コロナハラスメントという言葉をご存知でしょうか?
実際に、コロナウィルスに感染した人やその家族を差別したり、バイキン扱いしたりするハラスメントのことです。
ときには、ちょっと咳き込んだだけで「あなた、コロナじゃないの?」と消毒液を吹きかけられた人も。
コロナハラスメントとは?
コロナウィルスに感染した人やその家族、医療従事者やその家族などを過度に遠ざけたり、差別的な言葉や言動で傷つけることを、コロナハラスメントといいます。
コロナハラスメント:実例1
ハウスダストのアレルギーのあるA子さんは、以前から勤務先の職場が埃っぽく、ときどき咳き込むことがありました。
すると、同じ職場のB子さんが「A子さんが咳をしているから、コロナに感染しているかもしれない。検査を受けさせてほしい」と上司に相談しました。
上司はA子さんに確認すると、アレルギーがあるとの答えだったのでB子さんに報告。
B子さんは、「それなら病院で診断書をもらって来てほしい。アレルギーもあるかもしれないけれど、コロナの可能性もある」
A子さんは病院で診断書をもらって来ましたが、B子さんはまだ納得せず、「とりあえず、咳が止まるまで会社に来ないでほしい」と言われたそうです。
A子さんは、仕事を休むことにしました。
咳が止まってからも、B子さんは一切口を聞いてくれず、A子さんが触れたり座った椅子などを消毒しまくられたとか…。
コロナハラスメント:実例2
C子さんの田舎に住んでいる祖母が、コロナウィルスに感染してしまいました。
年齢的にコロナウィルスに感染すると命の危険があると言われていますが、C子さんは祖母に会いに行きませんでした。
職場や周囲の人に迷惑をかけたくなかったからです。
幸い、C子さんの祖母は順調に回復されたようで、PCR検査も陰性になり、2週間以上時間をあけてから会いに行ったそうです。
それでも、職場では「親戚がコロナにかかった人」として、未だに一部の人からバイキン扱いされています。
コロナハラスメント:実例3
A雄さんの妻は、看護師です。
内科の開業医院で働いているので、風邪やインフルエンザの患者さんと接することはありますが、まだコロナウィルスに感染した患者さんとは接していないはずでした。
中にはコロナに感染している人もいたかも知れませんが、それは、普通に生活していれば誰でも同じ環境にいます。
しかし、A雄さんの妻が看護師であることを知っている職場の人は、A雄さんを避け、聞こえよがしに「コロナになってるかもしれないのに、会社に来ないでほしい」と言われています。
コロナハラスメント:実例4
D子さんには、今年75歳になる父親がいます。
そのため、D子さんは「私は絶対にコロナに感染するわけにはいかない」と言っています。
それは誰でもそうです。
ある日、D子さんと同じ職場のE子さんが風邪を引いて熱を出し、会社を休みました。
しかし、1日で回復し病院でも「風邪だ」と言われて復帰したのですが、D子さんは「私はコロナに感染するわけにはいかないのよ。父にうつしたら大変だから。E子さん、コロナじゃないと言い切れるの?PCR検査受けてほしい。結果が出るまで会社に来られると迷惑です」
D子さんがコロナに感染しないようにすればいいだけの話です。
コロナハラスメント:実例5
これは、私が実際に見たお話です。
友人と某ファミリーレストランで食事をしていました。
入り口には、消毒液が設置され、座席ごとにパーテーションもあります。
高校生くらいの女の子が3人で、それほどおしゃべりもせず、大人しく食事をしていました。
その向かいのボックス席で、3歳位の男の子とお母さんが二人で食事をしていました。
そのお母さんは、高校生の女の子たちの座るボックス席をチラチラと見ては、彼女たちが少し笑ったりするたびに睨みつけていました。
そして、女の子たちが席を立って、帰り支度をしていると…。
そのお母さんが「もう、いい加減にしてよ!こっちには小さい子供がいるのよ。それなのに喋りながら食事して、不安な気持ちにさせて。さっさと喋らないで出ていきなさいよ!」と泣きながら叫んでいました。
100%ではないにしても、コロナウィルスは乳幼児の感染率はかなり低く、高校生の女の子たちはとても大人しく普通に食事をしていただけです。
私達を含め、そのお母さんは、他のお客さんが引くくらい泣き叫んでいました…。
それなら、小さい子供を連れてあなたが外食しなければいいのではないか?と思いましたが、もちろん、それは言いませんでした。
人間というのは、どこまでも自分勝手になれるようです。
一般的に、不安や恐怖に弱い性質の人もいると思いますが…。
コロナハラスメントを起こさないために
コロナハラスメントを起こさないためにはどうすればよいのでしょうか。
- コロナ感染の正しい知識を身に付ける
- コロナに感染するときは誰であっても感染してしまうと思っておく
- コロナウィルスを過度に恐れない
- コロナ禍で受けるストレスの解消法を見つける
- 職場であればルールを決める(マスクをつける、密にならない、パーテーションをつけるなど)
- 自分自身もいつ感染するかわからないと思い、相手の気持を考える心の余裕を持つ
恐怖に押しつぶされそうな人には、難しいかも知れませんが、相手の立場になって考えることがコロナハラスメントを引き起こさない最も大切なことだと思います。
コロナハラスメント 最後に
コロナハラスメントについて、実例を挙げて書いてみました。
未知のウィルスであるコロナウィルス。
恐怖や不安にかられるのは当然のことです。
そして、コロナウィルスに感染する確率は、みんな等しい。
コロナに感染した人を避けたり、無視したりするのではなく、明日は我が身と思うことでコロナハラスメントはきっと防げるはずだと思います。