映画「朝が来る」 感想│子供を生み育てることが出来る幸せ

こんにちは。

はるき ゆかです。

映画「朝が来る」の感想です。

原作は辻村深月。

未婚の母となった少女と子供を授かることが出来なかった女性の物語です。

最後の可愛い一言のセリフで救われます。

映画「朝が来る」の感想 はじめに

赤ちゃん

登場人物

栗原佐都子/永作博美
子供が授からず、不妊治療をしているが、穏やかに暮らす仕事を持つ清和の妻。TVで「特別養子縁組」のことを知り、『ベビーバトン』を訪ねる。

栗原清和/井浦新
佐都子の夫。無精子症だとわかり、子供を一旦諦めるが「特別養子縁組」という制度を知り、養子を迎えることを佐都子と共に決意。

片倉ひかり/蒔田彩珠
栗原夫妻の養子・朝斗の実母。中学生で妊娠し、浅見静恵が主催する『ベビーバトン』で出産。

浅見静恵/浅田美代子
特別養子縁組の橋渡しをする団体『ベビーバトン』の代表。

栗原朝斗/佐藤令旺
栗原夫妻の息子。6歳。『ベビーバトン』で特別養子縁組を行った子供。

麻生巧/田中偉登
片倉ひかりの恋人で、朝斗の実の父親。

片倉貴子/中島ひろ子
ひかりの母。ひかりの妊娠に取り乱すが、ひかりの将来のために心を決める。

片倉勝/平原テツ
ひかりの父。

片倉美咲/駒井蓮
ひかりの姉。

浜野剛/利重剛
ひかりのアルバイト先の新聞店の店主。

あらすじ

一度は子どもを持つことを諦めた栗原清和と佐都子の夫婦は「特別養子縁組」という制度を知り、男の子を迎え入れる。それから6年、夫婦は朝斗と名付けた息子の成長を見守る幸せな日々を送っていた。ところが突然、朝斗の産みの母親“片倉ひかり”を名乗る女性から、「子どもを返してほしいんです。それが駄目ならお金をください」という電話がかかってくる。当時14歳だったひかりとは一度だけ会ったが、生まれた子どもへの手紙を佐都子に託す、心優しい少女だった。渦巻く疑問の中、訪ねて来た若い女には、あの日のひかりの面影は微塵もなかった。いったい、彼女は何者なのか、何が目的なのか──?

[引用元]映画「朝が来る」公式サイトSTORY

【監督】河瀨直美

【原作】辻村深月

(2020年公開)

子供を生み育てること

母に抱かれる子供

女性は「生む性」であることから、精神的にも肉体的にも男性より強いと言われています。

瞬発力では男性にはかないませんが、持久力や忍耐は女性の方が遥かに上回っています。

過酷な不妊治療

私自身の友人の中にも、不妊治療をしている人が何人もいます。

経済的にも肉体的にも、その苦しみはとても大変なものだそうです。

本作「朝が来る」の主人公・栗原佐都子(永作博美)と夫の清和(井浦新)は、経済的には余裕のある夫婦ですが、不妊治療は精神的にもとても厳しいものでした。

検査を受けると、夫の清和が無精子症だとわかります。

初めから自然妊娠はかなわないものだったことがわかったのです。

佐都子は、二人で幸せに行きていこうと言い、今までの穏やかな生活が戻ってきました。

しかし、ある日二人は、TV番組で「特別養子縁組」のことを知ります。

養子縁組をするかどうかより、一度見学に行ってみようということになりました。

ゆか
ゆか

子供が出来ない夫婦にとっては、特別養子縁組も良い方法だと思います。育てられない親から生まれた子供を、施設ではなく家庭の中で育てられるのです。

14歳の少女の妊娠と出産

少女

片倉ひかり(蒔田彩珠)は、中学一年生で卓球部員の普通の女の子です。

そんな彼女のことを、バスケットボール部の人気者の男子・麻生巧(田中偉登)が自分のことを好きらしいと聞いて舞い上がります。

幼い二人の恋

中学生らしい幼い恋をしていた二人。

しかし、ある日、巧の部屋で二人は結ばれます。

それも、幼さゆえの、ある意味軽はずみな行為でした。

中学一年生のひかりは、まだ初潮を迎えていなかったのですが、妊娠してしまいます。

ちょうど初潮を迎えるタイミングで、妊娠してしまうこともあるようです。

気がついたときにはもう中絶することも出来ない時期に入っていました。

そして、ひかりの母・片倉貴子(中島ひろ子)は、未婚で出産する女性を保護してくれる団体『ベビーバトン』で出産させることにします。

お腹の子の父親である巧は、ただ「ごめん」と言って泣くだけ…。

この少年にもある程度、なにか責任を取らせないと身にしみないはずなのですが、世間体を気にするひかりの両親は堕ろしたことにするのでした。

ゆか
ゆか

男の子にとっては、ちょっとした過ちでしかないのでしょうね…。もし、堕胎していることにしたとしても、ひかりと一緒に軽はずみな自分たちの行動を巧にも反省してもらいたいです。

