする。カーターとノゾミさんを二人だけにしてあげるのだ。しばらくしてノゾミさんからメールが来た。「成功。つきあうことになった。期間限定」

ノゾミさん、本当にカーターでいいのか。
考え直して!w
期間限定って何なんだ!
それを多田くんに見せたみつ子。すると多田くんは「俺たちもつきあってみますか」と言う。「雰囲気に流されてじゃなく、ずっと今日言おうと思っていた」と。そっと手を繋ぐ二人。
二人で街を歩いていて、沖縄旅行のポスターを見た。一緒に温かいところに旅行に行こうという話になるが、みつ子は飛行機が苦手。すると、イタリアに行ったときの「A」と、多田くんは「ずっと話して気をそらしてあげる」と同じことを言った。
二人で沖縄旅行のための水着を買いに行ったら、帰りは雪で車が運転できなくなった。二人でホテルに泊まることになる。部屋はセミダブル。部屋に入ると多田くんはみつ子を抱きしめる。みつ子は「…違うから」と言ってしまう。そして、お酒に入れる氷を取りに廊下に出るみつ子。「A」に話しかけるが答えてくれない。「こんなことなら、一人で孤独に耐えていた方がまし。私はこうして一人で「A」とばかり話してぶっ壊れていく」
「誰か、私をくいとめて!!」
ここから逃げたいと叫ぶみつ子の前に、「A」が実体化して現れる。少し太っててお世辞にもハンサムとはいえないけれど、みつ子にとっては「ちょうどいい」らしい。多田くんと巡り合っておひとりさまではなくなったみつ子から、「A」は離れていくことに。
部屋に帰ると多田くんがいた。「黒田さんとはゆっくりでいいんだ。大好きだよ」「私もすごく好き」
沖縄行の飛行機の中。「よろしく頼みます」というみつ子。多田くんは、隣で一緒に大滝詠一の「君は天然色」を歌ってくれる。
映画「私をくいとめて」感想

おもしろかったー!
綿矢りささんの原作は未読なのですが、本当に大滝詠一の「君は天然色」の歌詞が出てくるようです。
いつ聞いても、さわやかで「A」が去っていくときのシーンにもぴったり。沖縄旅行へ行く二人にもぴったり。
私も食品サンプルの体験レッスン経験済み
本作でも出てくる食品サンプルの体験レッスン。私も受けたことがありますw
たまたま一人ではなかったのですが、私が一人で行こうとしていたら仕事仲間が自分も行きたいと言い出したので、一緒にいきました。
私はレタスを作りました。
結構、難しいですが、楽しかったです。
いろんな体験レッスンがありますが、おひとりさまって食品サンプルの体験レッスン選びがちなのでしょうか。
ちょっとびっくりしましたw
カーターはやめとけ
臼田あさ美さん演じるノゾミさん。
一体、カーターのどこがいいんでしょうか。
めっちゃ嫌われてるやんw
服のセンスも凄まじいし、顔もイケメンと言えるのかどうかw
しかし、恋とはそういうものなんですね。
周囲の人にはわからない「何か」があるんです。
期間限定でつきあうっていうのも、どう言えばいいのかわかりませんが、すごいと思います。
ノゾミさん、カーターはとりあえずやめときましょう。
多田くんとみつ子
普通にいそうで、いない美男美女。
すごくお似合いです。
もともとみつ子が作ったご飯をもらいに来ていた多田くん。
その関係も、普通なさそうですがw、もともと多田くんはみつ子に好意を持っていたということ。
好きな人のじゃなければ、手作り料理なんて、食べたくないですもんね。
そういう演出だったのかもしれませんが、一見、目立たなそうな普通の二人ですが、よく見たらすごいイケメンだし、美人。
それを、演技力で普通っぽく見せられるのんさんと林遣都さん、すごいです。
そして、のんさんのホテルで氷を取りに行くシーンの「A」との会話、圧巻でした。
おひとりさまが長いと
みつ子は30歳まで独身でしばらく彼氏もいなくて、一人でいることに完全に慣れ、それ以上におひとりさまを楽しんでいます。
そうなると、年下のイケメン彼氏が出来ると、こんなにあたふたとしてしまう。
これ、すごくよくわかります。
そして、自分の中に自分である「A」というもうひとりの存在がいて、落ち込みそうになると慰めてくれたり、励ましてくれたり…。
そうやって一人で生きてきた。
寂しいようで、実は気楽で、ときどき頑張ってみようとして悲惨な結果が待っていたり。(歯科医とのこととか)
多田くんとの出会いで、みつ子は「A」を失いますが、もう寂しくないはず。
カーターみたいに超絶変人でもなく、歯科医師のような女性をバカにしたような感じでもなく、多田くんはきっとみつ子を幸せにしてくれます。
「A」が実体化して、想像の中でみつ子の前に現れたとき、ずっと映画観ながら中村倫也さんを想像していたので、前野朋哉さんが出てきたときは、かなりびっくりしましたwが、みつ子がちょうどいいって言ってるから、ちょうどいいのでしょう。
海のシーンでぼんやり浮き上がってきたときは、完全に中村倫也さんが頭に浮かびましたよね?!
映画「私をくいとめて」感想 最後に
映画「私をくいとめて」の感想でした。
大九明子監督で綿矢りささん原作の映画は「勝手にふるえてろ」と本作の2本観ていますが、不思議な世界観と主人公の妄想癖が悲しくておもしろいです。
そして、どちらも「孤独」について描かれています。
しかし、孤独じゃなければ何でもいいわけではない。
最後はハッピーエンドで、心がホッとします。
ぜひ、おすすめです!

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