映画「窮鼠はチーズの夢を見る」感想|主演・大倉忠義 愛は性別ではなく 

こんにちは。

はるき ゆかです。



映画「窮鼠はチーズの夢を見る」の感想です。

私にとっては、いろんな意味でかなり衝撃的な映画でした。

愛の形はさまざまで、今ヶ瀬渉の恋は苦しくなるほど一途でした。

原作は、水城せとな「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」です。

映画「窮鼠はチーズの夢を見る」感想 はじめに

あらすじ

学生時代から「自分を好きになってくれる女性」と、受け身の恋愛ばかりを繰り返してきた大伴恭一。ある日、大学の後輩・今ヶ瀬渉と7年ぶりに再会。「昔からずっと好きだった」と突然想いを告げられる。戸惑いを隠せない恭一だったが、今ヶ瀬のペースに乗せられ、ふたりは一緒に暮らすことに。ただひたすらにまっすぐな想いに、恭一も少しづつ心を開いていき…。しかし、恭一の昔の恋人・夏生が現れ、二人の関係が変わり始めていく。(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会

[引用元]Amazonプライムビデオ「窮鼠はチーズの夢を見る」あらすじ

【監督】行定勲
   ・
【原作】水城せとな

(2020年公開)

登場人物

大伴恭一/大倉忠義
広告代理店のサラリーマン。もともとは既婚者で子供はいない。優柔不断で流されやすく好きになられると拒めない。そのため、ずるずると不倫を繰り返していた。優しく温厚で高収入の「非の打ち所がない夫」ではあるが、自分から相手を求めることがないため、離婚される。

今ヶ瀬渉/成田凌

恭一の大学の後輩で、サークルも同じ。2年後輩。ゲイで、大学のサークルに勧誘されたときに、恭一に一目惚れして以来、ずっと恭一に想いを寄せている。興信所の調査員。恭一の妻・知佳子から浮気調査を依頼されたのをきっかけに、恭一に告白。粘着質でストーカー気質。ゲイではない恭一をゲイの世界に誘い込んだことを負い目に想い、いつか離れていくのではないかと不安に思っている。

岡村たまき/吉田志織

恭一の部下。父親はこの会社の常務。常務の「妾の子」。会社には実力で入社。恭一と婚約するが、別れを告げられる。恭一の元恋人は女性だと思っている。

夏生/さとうほなみ

恭一とは同じ大学のサークル仲間で元恋人。しっかりもののサバサバした女性で、独身。

大伴知佳子/咲妃みゆ

恭一の元妻で専業主婦。恭一が自分に興味を持ってくれないことに失望し、離婚を有利にするために興信所に不倫調査を依頼する。最終的には自分の気持ちを恭一に話し、離婚する。

井手瑠璃子/小原徳子

恭一の不倫相手。取引先の会社の社員。

渉の友達/小柳友

渉の友達。ゲイ。

常務/国広富之

恭一の会社の常務。結婚しているが婚外子がおり、それがたまきである。

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優柔不断で優しい男・恭一を巡る恋愛模様

大伴恭一(大倉忠義)は、今までずっと「愛してくれる人にただ流されるまま恋をしてきた」人です。

見た目の美しさと穏やかな性質、仕事が出来て高収入、そんな恭一に恋をする女性は多いと思います。

恭一は、取引先相手の会社の女性と不倫しています。

結婚していてもいいからという女性の言葉に流されたようです。

恭一の前に突然現れた今ヶ瀬渉

恭一の妻・知佳子から浮気調査を依頼されていたのは、恭一の大学の後輩・今ヶ瀬渉(成田凌)でした。

今ヶ瀬は今、興信所の調査員なのです。

そして、7年ぶりに恭一の前に現れた今ヶ瀬は、恭一の浮気現場を押さえた証拠写真を持っていました。

「黙っていてくれないか」という恭一に、今ヶ瀬が出した条件はキスをすること。

今ヶ瀬は、「大学のときから先輩が好きでした」と告白。

初めは、無理だと言っていた恭一ですが、結局は流されて今ヶ瀬とキスをしてしまいます。



え?

そんなもん?いくら流されやすい性格だとしても…。

確かに愛人との不倫の証拠写真を抑えられているという弱みがありますが。

恭一の離婚

恭一の妻・知佳子(咲妃みゆ)は、何不自由のない生活をしている専業主婦です。

恭一は優しく、高収入で、見た目も素敵な夫。

しかし、恭一は自分から知佳子を求めることがなく、知佳子にとって恭一は「お金を運んできてくれてそれを私が使うだけの関係」だと感じ、言いようのない寂しさに包まれていました。

