これは、私の知人の話です。
簡単にゲーム感覚で不倫を楽しんでいるあなた、子供は案外気づいているものです。
※話してくれた本人は身バレしないように少し話の設定を変化させています。本人了承済みです。
一生許さない
自分自身の子供の頃のことを思い返してもわかりますが、大人はわからないだろうと思って話していることが実は子供はほぼ理解しているということ。
父の浮気
私の友人A子の父親は、母親以外の女性を20年以上「囲って」いました。
父親より10歳以上年下の仕事を持った女性だったようです。
A子は、その頃まだ5歳でした。
A子曰く、父親はA子と弟のBくんにとても優しく、大切にしてくれたそうです。
夏休みとGWには必ず旅行に連れて行ってくれたし、お正月も三が日は必ず家にいたと言います。
A子は幼稚園の頃、父が外に女性を囲っていることを知ったそうです。
毎週火曜日の夜から水曜日の夜まで、父は家に帰って来ませんでした。
子供たちには、仕事の関係で帰れないのだと言っていたそうです。
A子の父親は、設計事務所を経営する建築士で、子供なりに仕事が忙しいのはわかっていましたが、なぜ毎週火曜日の夜から水曜日だけは泊りになるのか。
A子は、火曜日になると母が悲しそうにしていたことや、ちょっとした両親の会話から、父には外に女性がいることを悟ったようです。
母親はもちろん認めていませんでしたが、諍いが起こりそうになると、父親は母親にブランド物のバッグや宝石類を買い与えていたそうです。
お母様は、買い物をすることで気持ちを紛らわしていたのかもしれませんね…。
子供の前ではとても仲良さそうに振る舞っていたご両親でしたが、子供はちゃんとわかっていたのです。
弟はわかっていても、父に対して反抗的な態度を取ることがなかったといいます。
まだ幼稚園の年少さんだったからなのか、小さくてもはやり弟も「男」だから父を許していたのか…。
母の死
A子のお母さんは、膵臓がんで亡くなりました。
A子が22歳の時でした。
父親が女性を囲いだして、ちょうど20年の時が流れていました。
その頃になると、女性の要求が大きくなりだしたのか、設計事務所の経営がうまくいかなくなったのかはわかりませんが、A子の父親は自分の妻が膵臓がんで、余命半年と宣告されたのをきっかけに、妻を自分の田舎の家に一人で住まわせることにしました。
それまで住んでいたマンションを売却したのです。
その頃、A子は東京の大学に通っており、弟は海外に留学中でした。
お通夜の夜。
私はA子が心配で、ずっと付き添っていました。
そこでいろんなA子の気持ちを聞くことが出来ました。
お葬式のお花は全体に胡蝶蘭を使い、棺も最高級のもの、精進揚げも某高級料亭に頼みました。
これは、父への復讐だとA子は言いました。
父にお金を使わせることでしか、A子は悔しさを我慢できなかったのかもしれません。
父親の田舎に連れていかれた病身のお母さまは、生まれも育ちも神戸で、田舎暮らしは初めてだったと言います。
都会ではあまりないような陰湿な噂話の標的になり、身体は病気のためどんどん痩せ細り、見かねたA子の伯母さまが神戸の病院に入院させることにしたそうです。
A子は、「母が田舎でどれだけ辛い思いをして暮らしていたか、どんな気持ちで20年間も父の浮気を黙認していたのかを思うと、一生父を許さない。母の病気も父が母にストレスを与え続けたせいだ」と怒りに震えながら泣いていました。
そして、お母様が亡くなったすぐあと、A子は、その愛人女性に会いに行ったそうです。
「父の老後はあなたが看てください。私は、一切父の介護はしませんから」と言って来たそうです。
愛人女性からは、「私は入籍してもらってないから知らないわよ」と言われたそうです。
A子の父親ももうすぐ75歳です。
不倫離婚が子供の心に残す傷
不倫は何も男性ばかりがするものではありません。
B子の母は、B子がまだ小学生のときにネットで知り合った男性と不倫して、それが夫にばれ、離婚しています。
プロポーズを受けられない
B子は、私の友達の中でも、とても優しくて家庭的な可愛い女性です。
キレイ好きでお料理もプロ級。
「私が男だったら、お嫁さんにするなら絶対B子だ」とみんながいうようなタイプです。
そのため、もちろん、すごくモテます。
それも、遊びではなく、結婚を前提に付き合ってほしいと言われることがほとんど。
しかし、B子はどうしても結婚することが出来ないと言っていました。
母の不倫離婚が原因です。
B子自身が不倫しなければいいだけのことですし、B子はそういうタイプではありません。
しかし、B子はどうしても母の不倫がバレたときの両親の修羅場を思い出し、結婚というものに踏み切ることができないのだと言っていました。
ほとんど怒ったのを見たことがない優しい父が母を罵り、泣き叫ぶ母。
裁判にまで発展した離婚劇でした。
B子は、結婚したくないと言うより、子供を産むことが怖かったようです。
自分の子供に、自分と同じような気持ちを感じさせたくなかったのです。
B子の幸せ
何人もの人からのプロポーズを断り続けたB子が、38歳のときに出会ったのが現在の夫のC男くんです。
C男くんは、実はバツイチで子供が一人います。(親権は母親が持ち、養育費も十分払っています)
そして、C男くんは母親違いの子供が出来ることを避けたいと思っていた人で、再婚するなら子供が欲しくない人と決めていたようです。
ちょうど条件的に合う人と出会えて、B子は幸せだと思います。
とても仲睦まじい二人を見ているとそう感じるのですが、B子は決して子供が嫌いなわけではないのです。
本当なら自分の子供を産みたかったはずです。
しかし、母の不倫のせいで、B子は子供を産まない決心をしたのです。
大きなお世話かもしれませんが、B子は本当に幸せなのでしょうか。
もし、ちょっとした火遊びのつもりの母の不倫さえなければ…。
最後に
芸能界などでも、不倫がバレて飛んでもない目にあっている人がたくさんいるのに、不倫報道が後を絶たないのは不思議でたまりません。
特に男性は、どうして妻以外の女性と関係を持ちたいと思うのでしょうか。
それが男性の性(さが)なのかもしれませんが、どうしたものか…。
大人同士が納得しているなら、それはそれで構わないのかもしれません。
しかし、親の不倫が子供の心に大きな傷を残すことは、絶対に避けなければならない。
どうしても、一人の女性だけでは満足できない人は、結婚しない方が自由で誰も傷つけないのではないでしょうか。
人生はゲーム。
そんな開き直りも大切かもしれません。
それで少子化が進むのは困ったものですが…。