映画「彼らが本気で編むときは、」感想|静かに物語が流れる心地よさ

映画「彼らが本気で編むときは、」の感想です。

トランスジェンダーのリンコの美しさと優しさに感動。

そして、母と子、母性とは何なのかを考えさせられました。

「彼らが本気で編むときは、」 あらすじ

母親が家を出てしまい置き去りにされた11歳のトモ(柿原りんか)が、おじのマキオ(桐谷健太)の家を訪ねると、彼は恋人のリンコ(生田斗真)と生活していた。トランスジェンダーのリンコは、トモにおいしい手料理をふるまい優しく接する。母以上に自分に愛情を注ぎ、家庭の温もりを与えてくれるリンコに困惑するトモだったが……。(C) 2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会

[引用元]Amazonプライムビデオ「彼らが本気で編むときは、」あらすじ

【監督】荻上直子

登場人物

リンコ/生田斗真

マキオ/桐谷健太

トモ/柿原りんか

ヒロミ/ミムラ

フミコ/田中美佐子

ナオミ/小池栄子

カイ/入江海翔

想像力の欠如した人が人を傷つける

トランスジェンダーの人を差別する人は、ほぼ、想像力の欠如した人だと思います。

もし、自分の身体が、自分の心とは異なる性だった場合、どんな気持ちになるだろう?と想像することは、それほど難しいことではないと思います。

私の友人の場合

私の友人にも、トランスジェンダーの人がいます。

彼女は、身体は男性ですが、心は女性です。

お料理が上手で、きれい好きで、すごく可愛い子です。

彼女とは職場が同じだったのですが、初めは男性として入社してきました。

しかし、お弁当はいつも手作りだし、怖いは話が苦手で、カラオケで歌う歌はいつも女性歌手の曲。

本を貸してあげたら、お礼に手作りクッキー(これがまた美味しいんです!)です。

 

なんとなく、みんな、もしかしたら…と思っていた頃、彼女から相談を受けました。

私は「カミングアウトした方が、気持ちが楽になるんじゃない?」と言いました。

そして、私からみんなに話してほしいと言われ、みんなに話しました。

すると、その職場は、みんな「やっぱりそうなんだ!」と、普通に受け入れることが出来る人ばかりでした。

 

上司は、少し驚いていたみたいですが、会社自体も特に問題にすることはありませんでした。

 

最近では、あまり差別する人も多くないと思いますが、全くいないわけでもないのが現実。

いろいろな「母」

本作には、さまざまな「母」が出てきます。

リンコの母

リンコ(生田斗真)の母、フミコ(田中美佐子)は、リンコが子供の頃から、トランスジェンダーだと気づいており、それをとても自然に受け入れてくれるおかあさんでした。

リンコが中学生になったときには、ブラジャーを買ってくれますし、手編みのパットを作ってくれます。

母親に受け入れられたリンコは、とても幸せだと思います。

不自然に隠したりしなかったからこそ、リンコは、マキオ(桐谷健太)のような素敵な男性に巡り会えたのだと思います。

トモの母

11歳のトモの母・ヒロミは、いわゆる「母の前に私は女」というタイプの母親です。

マキオの姉です。

トモには、毎日コンビニのおにぎりとカップのお味噌汁を与え、食事を作ることはほぼありません。

そして、ときどきお金を置いて、男と家を出ていったりします。

しかし、母性が全くないのかといえば、そういうわけでもないのです。

トモの母親は、自分だけだという気持ちは強いようです。

 

何だか身勝手ですが、本当の母親というのは子供にとって一番なのです。

マキオの母

マキオの母親・サユリ(りりぃ)は、老人ホームに入居しています。

昔、夫が浮気をしていて、家を出ていきました。

その悔しさに耐えるために、サユリは編み物をしていたといいます。

マキオの母は、ヒロミの母でもあります。

マキオが言うには、母はヒロミに特に厳しかったようです。

 