実際、流されるまま恭一は妻とも「成り行きで結婚した」のです。

妻のご機嫌を取るために

ある日の休日、恭一と知佳子は二人で出かけ、買い物をして食事をし、休日を楽しんでいました。

恭一は妻のご機嫌を取っていたのです。

そして、食事中に突然泣き出した知佳子は「私と離婚してください」

驚いた恭一は、知佳子に近づき「どうして?何があったの?」と。

知佳子は恭一の浮気調査を興信所に依頼していたことを恭一に告げます。

そして、知佳子のもとには、恭一の周辺はとてもきれいなもので、やはり非の打ち所がない「良き夫」であるという調査報告が上がってきていました。

知佳子には付き合っている男性がいて、彼のために別れたいと…。

少しでも恭一に他の女の影あったら、離婚が有利になるだろうと知佳子は思っていたようです。

あろうことか、知佳子自身も浮気をしていたのです。



恭一と知佳子は、あっさりと離婚してしまいます。

恭一は、やはり流されるまま生きる男なのでしょうか。



恭一みたいな人と恋や結婚をすると、辛いだろうなと思います。

恭一自身のつかみどころのなさに、ずっと不安な気持ちでいなければならないなんて…。

今ヶ瀬渉の一途な恋

今ヶ瀬は、ゲイです。

そして、大学に入学したとき、先輩の恭一にテニスサークルに勧誘され、一目で恭一に恋をしてしまったのです。

大学入学したときからずっと恭一が好き

今ヶ瀬は、それから7年間ずっと一途に恭一に恋をしていました。

何人かのゲイの恋人はいますが、やはり本当に好きなのは恭一だけなのです。

この一途さ。

やるせない一途な恋

どれだけ恭一を愛していても、今ヶ瀬自身は、自分とは違う世界の人だということをわかっています。

しかし、半ば脅迫気味ではありましたが、恭一とキスをした今ヶ瀬は歯止めが利かなくなります。

そして、人の気持ちを拒否することが出来ない恭一のことを知っている今ヶ瀬は、どんどん自分の気持ちのまま恭一を求めます。

成田凌の魅力

本作では、成田凌さんの魅力が余すところなく発揮されています。

ベッドシーンも、かなり多いのですが、大倉忠義さんも成田凌さんも、体の線がとてもきれいで、腐女子ではない私でも物語世界にすんなり入ることが出来ました。

それは、成田凌さんのやせ型なのに、どこか丸みを帯びた肩や少しふっくらした少年っぽい頬。すねたときの表情やうれしくて泣きだしそうになる表情が、本当に素晴らしくキュートです。