親はどうしても世間体を気にするものです。

しかし、まるでなかったことのようにするのは、幼い二人にとって良いことではないと思います。

これから先のひかりの苦しみを考えたら…。

特別養子縁組団体『ベビーバトン』

広島にある特別養子縁組団体『ベビーバトン』の代表は、浅見静恵(浅田美代子)という女性が務めており、ここにはいくつかのルールがあります。

子供は男女を選べないので名前を2つ考えておく

子供自身に必ず養子であることを伝える

養子を迎えた親は、出来るだけ小学校に上る前に、本人にも周囲にも養子だと伝えておかなければなりません。

小さいうちに知らせておくことは大切なことかも知れません。

子供は、自分にはお母さんが二人いるのだと伝えておけば、思春期頃に初めて知って傷つくこともありません。

いろんなことがわかってくる前に、自分が養子だということを教えて、その上で愛情を注いでいけば親子の絆が崩れることはないはずです。

特別養子縁組

手をつなぐ夫婦

広島で生まれたひかりの子供を、特別養子縁組で引き取ることになったのが栗原夫妻でした。

実母に会って

あまりないことのようですが、栗原夫妻は、養子にする子供の実の母親に会うことにします。

子供は男の子だったので、朝斗と名付けられました。

そして、実母のひかりは涙を流しながら「ごめんなさい。ありがとう」と繰り返します。

ひかりはとても純朴な可愛い女の子でした。

ひかりは赤ちゃんを手渡した佐都子に、手紙を渡します。

どんな事情があったのかは、栗原夫妻にはもちろん伝えられませんが、とてもいい子だと感じられる少女でした。

そして、佐都子は「朝が来た」と思います。

そこには、今までの辛い不妊治療や周囲からのプレッシャーなどをくぐり抜け、やっと「我が子」朝斗を胸に抱きしめた佐都子の素直な気持ちがありました。

ひかりは、朝斗にとって「広島のお母ちゃん」になりました。

大切に育てられる朝斗

朝斗を引き取って6年目の頃に、幼稚園から朝斗がお友達をジャングルジムから押して怪我をさせたと連絡が入ります。

しかし、朝斗は「僕、やってない」と言います。

佐都子は、その朝斗の言葉を信じます。

相手のソラくんのお母さんは、治療費や病院へのタクシー代など支払ってほしいというのですが、佐都子は朝斗がやったとは思っていないので拒否するのですが…。

ママ友たちからは非難の目で見られてしまいます。

結局、ソラくんが嘘をついていたことが後でわかり、佐都子は朝斗を信じてよかったと思うのでした。



佐都子は強いなぁと思いました。

朝斗の言葉をちゃんと信じられるのは、このときもう朝斗との親子の絆は完全に築かれていたのです。

ゆか
ゆか

ママ友に無視されたりすることは、お母さんにとってかなり精神的に厳しいものですよね。しかし、佐都子はやはり朝斗を信じてよかったのです。

別人のようなひかり

暗闇

少し前から、佐都子は無言電話に悩まされていました。

週に一回から、一日一回…と、このところ増えてきているようです。

無言電話の相手はひかり

そして、ある日、電話の相手は「子供を返してください。それがだめならお金をください」と言います。

電話の相手は、あの広島で会った少女なのでしょうか?

佐都子は、その電話の相手に夫婦で会うことにしました。

しかし、そこに現れた女は、あの日会った少女とは別人でした。

「一体、あなたは誰なんですか?」

あえて言う、女の子は損

ひかりは、栗原夫妻に子供を手渡してから、さまざまな苦労や裏切り、辛い経験を重ねていきます。

こんなとき、女の子は損だなと思う部分です。

子供の父親である少年は、何も苦労もなく高校に進学しているのです。

ゆか
ゆか

身も心もボロボロになったひかり。中学生だからと言って、何の責任も取らなくていいのでしょうか。ひかりはこんなに辛く苦しい思いをしているのに。

期待の若手女優・蒔田彩珠

本作で片倉ひかり役を演じた蒔田彩珠(まきたあじゅ)さん。

演技がとても自然で、観ていると心底辛くなってきます。

なぜ、ひかりだけがこんなに悲しい思いを背負わなければならないのかと…。

まるでドキュメンタリー映画を観ているのかと錯覚するほど、自然な演技をされていました。

蒔田彩珠について

蒔田彩珠さんは、7歳で子役デビュー。

是枝裕和監督作品の常連でもあり、「海よりもまだ深く」「三度目の殺人」「万引き家族」に出演。

今回、河瀨直美監督の本作でも、片倉ひかり役で素晴らしい演技力を発揮しています。

同世代の女優で、ひかりを演じられるのは蒔田彩珠の他にいないのではないでしょうか。

これから、大注目の若手女優だと思います!

映画「朝が来る」の感想 最後に

映画「朝が来る」の感想でした。

永作博美ファンの私にとっては、永作さんの魅力は言うに及ばず、ベビーバトンの代表・浅見静恵を演じた浅田美代子さんも素晴らしかった!

蒔田彩珠さんの自然な演技も圧巻でしたし、女優陣が素晴らしい作品です。(原作が女性がメインということもあり、井浦新さんの優しくてあたたい演技も素敵でしたが)

そして、本作はエンドロールが流れても、決して席を立たずに、最後までご覧になってください。

最後まで観ずに席を立つと、重く暗い気持ちのままで映画館を出ることになります。

最後の一言に、本当に救われ、あたたかい気持ちになれる映画です!




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朝が来る

以下に辻村深月さんの原作をご紹介します。

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