映画「セブン」 感想|七つの大罪の「嫉妬」と「憤怒」とは

落ち葉と本

こんにちは、はるき ゆかです。

映画「セブン」の感想です。

1995年公開の大ヒット映画で、主演はブラッド・ピットとモーガン・フリーマン。

キリスト教の「七つの大罪」をモチーフとして、猟奇殺人が繰り返されていきます。

結末は救いのないものですが、名作映画です。

映画「セブン」の感想 はじめに

あらすじ

2人の刑事が追うのは、怜悧な頭脳を持つしたたかな連続殺人鬼。男は七つの大罪のいずれかに該当する者を狙い、おぞましい殺人を繰り返していた。そして最後には観る者の心を食い破る、驚愕のクライマックスが待つ。Eirin Approved (C)1995 New Line Productions, Inc.(C) 2010 Warner Bros. Entertainment Inc, All rights reserved.

[引用元]Amazonプライムビデオ「セブン」あらすじ

治安の悪いある街。退職まであと一週間を残すところとなったベテラン刑事サマセットと新人刑事のミルズ。サマセットの退職まで、バディを組むことになった二人。最初の殺人は、異常な肥満体の男がパスタに顔を突っ込んで死んでおり、現場の冷蔵庫の裏に、「GLUTTONY(大食)」と油で書かれていた。事件のはじまりを意味するメモと共に。

【監督】デビッド・フィンチャー

(1995年公開)

登場人物

デビッド・ミルズ刑事/ブラッド・ピット

ウィリアム・サマセット刑事/モーガン・フリーマン

トレイシー・ミルズ/グウィネス・パルトロー

ジョン・ドゥ/ケヴィン・スペイシー

七つの大罪

七つの大罪とは、キリスト教の教えで、

①「GLUTTONY(大食)」
②「GREED(強欲)」
③「SLOTH(怠惰)」
④「LUST(肉欲)」
⑤「PRIDE(高慢)」
⑥「ENVY(嫉妬)」
⑦「WRATH(憤怒)」

を禁じられています。

七つの大罪を扱った文学

ダンテの「神曲」、チョーサーの「キャンタベリー物語」、ミルトンの「失楽園」など。

ジョン・ドゥは、これらの書物を読み込み、『七つの大罪』を自分の殺人のモチーフとしていました。

しかし、5つ目の殺人までは謎が明かされていますが、あとの二つについては、ミルズとサマセットにとってあまりにも残酷な結末となります。

ジョンの連続殺人の目的は一体何だったのでしょうか。

結局、それはわからないまま物語は終わりを迎えます。

二人の主演俳優

本作の主演は、ブラッド・ピットとモーガン・フリーマン。

二大人気俳優のW主演です。

ブラッド・ピット

新人刑事としてこの危険な街に自ら志願してやって来たデビッド・ミルズ(ブラッド・ピット)は、正義感と功名心に満ち溢れています。

妻のトレイシー(グウィネス・パルトロー)は、この危険な街で働く夫が心配でなりません。

観ている私たちでさえ、不安にさせるほど手柄を立てることに心がはやるデビッドは、とても危うい雰囲気を漂わせています。

本作では、かなりワイルドな雰囲気のブラッド・ピットですが、このとき32歳です。

残酷で猟奇的な物語ではありますが、ブラッド・ピットのカッコよさは健在。

モーガン・フリーマン

ともすれば、暴走しかねないミルズをうまくコントロールしてくれるのが、ベテラン刑事ウィリアム・サマセット(モーガン・フリーマン)です。

定年まで一週間を残すのみとなった刑事役ですが、最後にこれほど怖ろしい事件に遭遇するとは…。

理知的で落ち着いた演技が、渋くて素敵でした。

ウィリアムは、独身です。

愛する人がいて一緒に暮らしていたのですが、子供を作ることが出来ませんでした。

それほどこの街は、危険と隣り合わせなのです。

ジョン・ドゥ

『ジョン・ドゥ』とは、身元不明の遺体に仮につける名前のことです。

以前、『ジェーン・ドゥの解剖』という映画を観ましたが、女性の身元不明者にはジェーン・ドゥと名付けられます。

本作に置いて、この『ジョン・ドゥ』とは犯人のことなのですが、彼の本名、経歴、職歴などは一切不明です。

そして、二人が関わってしまったこの犯人は、狂った猟奇殺人鬼というより、一見、常識的な人物に見えます。

もちろん、猟奇殺人を犯す時点で、常識的とは言えないのですが…。

ジョン・ドゥ(ケヴィン・スペイシー)は、落ち着いた行動と知性と経済力を兼ね備えた人物ですが、ある意味「楽園」の住人であるミルズにENVY(嫉妬)しています。

ミルズは、仕事に希望と野心を持ち、美しい妻とお腹の中の子供(この時点ではミルズは妻の妊娠は知らない)と幸せに暮らす未来がありました。

そして、楽園から引きずり出されたミルズ刑事自身が、ジョンの計画を完遂させることになるのです。

それが、どのように行われるのかは、ぜひ映画を観て確認してみてください。

最後に

映画「セブン」の感想でした。

本作「セブン」は、今回3回目の鑑賞ですが、何度も見ていくうちにこの映画が暗示していることが徐々に見えてきます。

25年前の映画ですが、これからも再鑑したい映画の一つです。

私はミッション系の大学で英米文学を専攻していたので、『七つの大罪』については知っていました。

しかし、初めて観たときはわからなかったことが、今観ると理解できることがたくさんあります。

特にダンテの「神曲」やミルトンの「失楽園」、チョーサーの「キャンタベリー物語」について深い知識がなくても楽しめますが、大まかな内容を調べてから観ると、さらに気づくことが多くあると思います。

本作は、一度だけでなく何度も観たくなる、おすすめの映画です。

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本ページの情報は2021年4月時点のものです。
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