子猫のような可愛さ。

恭一の部屋の背が高い細いスツールの上でひざを抱えて座るシーンなど、本当に可愛らしいです。

ゲイではないはずの恭一が抱きしめたくなる気持ちがわかります。

成田凌さんは、他の作品でもとても個性的な演技をされる俳優さんですが、本作は特に心が動かされる演技に魅了されました。



成田凌さんは、本作の演技で日本アカデミー賞の優秀助演男優賞を受賞されています。

女が男に負けるわけがない

ある日、恭一は大学時代の元カノ・夏生(さとうほなみ)に偶然再会します。

大学時代も、当然のことながら流されやすい性格だった恭一は夏生のことも、随分と悩ませていたようです。

そして、夏生はその相談を今ヶ瀬にしていました。

恭一は「流され侍」

恭一は夏生に再会して以来、頻繁に連絡をするようになっていました。

その頃、恭一の部屋に転がり込んでいた今ヶ瀬は、こっそり恭一のスマホを覗いていました。

本当に焼きもちを焼く乙女のような今ヶ瀬。



そして、夏生と恭一がタイ料理のレストランで会う約束をしているのを知った今ヶ瀬は、自分のゲイの「友達」を連れて偶然を装いレストランに押しかけます。

ご一緒していいですか?と同席した今ヶ瀬と「友達」。

何も知らない夏生は再会を喜びますが、恭一は微妙な気持ちに…。

夏生と今ヶ瀬は学生時代、恭一のことを「流され侍」と呼んでいました。

好きになってくれた女生に流されて、何となく付き合ってしまうからです。



しかし、恭一は本当に「流され侍」なのでしょうか。

好きになってくれた女性とそれほど愛情もないままフラフラとつきあってしまう。

恭一は、今まで女性を本気で愛したことがないのでは…。




トイレに立った今ヶ瀬は、ドアの前で待っていた恭一から嫌味を言われ、先に帰ってしまいます。

しかし、酔いつぶれた恭一を送って行った夏生が見たのは、恭一の家のドアを開けて出てきた今ヶ瀬。

さっきまで、7年ぶりの再会だと思っていた夏生は、逃げるように帰っていきます。

元カノ・夏生の根拠のない自信

夏生と今ヶ瀬は、あのタイ料理店で対峙していました。

「引いてください」という今ヶ瀬に、夏生は今ヶ瀬がずっと恭一のことが好きだたことを知っていたと言います。



そこに夏生が恭一を呼んでいて、今ヶ瀬の姿に恭一は怒ります。

夏生は「さあ、選んで。どっちを持ち帰りするのか!」と、自信満々です。

男と女なのだ。

女の自分が選ばれるに決まっているという根拠のない自信。

恭一は「普通の男には無理だ」

今ヶ瀬は「はい」と素直に言うのですが、何だか胸が締め付けられました。

「自分は普通じゃない。そして恭一は普通の男なんだ」と。



夏生を選んだ恭一は、二人でホテルに入りましたが、恭一は夏生と愛を交わし合うことが出来ませんでした。

そして、家に帰った恭一は、自分を待っていた今ヶ瀬に初めて自分からキスをするのです。

今ヶ瀬の恋が叶った瞬間でした。

目を逸らしたまま恋は出来ない

恭一と今ヶ瀬は、やはり世間的には、男女の恋人同士のようにつきあうことは難しいようです。

会社の部下・たまき

恭一の会社の部下に、岡村たまき(吉田志織)という女性がいます。

たまきは、恭一のことが好きなようです。

たまきは、常務の婚外子であることを常務自身から聞かされていました。

仕事のことなどで恭一とたまきは関わることが多くなっていきます。

そして、突然常務が亡くなり、その葬儀のとき、婚外子であるたまきは父の側についていることが許されず、雨に打たれて泣きながら外に立っています。

恭一はそっとたまきの肩を抱き…。




今ヶ瀬は、たまきと恭一のことも携帯を覗いて知っていました。

そして、今ヶ瀬は常に持ち続けていた不安な気持ちを恭一にぶつけます。

「僕にはあなたじゃだめだ。ずっと苦しかった」と言って。

たまきと婚約する恭一

今ヶ瀬と別れた恭一は、たまきと婚約します。

一見、幸せそうな二人ですが、たまきは、恭一の家にある灰皿が「元カノ」のもので、とても大切にしまってあることに気づいていました。

この灰皿は、今ヶ瀬のものです。

恭一の相手が、男性の今ヶ瀬だとは、たまきは気づいていません。



今ヶ瀬は少しづつストーカーのようになっていきます。

恭一は、また誰かからの依頼を受けて調査しているのかと思っています。

しかし、今ヶ瀬はただ恭一の側にいたかったのです。

そして、それを受け入れた恭一は今ヶ瀬と再び愛し合います。

今ヶ瀬は「彼女にバレないように会えばいい」と言いますが、恭一はやはり自分が愛しているのは今ヶ瀬だと気づき、「一緒に暮らそう」と言います。

待ち焦がれた恭一からの愛の言葉。

しかし、朝目が覚めると、今ヶ瀬は恭一のもとから消えていました。

恭一の幸せを壊してしまうのが怖かったからです。

自分とは違う世界の人を、こちらに引き込んでしまったことを後悔していました。

待ちたいんだ

恭一は、たまきを呼び出し、婚約を解消してほしいと言います。

たまきは、健気にもその「元カノ」が恭一の心から消えてしまうまで待つと言いますが、恭一は今度こそ流されませんでした。

「もう戻ってこないかもしれないけど、待ちたいんだ」と言って…。



恭一は、本当に人を愛するということを初めて知ったのです。

大倉忠義の魅力

言わずと知れた大人気アイドルグループ関ジャニ∞のメンバーである大倉忠義さん。

もともと俳優としても、ドラマや映画で大活躍でしたが、本作「窮鼠はチーズの夢を見る」は、アイドルとしての枠を飛び越えた素晴らしい演技だったと思います。

これから、俳優としての大倉忠義さんにも注目していきたいと思います!

LGBTQについて考えたことがありますか?

あなたはLGBTQについて、考えたことがありますか?

現代では、同性同士の恋愛について理解が進み、特に男性同士のBoy’s Loveについては「BL」というジャンルの漫画が人気なのも、今ではよく知られています。

LGBTQについて

  • L…レズビアン=女性が女性を愛する
  • G…ゲイ=男性が男性を愛する
  • B…バイセクシャル=性別関係なく男女とも恋愛対象になる
  • T…トランスジェンダー=体の性と心の性が異なる人
  • Q…クエスチョニング=性的指向、性自認がはっきりしない人

大多数が、異性を愛する人たちで、LGBTQは性的マイノリティ(性的少数者)です。

本当のことを言ってくれてうれしかった

人にはいろいろな性的指向があることは認められるべきことですが、やはり今でも差別や違和感を感じる人が多いことも否めません。

私の友人にも、ゲイの人がいるので、今でこそ驚いたりはしないですが、友人に初めてゲイだと告白されたときは、正直、少なからず戸惑いました。

しかし、それは差別的な気持ちではなく、ずっと男の子として接してきた私のことを、彼はどう思っていたのだろうという気持ちが大きかったです。

ただ、何となくゲイなのかなと気づいていたこともあり、はっきり言ってくれた方が私はうれしかったです。

映画「窮鼠はチーズの夢を見る」の感想 最後に

映画「窮鼠はチーズの夢を見る」の感想でした。

最近ではLGBTQについて、理解しようとする動きが世界的に活発になって来ています。

そして、人を愛することは性別関係なく切なく、儚く、とても美しいもの。

本作の恭一と今ヶ瀬を見ていると、こんなにお互いを求め合える恋愛がとてもうらやましくなりました。

恭一が、「流され侍」だったのは、今ヶ瀬の愛を知る前まで、「男は女を愛するのが絶対的な『普通』」だと思っていたからなのかもしれません。

ラストシーンの背の高い細いスツールに座り、すっきりした恭一の笑顔はとてもさわやかでした。



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