こんにちは。
はるき ゆかです。
映画「シャッターアイランド」の感想です。
閉ざされた島。
最後に待ち受けている驚愕の事実に、思わず声が出てしまいました。
ここでも、戦争による人間への精神的苦痛がどれほど大きいものかを思い知らされます。
「シャッターアイランド」 あらすじ
精神を病んだ犯罪者だけを収容し、四方八方を海に囲まれた「閉ざされた島(シャッターアイランド)」から一人の女が姿を消した。島全体に漂う不穏な空気、何かを隠した怪し気な職員たち、解けば解くほど深まる謎……。事件の捜査に訪れた連邦保安官テディがたどり着く驚愕の事実とは!?
[引用元]Amazonプライムビデオ「シャッターアイランド」あらすじ
1954年、ダニエルズ保安官とオール保安官が、船でシャッターアイランドにたどり着く。このシャッターアイランドには精神を病み、他の病院では手に負えない患者を集めて収容している。その中の患者の一人、レイチェル・ソランドが姿を消してしまった。部屋には鍵がかけられ、窓には鉄格子。それなのに、レイチェルは、まるで煙のように消えてしまったのだ。
登場人物
テディ・ダニエルズ/レオナルド・ディカプリオ
チャック・オール/マーク・ラファロ
ジョン・コーリー医師/ベン・キングズレー
ドロレス・シャナル/ミシェル・ウィリアムズ
レイチェル・ソランド/エミリー・モーティマー
ジェレミア・ナーリング医師/マックス・フォン・シドー
ジョージ・ノイス/ジャッキー・アール・ヘイリー
アンドリュー・レディス/イライアス・コティーズ
エセル・バートン/パトリシア・クラークソン
レイチェル・ソランドの行方
この閉ざされた島ーシャッターアイランドーにあるアシュクリフ精神病院から逃げ出した女性、レイチェル・ソランド。
彼女は、三人の子供を湖に沈めて殺害しましたが、まだ生きていると思い込んでいます。
この島の住人(患者)は、ほとんどが殺人犯です。
その逃げ出した殺人犯であるレイチェルを探し出すために、テディ・ダニエルズとチャック・オールの二人の保安官がこの島にやって来ました。
レイチェル・ソランドが収容されていた部屋に、小さなメモが残されていました。
LOW OF 4(4の法則)
WHO IS 67 ?(67は誰?)
これは一体何を意味するのでしょうか。
レイチェル・ソランドはどこに行ってしまったのでしょうか。
島には、かなりの数の警備員がいて、島の外に逃げ出すことは不可能に見えます。
映画の導入部分から、何か違和感を感じます。
それが何なのか、物語が展開するにつれ少しづつ明かされていきます。
シャッターアイランドの医師たち
![prison](https://yuka-haruki-blog.site/wp-content/uploads/2021/10/photo-1618620864043-896c2d11c7fc-e1633305010262.jpg)
シャッターアイランドの医師は三人。
休暇中で島を出ているのがシーアン医師で、今、島にいるのは、コーリー医師とナーリング医師の二人です。
テディが、医師二人の資料を見せてほしいというと、何故か拒否されてしまいます。
そして、テディは、このあとの捜査はFBIがやるので自分たちは明日フェリーでここを出ると告げます。
医師たちは、何かを隠しているようです。
そして、シャッターアイランドには、嵐が訪れて…。
医師たちの不審な行動。
しかし、これにも意味があるのです。
テディの過去
テディは戦争中、ドイツのダッハウ強制収容所の解放に参加していました。
強制収容所の外には、たくさんの遺体がありました。
そして、米軍の兵士たちは、降伏した敵のドイツ兵を並ばせ、次々に銃を打ち込んでいったのです。
テディは、戦争中何人もの人を殺害してしまったことをずっと後悔しています。
戦争に行ったことで、テディは心に大きな傷を抱えていました。
さらに、テディは火事で妻と三人の子供を亡くしているのですが…。
アンドリュー・レディス
テディは、シャッターアイランドの仕事が来たときに、自分から志願してこの島にやって来たと言います。
妻と子供たちを殺害したアンドリュー・レディスを見つけるために。
テディは、妻と子供たちが亡くなったとき、レディスがテディのアパートに電気の修理に来ていて、自分たちの家に放火したと確信しているようです。
レディスは、学校に放火したこともあり、一旦は刑務所に入りましたが、その後、このシャッターアイランドにつれてこられたというのです。
テディは、患者たちと面談する際に、必ず「アンドリュー・レディスを知っているか?」と聞きますが、みな怯えたように「知らない」と繰り返します。
このシーンも、テディのどこか異様な行動に心がざわつき、もしかしたら?と思い始めました。
ジョージ・ノイス
ジョージ・ノイスという人物は、大学生のとき、アルバイトで心理学の実験台になることを引き受けました。
その実験中に、ジョージ・ノイスは、教授を殴り、このアシュクリフ精神病院のC棟(最も凶暴な患者が入る棟)に入れられたとテディはいいます。
実際に、ジョージ・ノイスに面会に行き、本人から聞いたと言うのです。
その一年後、ノイスは退院しましたが、あるバーで三人を殺害。
終身刑を言い渡されます。
そして、テディは、ノイスから、アシュクリフ精神病院では精神を操る実験をしていると聞いたと言うのです。
テディは、相棒のチャックに、ここで行われている実験を暴くと言うのですが…。
話しの辻褄が合わなくなってきています。
テディの目的は一体何なのでしょうか。
67番目は誰か?