サユリの夫は、亡くなってから家に戻ってきました。

カイの母

カイの母・ナオミ(小池栄子)は、ある意味、一般的な母親なのかもしれません。

リンコのことを、「変な人」と言います。

ナオミの息子のカイは、小学生でトランスジェンダーです。

六年生の先輩男子に恋をしています。

ナオミはそれを絶対に認めない。

母親としては、とても複雑な思いであることはわかりますが…。

そして、カイは自ら命を絶とうとしてしまいます。

 

リンコの母・フミコのような人の方が、少ないのかもしれませんね。

リンコ

トモを預かっているうちに、リンコは、トモが可愛くて仕方なくなってしまいます。

リンコは、身体は女性に変更していますが、戸籍はまだ男性のままです。

そのため、戸籍を女性に変えたらマキオと結婚して、トモを養子にしたいと思っているのです。

リンコは、とても母性本能が強い人です。

 

リンコさんなら、きっといいお母さんになれそうですが、悲しいことに、リンコさんは子供を生むことはできないのです。

美しく優しいリンコ

生田斗真さん演じるリンコが、本当に美しいです。

男性としても、標準より身体の大きい生田さんですが、女性らしいしぐさや立ち居振る舞いにわざとらしさが全くなく、とても女性らしくてきれいです。

生田斗真さんは、野性的な役もうまいですが、こんなに繊細で優しい女性の役も出来るとは、本当に素晴らしい。

ヒロミがまた出ていった

トモの母・ヒロミが、男を追いかけ、また家を出ていってしまいました。

そして、トモはマキオの元でしばらく暮らすことになります。

トモが久しぶりにマキオの家に行ったら、リンコがいました。

マキオとリンコは、今、同棲中なのです。

 

リンコは、トモを快く受け入れ、美味しい手料理を振る舞ってくれるのです。

美味しい手料理

リンコさんは、お料理がとても上手です。

栄養バランスの取れた料理を、マキオとトモに毎日作ってくれます。

さらに、トモには、可愛いキャラ弁を作ってくれます。

 

やはり、料理は愛情も必要なんですね。

編み物

リンコさんは、毎日編み物をしています。

カラフルでいろんな形の筒状の袋をたくさん編んでいます。

これは、あるものを表しているのです。

そして、リンコはそれを108個編んだら、海で燃やすつもりだと言います。

108というのは、煩悩の数です。

リンコが怪我をした

リンコが、怪我をして入院することになりました。

しかし、男性専用の大部屋です。

マキオは、断固として女性部屋に入れてくれと言いますが、病院では「保険証が男性だから無理」の一点張りです。

リンコさん、もう、戸籍上も早く女になってしまいましょう!

それには、せっせと編み物をしなければならないのです。

児童相談所が来る

誰か(おそらくナオミ)から、児童相談所に「トモさんが生活する環境として好ましくない」と通報され、児相がマキオの家にやってきます。

それは、リンコさんが一緒だから。

これだけ愛情を注いでいるのに、リンコさんにとっては、本当に悲しいでしょうね…。

トモが実際に辛い思いや痛い思いをさせられているのを見たわけでもないのに、児相に通報するとは、偏見がすごい

トモの母への気持ち

トモは、やはり、すぐに出ていってしまう母でも、母が恋しいようです。

本当のお母さんには、やはり誰も勝てないのです…。

リンコは、そんなトモに、少しショックを受けますが、そんなトモの気持ちもきちんと受け入れてくれます。

 

いつか、リンコさんがお母さんになれる日が来ますように。

最後に

映画「彼らが本気で編むときは、」の感想でした。

映画を観る前は、生田斗真が女性役?!と、かなり驚きましたが、全く違和感ありませんでした。

本当に、素晴らしい俳優さん!

繊細で細やかな仕草、女性より女性に見えました。

 

ラストシーンのリンコさんの涙に、涙が溢れます。

 

本作は、セリフがとてもゆったりと丁寧に交わされるのが、とても心地よい映画です。

一つ一つのセリフをとても大切にされていることが伝わってきます。

ぜひ、おすすめの映画です!

 


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