アシュクリフ精神病院には、A棟とB棟に42人、C棟に24人の患者が収容されています。
現在、この病院の患者数は66人。
Who is 67 ?の67は、患者数であと1人どこかに患者がいるということだとテディは言いますが、病院関係者には鼻で笑われるだけです。
レイチェル・ソランドが見つかった
テディとチャックが捜していたレイチェル・ソランドが、灯台の近くで見つかったと医師に聞かされるテディ。
レイチェルと面会したテディは、彼女が自分の子供がまだ生きていると思っていることを知ります。
そして、レイチェル・ソランドは、テディを自分の夫・ジムだと勘違いしています。
しかし、ジムは戦死しているようで、取り乱すレイチェルを見て、テディは持病の偏頭痛を起こすのですが…。
薬を飲んで寝かされたテディは、奇妙な夢を見ます。
ダッハウ強制収容所でのこと、レディスが目の前に現れたり、殺人を犯したあとのレイチェルを見たり、湖に子供の遺体を沈めたり…。
ハッとして目が覚めたテディの前に現れたのが、亡くなったはずの妻・ドロレス。
テディは、ドロレスに「レディスを見つけて」と言われ、夢の中でまた夢を見ていたようです。
次に、テディが本当に目覚めたとき、シャッターアイランドは嵐が吹き荒れ、患者たちを避難させる病院スタッフたちが右往左往していました。
夢の中で夢を見る?
これは…。
C棟に入るテディとチャック
嵐のために、病院の外堀に張り巡らされた電気系統が全てだめになってしまったようです。
C棟の危険な患者たちが逃げ出してしまいました。
テディとチャックは、初めてC棟の中に入ります。
チャックは、取り乱して怪我をした患者を医師に見せるために外に出るのですが、テディはC棟に1人残ります。
重症の精神疾患に罹った患者が多いC棟には、ジョージ・ノイスが隔離されていました。
刑務所に入ったはずの彼がどうしてここにいるのか。
島には、灯台があり、そこではロボトミー手術が行われているとジョージは言います。
そして、ジョージに、「この島で会った人間は、チャック保安官も含め全て初めて会った人間だったはずだ」とテディは言われ、混乱します。
そこには、またドロレスが現れ…。
真実はどこに?
本作を観ていると、何が夢なのか、片頭痛の薬のせいなのか、何が真実なのかがだんだんわからなくなっていきます。
怪我をした患者を診察に連れて行ったチャックに、67人目の患者・レディスの記録があったと言われるのですが、写真も診察経過を記載したものもなく…。
そして、灯台に1人で向かったテディは、灯台に登る途中の岩穴に、1人の女性を発見します。
その女性はもともとアシュクリフ病院の医師だったのですが、ロボトミー手術や精神薬に疑問を持ち始め、人体実験をしていることに反対したら、精神を病んでいることにされてしまったと言います。
そして、それ以来、その岩穴で住んでいます。
この島の医師、看護師、看護助手、みんなが人体実験をしていることを知っているというのです。
彼女は、テディに質問します。
ここに来て、何か薬を飲まされた?
タバコは自分が持ってきたものだけを吸っている?
白日夢や幻覚を見ていない?…と。
そして、「ここにあなたの仲間はいない」
テディは、何度か片頭痛の薬をもらって飲んでいるし、タバコももらっていますし、亡くなった妻の姿を見たり…と、幻覚を見ています。
全て当てはまっているのです。
テディの告白
テディは、ダッハウ強制収容所の解放に参加したり、戦争で何人も人を殺害したり、妻子を亡くしていたり…。
心にたくさんのトラウマを抱えています。
そんなテディが、最後に「ある告白」します。
テディは、操られているのか。これは夢なのか。それもまた夢なのか…。
テディ・ダニエルズとは一体、誰なのでしょうか?
精神疾患の治療の現実
かつて、精神を病んだ人々が、ロボトミー手術を受けさせられていたことは事実です。
今は、ロボトミー手術は非人道的であるとされていますが、当時はノーベル賞を取るほど評価された治療法でした。
そして、今は良い薬が開発されていますが、当時の患者は、副作用の強い薬物療法を受けていたとも言われています。
本作は、とても怖い映画です。
人の精神やそれを診断する医師とのやりとり、それらの方法が少しづつ解き明かされ、最後に衝撃の真実を知らされます。
少しづつ真実が明かされ、じわじわとした恐怖が襲ってきます。
そして、最後のテディのセリフを、あなたはどう解釈しましたか?
最後に
映画「シャッターアイランド」の感想でした。
私自身も、夢の中で飛び起きたらまだ夢の中だったという夢をときどき見ます。
白日夢や幻覚を見ることはありませんが、本作のテディの恐怖をとても実感できましたし、強く伝わってきました。
観る人によって結末の解釈が変わってくる映画だと思います。
また、複数回観ると、ちょっとした目線や感情の動きとセリフの意味を理解することが出来ます。
あまり、気持ちの晴れないときには観ない方が良いと思いますが、あなたの感想をぜひ、聞かせてください。
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本ページの情報は2021年10月時点のものです。
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シャッター アイランド (字幕版)